Tintri SyncVMのコピーデータ管理機能を使用して、SLAの短縮とDevOpsへの移行の迅速化を成功させたティントリのお客様の例をご紹介します。

キー ポイント

  • 従来のストレージでは、DevOpsに必要なプロビジョニングプロセスとリストアプロセスを迅速に進めることができない
  • ある金融サービス業界のお客様は、ティントリ製品を使用することで、一般的なタスクのSLAを5時間から5分に短縮することに成功
  • Tintri SyncVMのコピーデータ管理機能を活用することで、プロビジョニングが容易になるほか、リストアの効率化やスムーズなタイムトラベルが可能に

金融サービス業界のお客様は、急速なペースでデジタル経済への移行を進めています。銀行はデータアクセスや取引のための顧客向けWebサービス、モバイルアプリケーションを提供していますが、今日では顧客の新たなワークフローが発生するたびに、既存のコードの限界が試されています。

ティントリは、金融サービスをはじめとするさまざまな業界のお客様のお話を伺ってきました。そうしたお客様から聞こえてくるのは、開発作業をスピードアップさせたいという声です。そして、それを実現する方法としてDevOpsモデルが積極的に採用されています。しかし、これには急速な変化が伴うため、お客様の多くは従来のストレージプロセスで開発者のニーズを満たすことに大変苦労しています。ティントリは、お客様のDevOpsへの移行を支援する優れたソリューションをご提供します。運用、開発、テスト、QAの各環境における時間的要件の厳しいタスクを簡略化し、所要時間を短縮することで移行を最適化します。ティントリのコピーデータ管理機能を使用すれば、物理データのコピーが不要なため、ストレージを効率的に使用できるようになります。

運用チームが開発チームのニーズを満たすために

ある金融サービス業界のお客様のvSphere 6.0とvCloud Suiteの環境では、顧客向けアプリケーションを実行する運用環境用VMを700台以上、開発用VMを800台以上稼動しています。

同社ではWebやモバイルの利用が増加しており、開発チームにとっては、重大なバグが発生した際にトラブルシューティングを待っている時間が一生のように長く感じられています。そこで開発チームは、運用チームに次の3つの要望を出しました。

  • プロビジョニングに関する標準SLA: VMと最新の運用データのプロビジョニング時間を保証してもらうため
  • リストアに関する標準SLA: VM、vDisk、ファイルをリストアする場合の所要時間を把握するため
  • サービス要求に対する応答時間の保証: いくらタスクがすばやく完了したとしても、その要求が通るまでに2日も待たされるようでは意味がありません。要求への応答時間は、そのときのスタッフの空き状況やシステム負荷によって大きな幅がありました

そこで運用チームは、上記の要件に対応するためにティントリ製品を使用しました。これにより、プロビジョニングとリストアのSLAを5時間から5分に短縮することができました。ティントリストレージは、時間とリソースの節約を実現する以下の3つの重要な機能を運用チームに提供します。

  1. VMとvDiskを数分で更新し、常に運用環境の最新データを反映: これにより、開発環境とテスト環境が運用環境と確実に同期されます
  2. 余分なストレージを消費せずにファイルレベルでリストア: 従来は、容量が不十分なためにリストアが遅れ、急きょクリーンアップを行うことが必要なケースがありました。今後はそのような問題に悩まされることはありません
  3. 過去のVMバージョンやさまざまな時点にタイムトラベル: 開発チームが問題をしっかり把握してトラブルシューティングするためには、以前のバージョンのVMやある時点でのデータセットをリストアすることが必要な場合があります。ティントリ製品ではそれを可能にし、簡単に行うことができます

これらの機能を活用することで、運用チームの効率は大幅にアップします。これまでは何時間もかかっていたような多くのタスクを自動化し、数回のクリックで完了できるようになるため、要求の処理が滞ることがほとんどなくなります。

VMをすばやく更新して常に最新の運用データを反映

開発環境ではできるだけ頻繁にデータを更新し、運用環境の最新データを反映させることが重要です。開発環境を運用環境の状態に近づけることは、バグや統合関連の問題を避けるうえで非常に効果的です。

しかし、これには問題もあり、データを更新するとそのたびに全てのVM設定を含む環境全体を再構築する必要が出てきます。そのため、このプロセスには手間も時間もかかり、エラーも発生しやすくなります。

Tintri SyncVMのコピーデータ管理機能を使用すれば、環境全体を再構築することなく、プロセスを合理化して更新を実行することができます。その結果、サービスの中断が減り、より頻繁かつ定期的に更新できるようになります。

