抽象化がどれだけ重要な要素であるか、皆さんは本当に理解していますか? ストレージがボリュームレベルで動作するのとVMレベルで動作するのでは、大きな違いがあります。先日ある企業がvRO(vRealize Orchestrator, ボリューム使用)に関するブログを公開していましたが、その記事にインスパイアされ、今回はティントリが実現しているVMレベルの動作でどのように自動化が簡略化されるかを説明しようと思い至りました。

キーポイント

  • クラウドでは、LUNレベルやボリュームレベルでタスクを実行するのは意味がない
  • ティントリには、スナップショット、レプリケーション、クローニング、QoSといった付加価値の高いVMレベルのタスクが含まれる
  • 競合他社は、データストアレベルやボリュームレベルやLUNレベルでの動作しか提供しないため、付加価値の高いワークフローを提供するのは困難(または不可能)

ティントリのエンタープライズクラウドプラットフォームは、VM、vDisk、コンテナー上で直接動作するため、付加価値の高いストレージサービスを簡単に自動化し、セルフサービスで提供することができます。このことは、先日キーラン・ハーティがこちらの記事(英語)の中でご紹介したとおりです。今回は、ティントリが実現する自動化とセルフサービス機能のメリットについてさらに詳しく説明したいと思います。

クラウドにおいては、LUNレベルやボリュームレベルでタスクを実行するのは意味がありません。本当に重視すべきは、適切な精度で自動化することです。従来のストレージを採用しているIT環境では、ストレージ管理者が要件に基づいてVMの場所を手動で配置するのが一般的です。しかし、この方法はクラウドでは通用しません。なぜなら、VMはクラウドユーザーのものであり、VM、コンテナー、アプリケーションはセルフサービスの要求に基づいて移動されることになります。「手動」はこれまでも最善の選択肢となることはありませんでしたが、全てが自動化されるクラウドにおいては、選択肢にもなり得ません。

ティントリの自動化と他社の自動化の違い

クラウドの自動化にはよくオーケストレーターが使用されます。オーケストレーターは非常に強力ですが、ワークフローは基盤インフラストラクチャの機能に依存するという側面があります。たとえば、後で例に出てくるvRealize Orchestrator(vRO)もその1つです。

ティントリのインフラストラクチャを基盤として自動化を適用するオーケストレーターなら、VMレベルまたはvDiskレベルでタスクを実行できるため、クラウドサービスに簡単にマッピングして、エンドユーザーに使用してもらうことができます。付加価値の高いこれらのタスクには、データ同期、データ保護、サービス品質(QoS)といった高度な機能が含まれます。

一方、他社が提供しているvRealizeの自動化タスクでは、すべての動作がボリュームレベル、データストアレベル、アレイレベルで行われ、ストレージ管理者の手が必要なタスクとなります。つまり、専門的な知識がなければ使用することはできません。

また、エンドユーザーに提供するサービスに、これらのタスクを簡単にマッピングすることもできません。ボリュームベースやLUNベースのストレージで、オーケストレーターのタスクを保護ポリシーのエンドツーエンドの自動化にマッピングしようとした場合、以下のプロセスを経る必要があります。

このプロセスフローは、VMにスナップショットのスケジュールとレプリケーションを追加するという、本来であれば簡単なタスクです。しかしこの場合は、LUNまたはボリュームのスケジュールが正しいかを確認するだけでなく、容量とパフォーマンスが十分であるかも確認する必要があります。十分でない場合は、新しいLUNまたはボリュームを作成する必要があります。さらに、DR側でも同様の手順を実行する必要もあります。こうした複雑なワークフローは作成や保守に手間がかかりすぎるため、クラウドサービスには通常このような高度なVMレベルの機能は含まれていません。

これに対して、ティントリではvROプラグインにタスクが含まれており、スナップショットのスケジュールとレプリケーションをVMそのものに適用できるため、必要以上に複雑になることはありません。ワークフローはシンプルで信頼性が高いため、セルフサービス機能に付加価値の高いストレージサービスを含めることができます。たとえばVMを作成する場合、同期、QoS、レプリケーションの設定をユーザーが自由に指定できるように、ワークフローを簡単に作成することができます。それが、ティントリがVMware Solution Exchangeで最高評価を最多数獲得(英語)している理由だと考えられます。

他社のサービスカタログを見てみると、提供されているタスクは管理者レベルのものであり、エンドユーザーが利用できるセルフサービスポータルの機能ではないことは明らかです。

ストレージの自動化とセルフサービス機能の提供

ストレージの自動化とセルフサービス機能をエンタープライズクラウドの一部として提供するにあたって主軸となるのが、以下の3つの特長です。他のストレージベンダーでもこのうち1つか2つは満たしている場合がありますが、本当の意味でインテリジェントなインフラストラクチャを活用したクラウドストレージサービスを実現するには、3つ全てが必要とお考えください。

関連資料

ティントリのvROプラグインの詳細については、以下のリンクを参照してください。

データシート: ティントリとVMware vRealize OrchestratorによるVMレベルでのワークフローの自動化(英語)

ホワイトペーパー: Tintri vRealize Orchestrator Pluginの使用(英語)

※本コラムは、ティントリジャパンに掲載されたブログ記事より転載したものです。

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