簡単に自動化できて、ユーザーにとっても使いやすいストレージサービスを提供するために、VMとコンテナに最適化されたストレージを選択しましょう。

キー ポイント

  • ティントリのサービスはレゴブロックのように組み合わせられるため、ユーザーはセルフサービスポータルからVMに必要なサービスだけをプロビジョニングできる
  • ティントリのストレージサービスはVMレベルおよびコンテナレベルで簡単に自動化して、ユーザーに必要な機能だけを提供できる
  • 完全なREST APIに加え、OpenStack、vRealize、Python、PowerShellなどの付加価値の高いツールを統合して、より簡単に自動化できる

クラウドが主流となった今日では、これまで採用されてきたITプロビジョニングプロセスではもはや通用しません。以前は、開発者や事業部のマネージャーがリソースを要求しても、サーバー管理者、ストレージ管理者、ネットワーク管理者へと話がたらい回しにされ、数日~数週間も待たなければならないことが普通でした。プロビジョニングをはじめとする、あらゆるITプロセスが合理化されなければ、ユーザーはセルフサービス機能を目玉として組み込んだパブリッククラウドへと針路を変えてしまいます。これは、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの先進的なITチームが、セルフサービスを使用してボットを作成することにした理由の1つになっています。ボットを作成すれば、従業員は日々の繰り返しの業務から解放され、より付加価値の高い活動に専念できるようになります。バンク・オブ・ニューヨーク・メロンが作成した「ALEXIS」(独自開発のボット)の詳細や、ティントリとのパートナーシップで今後開発が予定されているセルフサービス機能については、The Wall Street Journalの記事(英語)をご覧ください。

お客様の多くは、パブリッククラウドと同じ使いやすさと俊敏性を持ちながら、コストの制御と厳密な管理が可能な、オンプレミスのインフラストラクチャ用プライベートクラウドの構築に取り組んでいます。しかし、提供できるサービスの品質というのは、基盤となるインフラストラクチャ、特に、どのようなストレージを採用するかで大きく変わってきます。

セルフサービスのニーズを満たすストレージを選ぶ際は、以下の3つの点に着目する必要があります。

  • 主な機能: スナップショット、クローン、レプリケーションといった付加価値の高い機能は、パブリッククラウドでは滅多に見られないため、大きなメリットとなります。
  • レベルの違い: VMレベルおよびコンテナレベルで動作するストレージは、ごく簡単にセルフサービスポータルに組み込むことができるため、ユーザーにとっても機能がわかりやすく、利用しやすくなります。
  • 抽象化: 全てのストレージ機能に対応したシンプルなREST APIがあれば、どんなセルフサービスプラットフォームを利用していてもストレージ機能を自動化できます。

従来のストレージで、上記の全ての要件に対応しているものはありません。

ティントリストレージのセルフサービス

ティントリは、上の3つの全ての要件を満たすWebサービスのアプローチを採用しています。ティントリのエンタープライズクラウドプラットフォームはVMレベルで動作していますが、コンテナレベルでも同じサービスを提供できるよう、現在、取り組みを進めています。スペース効率に優れたスナップショット、レプリケーション(非同期および同期)、QoSといったティントリ製品の全ての機能が適切なレベルで動作するため、セルフサービスポータルの一部として簡単に自動化できます。

VMレベルとコンテナレベルの違いについては、ブログ記事「VMの自動化とボリュームの自動化の違い」で詳しく説明しています。ティントリストレージを使用すると、高度なストレージ機能を自動化して、セルフサービスポータルから提供できます。これは、ほかのストレージベンダーの製品では不可能なことです。ティントリのサービスはレゴブロックのように組み合わせることができるため、ユーザーはVMに必要なサービスだけをプロビジョニングできます。

例えば、VMをプロビジョニングし、そのVMにQoSを設定して、スナップショットとレプリケーションのスケジュールを設定する、という全ての操作をユーザーが直観的に行うことができます。LUNとは何か、そのLUNの保護レベルとは何かといったことを、ユーザーが理解している必要はありません。また、ストレージ管理者もLUNを設定したり調整する必要はありません。セルフサービス環境では、ユーザーがどのアプリケーションを展開しようとしているのかを事前に把握していることは少ないため、これは大きなメリットです。

ノイジーネイバー(うるさい隣人)の影響をなくす

さらに検討事項として挙がるのが、VM単位のパフォーマンスのレーン分け/分離です。基本的には、ノイジーネイバーの問題ということになります。マルチテナントのセルフサービス環境では、あるVM内のノイジーネイバーがほかのVMのパフォーマンスに影響することがあります。これまでのストレージでは、複数のテナントがLUNを共有する場合に、常にこのような状況が発生していましたが、インフラストラクチャチームがパフォーマンスの問題の原因を特定することは、ほとんど不可能でした。ティントリは、VM単位のパフォーマンスのレーン分けにより、VM間のパフォーマンスを完全に分離することで、このノイジーネイバーの問題を解決しています。