Tintri SyncVMでは、物理データコピーの代わりにスナップショットとクローンを活用します。Tintri SyncVMでは柔軟性を重視しており、VMまたはvDiskレベルで呼び出すことができます。

先程触れた金融サービス業界のお客様は、Tintri APIを使用してプロセスを自動化することで、運用チームの力を借りなくても、開発チームが必要なときにプロセスを開始できるようになりました。

リストアの効率化

DevOps環境では、さまざまな理由で、VM、vDisk、ファイルを個々にリストアする必要があります。残念ながら、従来のストレージではそれが非常に困難でした。LUNレベルでバックアップしている場合は通常、1つのファイルだけが必要でもLUN全体をリストアする必要があります。また、LUN全体をリストアするのにストレージの空き容量を十分に確保しなければならないのも大きな壁でした。

ティントリのVMに最適化されたストレージを使用すれば、このプロセスが非常に簡単になります。全ての操作がVMまたはvDiskレベルで実行されるため、LUNレベルで操作することを考える必要はありません。

1つは、スペース効率に優れたティントリのスナップショットを利用することです。VMやvDiskのリストアは、SyncVMを使用して手動で実行できます。VM全体、vDisk、または特定のVMの一部のvDiskを対象として、以前に保存されたそのVMの任意のスナップショットへのポイントインタイムリストアを簡単に行うことができます。1つのファイルをリストアする場合は、スナップショットを既存のVMに一時ディスクとして接続するだけで必要なファイルをコピーできます。

テスト完了後、ベースラインにロールバックするなど、処理が繰り返し発生する場合は、Tintri APIを使用してこのようなリストアを簡単に自動化できます。予期しない事態が発生した場合は、ティントリのコンソールを使用して、数回のクリックで必要な処理を完了することができます。

タイムトラベル

コードを提供するペースを上げ、継続的デリバリー(CD)へと移行すると、おそらく、開発環境をこれまでよりも高い頻度で以前の状態に戻す必要が出てくることになります。例えば、開発チームが2日前に発生した問題の報告を顧客から受けた場合、その問題を再現するためには、運用環境のデータセットを含む開発環境の一部をその時点にリストアする必要があります。ティントリはこうしたタイムトラベルをより簡単にできるようにします。

タイムトラベルは、ティントリの効率的なリストア機能の延長線上にあります。SyncVMを使用すると、保存された任意のスナップショットの時点に1つまたは複数のVMをリストアできます。VMごとに数百のスナップショットを保存し、必要に応じて任意の時点に移動できるため、同じ問題に対応している複数の開発者が、それぞれ異なる時点の状態を確認することも可能です。

一方、ほかのベンダーのスナップショット機能には大きな制約があります。特に致命的なのは、一部の実装において、以前のポイントインタイムスナップショットを有効にした場合に、それ以降の全てのスナップショットが消去される点です。ティントリが可能にするタイムトラベルを実現するためには、複雑な手順が必要になります。

ティントリはDevOps向けのスマートなストレージを提供

この金融業界のお客様のケースでは、ここでご紹介した機能を活用していただくことでさまざまな改善が見られました。SyncVMの使用により、SLAを5時間から5分未満に短縮していただけたほか、運用チームはわずか5回のクリックで、任意のVM、vDisk、ファイルのポイントインタイムリカバリを行うことができるようになりました。また、運用チームが休日出勤をする必要もなくなりました。現在も引き続き自動化するプロセスを増やし、さらに多くのデータセンターでこのモデルを実装するために取り組みを進めています。

SyncVMを使用して DevOpsを加速する方法の詳細については、デモ動画をぜひご覧ください。

このTintri SyncVMのデモ動画では、VMに最適化されたストレージを利用することで、VMをクローニングしてテスト環境に分離し、VMを更新して運用環境のデータを反映するという手順を、いかに簡単に実行できるかをご覧いただけます。

Author

ティントリジャパン合同会社 マーケティング本部
マーケティング本部長 羽鳥正明

外資系ITベンダにてPC、サーバーのプロダクト・マーケティングを8年間担当。その後Linux/OSSビジネス関連企業にてマーケティング全般をマネジメントしたあと、ストレージ業界に身を投じ、EMCやDellでエンタープライズ向けストレージのプロダクト・マーケティングを歴任し、現在は仮想化向けストレージのティントリにてマーケティングならびにPR活動全般を一手に引き受ける。

また、2015年4月より、一般財団法人ストレージネットワーキング・インダストリー・アソシエーション日本支部(SNIA JAPAN)にて運営理事として参画。

コンタクト:info.japan@tintri.com

※本コラムは、ティントリジャパンに掲載されたブログ記事より転載したものです。

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