急速に少子化が進むなか、国内の様々な企業・団体が人手不足に悩んでいる。とりわけ流通・小売業や製造業、そして医療・ヘルスケアなど、現場でのマンパワーが特に必要となる業界では、その悩みは深刻だ。仕事に習熟したプロがなかなか確保できず、そのうえ勤務時間/期間が短い非常勤スタッフは業務に慣れるまでかなりの時間を要してしまう。そうなると、人材が十二分に足りていた従来であれば気づかなかった、ちょっとした理由で業務が滞ってしまうことになるのだ。
人手不足の意外な落とし穴、"インクリボンの交換作業"
その典型例が、プリンタのインクリボンの交換作業である。製造業であれば、指示ラベルや製品ラベル、名札、アパレルタグなどの印刷にプリンタが使われており、医療・ヘルスケアであれば、ラボや検体ラベル、備品管理ラベル、採血管や血液製剤ラベル、配膳札などが該当するだろう。そして小売業の場合は、在庫管理ラベル、棚ラベル、記録ラベルなどでプリンタが使われているはずだ。
これらいずれの業界のどの現場、どの用途でも、印刷するプリンタのインクリボンの交換が定期的に必要となる。しかし、通常は月に一度程度しかその作業が発生しないことから、前述のように習熟したスタッフが少ない職場では、正しい交換の仕方がわからない人も多い。また、多忙な場合にはこうしたスタッフが慌ててインクリボンの裏表を逆に装着してしまうといったミスが起きやすく、結果、業務にさらなる混乱が生じてしまうことになる。
業務の滞りを防ぐ「インクリボンカートリッジ」
このような多くの企業が直面する課題を解決するのが、「インクリボンカートリッジ」式のデスクトップサーマル(熱転写)プリンタの活用だ。インクリボンカートリッジであれば、CDをセットするように簡単に交換ができるため、教育の必要はほとんどない。またカートリッジにチップを備えており、リボンの種類や残量がプリンタのアイコンにより一目でわかるようになっている。一方、サーマルプリンタの特徴としては、インクジェット方式やレーザー方式と比べて起動が素早く、シンプルな構造のため小型化しやすく、ランニングコストも安いことなどが挙げられる。
現在、世界中でこのインクリボンカートリッジ仕様の唯一のサーマルプリンタとなるのが、ゼブラ・テクノロジーズが提供するデスクトップサーマルプリンタ「ZD420」である。
同社は1969年に米国イリノイ州で設立され、その後イノベーションを繰り返した結果、現在ではモバイルコンピュータ、バーコードスキャナやRFID、バーコードプリンタなど、自動認識システムの世界最大手となっている。国内では1998年からビジネスを展開しており、2014年10月にMotorola Solutionsのエンタープライズ事業を買収し、ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンを設立。国内では100%パートナー経由で製品を提供していることから、各業界の事情に精通した複数のパートナーが存在する。
ユーザービリティを徹底追求した「ZD420」の特徴とは
ZD420のようにインクリボンカートリッジであれば、セッティングの教育は不要なうえ、カートリッジの装着は数秒レベルで済む。そのため余計な時間をロスすることなく、すぐに業務に戻ることができる。また食品や商品を取り扱う現場でも、インク汚れを気にする必要もない。
このインクリボンカートリッジ自体は、現場の顧客の声から実現した機能だという。他にも、203dpiと300dpiモデルが用意されているなど、その特徴は、インクリボンカートリッジの対応以外にも多数存在し、現場の声を第一に考えている。
まず1つ目の特徴は、シンプルなユーザー・インターフェイスを備えている点だ。機能ごとのボタンやステータスアイコンによって、消耗品やネットワーク、データのエラーなどが一目瞭然となっている。アイコンからプリンタの状態がひと目で確認できるため、結果として問題点を素早く解決し、素早く稼働復帰できるのだ。
次に、フレキシブルな対応が可能な点も大きな特徴となる。シリアルポートやLANポート、ピーラーやカッターなどのオプションが、導入後に必要になったとしても、後から簡単に取り付けることができるのだ。それぞれのオプションはユニット化されているため、取り付け作業も誰であろうと現場ですぐに完了することができる。
実は、ピーラーとカッターのどちらが現場で必要になるかなどは、導入時にはわからないケースも多いという。そうした場合でもZD420であれば、まずは標準仕様で導入し、実際の運用の様子を見ながら、後で選択して機能を追加することが可能なのだ。
また、すべてのZD420プリンタは、ゼブラ・テクノロジーズ独自のソフトウェアプラットフォームである「Link-OS」をサポートしているため、クラウドから監視および管理することができ、管理業務が非常に容易になる。1台のプリンタ、特定の複数プリンタ、あるいはすべてのプリンタを、クラウドを通じて世界のどこからでも管理できるのだ。さらに、印刷ヘッドの磨耗から通常の損耗まで、あらゆるものをカバーする比類ないメーカー提供サポートを行う「Zebra OneCare サービス」もオプションとして提供されている。
医療・ヘルスケア業界に特化したモデルも用意
日本のあらゆる現場の業務効率化に期待
ZD420の医療・ヘルスケア業界向けモデルとなるのが「ZD420-HC」だ。このモデルは、消毒剤対応のプラスチック材とシーリング処理されたボタンインターフェイスを備えているため、病院や診療所では欠かせない清掃や消毒が簡単に行えるようになっている。また300dpiの印刷オプションにより、試料容器や処方箋向けの小さいラベルでも読みやすい印字が可能だ。医療向け電源の国際規格であるIEC 60601-1認証も取得している。
冒頭で述べたように、人手不足がますます進む中にあっても、企業・団体にはさらなる業務効率改善が求められ続けることになる。そのため、現場において業務を阻害しうる問題はあらかじめ解決しておくことが必須だ。ZD420の活用により、日本の様々な現場で業務効率化が進み、それぞれの競争力の向上につながることを期待したい。
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