開発環境とテスト環境のプロビジョニングとリフレッシュが簡単に

開発/テスト環境やDevOps環境では、開発環境とテスト環境のプロビジョニングとリフレッシュの作業が頻繁に発生するため、自動化が不可欠です。Tintri SyncVMを使用すると、開発環境とテスト環境のデータを数分でリフレッシュして、新しいソフトウェア機能の継続的インテグレーション、リリース、デプロイメントを迅速化できます。ティントリのほかの機能と同じくSyncVMはセルフサービスポータルから提供できるため、開発者は必要なときにいつでも最新のコードとデータで開発環境とテスト環境を作成、更新できます。詳しくは、こちらのブログ記事と動画(英語)をご覧ください。

ティントリ製品へのセルフサービスの統合

高度なツールやプラットフォームとの統合も、ストレージのセルフサービスには重要な要素です。ティントリ製品はREST APIのほかに、以下のツールとの統合が可能です。

  • OpenStack
  • vRealize OperationsとvRealize Orchestration
  • Python SDK
  • PowerShell

Tintri REST APIは、これらのツールとの統合の基礎となる基本的な構成ブロックで、ティントリの自動化の要件を満たすために使用できます。高度なツールやプラットフォームとの統合で、ティントリストレージはさまざまな状況で簡単に自動化し利用することができます。REST APIを直接使用できるという柔軟性は多少失われますが、その代わりに使いやすさというメリットが手に入ります。

OpenStack

OpenStack Libertyのリリース以降、ティントリ製品はOpenStackと完全に統合されました。以前のOpenStackリリース用のティントリドライバーは、ティントリのサポートポータルから入手できます。ティントリストレージはあらゆるOpenStackディストリビューションで動作しますが、Red Hat、Mirantis、HPのOpenStackディストリビューションでは動作が完全に保証されています。

下の動画では、OpenStack環境で動作するティントリストレージ機能の一部をご紹介しています。

OpenStackデプロイメントのティントリストレージ

Tintri vRealize Orchestratorプラグイン

1年ほど前に、vRealize Automation(vRA)ポータルを利用しているお客様から、次のようなリクエストをいただきました。「うちではティントリストレージとの統合を担当できる開発者チームを用意できません。ティントリ製品の機能を私が自分のポータルから簡単に統合できるようにしてもらえませんか」。

先日リリースしたvRealize Orchestrator(vRO)プラグインは、まさにこのリクエストに応えるものです。VMware環境でvRealize AutomationまたはvCloud Directorを使用して、自動化とセルフサービスを展開している場合、このプラグインを使用すればAPIレベルでのプログラミングを行うことなく、ティントリストレージの機能(SyncVMやQoSなど)を上位の管理レイヤーと簡単に統合できます。Tintri vROのワークフローはほとんどのセルフサービスプラットフォームに組み込むことが可能で、きわめて汎用性に優れています。

Tintri vRealize Orchestratorプラグインは、ティントリのサポートポータル(英語)からダウンロードできます。

Python SDK

ティントリは、GitHubで更新版のTintri REST API用Python SDK(英語)をリリースしました。オブジェクト指向のSDKであり、Python 2.7で動作します。このSDKは基礎となるAPIの詳細を理解していなくても利用できるため、特にWindows以外のクライアントで自動化を行う場合に便利です。詳細については、開発者エバンジェリストRick Ehrhartのブログ記事(英語)をご覧ください。

Tintri Automation Toolkit for PowerShell

Tintri Automation Toolkit for PowerShell(英語)は、ティントリのサポートサイトからダウンロードできます。このツールキットはWindowsクライアントで使用でき、バージョン 3.0には、Tintri OS 4.2およびTintri Global Center 3.0で利用可能なTintri APIリリース v310.51のAPI機能が含まれています。詳細については、Rick Ehrhartのこちらのブログ記事をご覧ください。

ティントリはセルフサービスに最適なストレージを提供

どのインフラストラクチャ(ストレージ)を選択するかは、プライベートクラウドやセルフサービスポータルの機能に大きく影響を及ぼします。ティントリストレージは、これまでのストレージでは不可能だったことを実現するために、適切なレベルで動作する主要機能を提供します。それらを利用することにより、ITチームは充実したストレージサービスをセルフサービスを通じて簡単に公開することができます。高度なツールやプラットフォームと統合することで自動化プロセスが簡略化され、あらゆるオペレーティング環境のニーズに対応できるようになります。

Author

ティントリジャパン合同会社 マーケティング本部
マーケティング本部長 羽鳥正明

外資系ITベンダにてPC、サーバーのプロダクト・マーケティングを8年間担当。その後Linux/OSSビジネス関連企業にてマーケティング全般をマネジメントしたあと、ストレージ業界に身を投じ、EMCやDellでエンタープライズ向けストレージのプロダクト・マーケティングを歴任し、現在は仮想化向けストレージのティントリにてマーケティングならびにPR活動全般を一手に引き受ける。

また、2015年4月より、一般財団法人ストレージネットワーキング・インダストリー・アソシエーション日本支部(SNIA JAPAN)にて運営理事として参画。

コンタクト:info.japan@tintri.com

※本コラムは、ティントリジャパンに掲載されたブログ記事より転載したものです。

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