2016年12月14日に開催された「データ分析実践セミナー」。その第二弾が、2017年3月3日に東京都新宿区にて開催された。満員御礼となった今回は、さまざまな事例と共に、昨今大きな話題となっているセルフサービスBIについての講演が行われた。
本記事では、同セミナーに登壇したクリックテック・ジャパン ソリューション・コンサルティング部 部長の横川健氏による、セルフサービスBIツール「Qlik Sense」の解説、およびNTTデータ 技術革新統括本部 購買部 山本和秀氏による「調達コストの大幅削減を実現したデータ整備・活用事例」について紹介する。
現場のスピード感に対応する「セルフサービスBI」
多種多様な形式で社内に散財するさまざまなデータ。これらを分析できるようにまとめるには、専門的な知識と技術を持つIT部門などの協力が必須である。だが近年、データ分析の重要性が高まるにつれ、IT部門には大量の分析依頼が殺到しており負荷が増している。その結果、バックログ(積み残し)が発生し、分析が遅延するという課題が生じているのだ。
こうした課題を解決するものとして注目を集めている存在が、IT部門ではなく、現場のユーザー自らの手によって分析を行いレポート作成を行う「セルフサービスBI」である。
現場の分析はセルフサービスBIで自らが意思決定を行う。そして経営に関わる重要な分析はIT部門が行う。このような住み分けを行えば、バックログが発生することもなく、会社全体がデータに基づく迅速な意思決定とアクションを実行できる。
ただし、これを現実に実行するためには、いくつかの条件が必要となる。
セルフサービスBIの実現に必須となるガバナンス
現場でよくある分析手法としては、データベースから抽出したデータをExcelなどによって分析・レポート化するものだ。だがこのような手法では、分析に使用したデータが、いつ、どこから、誰が抽出したものなのか、その詳しいところは分析した本人にしかわからない。
また、その分析結果に個人の意思が入り込む余地が生まれてしまうこととなる。言い換えれば、データやツールに強いパワーユーザーであれば、自分の都合のいいようなレポートを作り出せてしまうということでもある。
「セルフサービスBIを実現するためには、誰が使っても同じ分析結果が得られ、それを共有できるガバナンスが必要です。そして、これを実現するソリューションが、私たちクリックテックが提供するQlik Senseなのです」(横川氏)
自由な分析を可能とする独自エンジン「連想技術(QIX Engine)」
Qlik Senseは、企業内に存在する多種多様なデータを一元的に管理し、データの一貫性を確保する。これによって、誰が、いつ、どこで使用しても、同じ分析結果が得られることとなる。
もうひとつ、注目すべき点はQlik Senseが持つ独自エンジン「連想技術(QIX Engine)」の存在である。これは、たとえばある項目を選択すると、それに関連する項目が次々と表示されていくという技術だ。
これによって、ユーザーは画面に表示される項目に従って、直感的に選択や検索を繰り返し、データの奥にある知見や新たなる発見を導き出すことが可能となる。また、操作はすべてマウスによるクリックであるため、特別な知識や技術をもたない現場のユーザーであっても自由な分析ができる。セルフサービスBIの実現において、この連想技術(QIX Engine)の存在は、大きな力となることだろう。
セルフサービスBIの実践事例
横川氏の講演では、セルフサービスBIの実践事例としてクレディセゾンのケースが紹介された。同社では、カード会員2,800万人、ネット会員(永久不滅.com)970万人を抱えている。同社が保持するデータには、カードの利用履歴、ECの利用履歴、そしてサイトへのアクセスログなどがあるが、それぞれが異なるシステムで管理されていたため、総括的に参照・分析することができなかった。
そこでクリックテックが提供するBIツール「QlikView」を導入。PDCAを効果的に回すことで、コンバージョンレートが3倍にまで向上したとのことだ。
「調達コストの大幅削減を実現」- NTTデータ
TTデータ 技術革新統括本部 購買部 山本和秀氏のセッションでは、セルフサービスBIによってコスト削減を実現した事例が紹介された。
同社の購買部では、購買データを分析することで調達コスト適正化の実現を計っていた。しかし、その取引件数は年間で約15万件にものぼるため、分析結果が得られるまで、大変な時間がかかっていた。
「以前は、ExcelやAccessで分析を行っていたのですが処理が重く、また分析の観点が変わるたびに作業が発生したり、操作が複雑になるため作成した本人しか分析ができなかったり、非常に手間を取られていました」(山本氏)
このような状況を打破するために、山本氏ら購買部ではQlikViewの導入を決意。まずは無償版であるQlikViewパーソナルエディションを使用してプロトタイプを作成し、社内でデモの実演を行うなど、その必要性を訴えたという。
「実際にレポートを見てもらえれば、QlikViewが必要なものだと理解してもらえるという確信がありました。事実、社内でプレゼンをしたところ、ほぼ即決で導入が決まりました」(山本氏)
そして実際に導入してみた結果、作業時間の大幅な短縮が実現。また、QlikViewによる分析から得られた結果から、“どこ”にコスト適正化余地があるのかが一目瞭然になり、説得力も増すためサプライヤーからの協力も得られやすくなったという。その分、調達コストの大幅な削減にもつながったのだ。
山本氏をはじめとするNTTデータの購買部では、さらなる効率化を目指し「データクレンジングの自動化」に取り組んでいる。
「たとえば、見積書における製品名の表記揺れがあると、データを取り込んでも正しい結果が得られません。ですから、表記揺れや項目の漏れなどを修正するデータクレンジングは必須となります」(山本氏)
これまで、同社ではデータクレンジングを外部へ委託していた。しかし、年間15万件もあるためクレンジングだけでも2~3ヶ月、コストも増大していた。しかも、すべて手作業による修正なのでクレンジング後でもデータにばらつきがあったのだ。
これらの課題をまとめて解決する手段として、同社では現在、過去のクレンジング結果と類似性のあるデータのクレンジング作業の自動化に挑戦中とのこと。
「現在、同じ見積もり様式であれば、80%以上のデータクレンジングを自動化できるレベルに到達しています。また今後は、海外グループの調達も含めた情報活用にも取り組んでいきたいです。我々としては、まだまだ道半ば、これからも色々なことにチャレンジしていくつもりです」と山本氏は強調し、セミナーを締めくくった。
なお、クリックテック・ジャパンでは、Qlik Sense / QlikViewには無料の体験版も提供されているので、興味のある方は下記のリンクよりぜひアクセスしてほしい。また、年に一度開催しているQlikバーチャルイベントが来月4月4日(火)13時に開催される。PCとインターネット環境さえあれば、オフィスのデスクや自宅からアクセスして、Qlikの最新動向、有識者による今後のBIトレンド、国内導入事例の紹介など、無料ですべて視聴、情報の入手が可能になっている。登録さえ行えば、見逃した方でもオンデマンドでいつでも視聴が可能である。あふれかえるデータを使いこなすために、組織のデータリテラシーを強化するにはどうすればよいかこのイベントでヒントをつかめるだろう。
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