7月30日(土)に福島県・伊達市で行われたパソコン組み立て教室に続き、島根県・出雲市に居をかまえる島根富士通でもパソコン組み立て教室が8月6日(土)に行われた。ちなみに前者は富士通のサーバーやデスクトップの生産拠点、後者はノートPCやタブレットPCの生産拠点となる。そのため、島根富士通で行われたパソコン組み立て教室では、タブレットPC「arrows Tab WQ2/X」(以下、arrows Tab)が組み立ての対象となった。

なお、島根富士通での同取り組みは今年で11回目。31組の子どもとその保護者、計70名以上の参加者が集まる盛大なイベントとなった。

県のゆるキャラもイベントを盛り上げ

まず行われたのがarrows Tabの組み立てだが、おもわぬ来客があった。島根県の観光キャラクター「しまねっこ」のサプライズ登場だ。これには子どもたちも大喜びでヒートアップ。保護者の中にもしまねっことの写真撮影を求める方もいた。キレッキレッの動きを見せる人気者の登場に、会場は大いに盛り上がった。

パソコン組み立て教室が行われた島根富士通

島根県の観光キャラクター、しまねっこも乱入!?

話をパソコン組み立て教室に戻そう。前述したとおり、島根富士通はノートPCやタブレットの生産拠点。今回の組み立て対象となったarrows Tabは富士通の主力タブレットで、約685g(本体のみ)と軽量ながら、約10.3時間の動作が可能な機動性に優れたモデル。その分小型なので、子どもたちが組み立てるのには少々難易度が高い。組み立て教室冒頭の挨拶にて、島根富士通 代表取締役社長 宇佐美隆一氏は、「すでにパーツには下ごしらえがしてありますが、組み立てを楽しんでください」と語った。

島根富士通 代表取締役社長 宇佐美隆一氏

プログラミング教室を新たにとり入れる

arrows Tabの組み立てが終了したあとは、恒例の工場見学とイベントに移る。ここでプリント基板の製作機器を見学したり、熟練工との“ネジ締めスピード対決”を行ったりするのだが、ここまでは例年どおり。今年は福島県・伊達市の富士通アイソテックで行われたパソコン組み立て教室と同じように、プログラミング教室が追加されているのがポイントだ。宇佐美氏も「ハードだけ組み立てるのではなく、ソフトウェアを動かしてこそパソコンへの理解が深まる」と、そのねらいを語る。

ネジ締めを体験

富士通アイソテックでは「Scratch 2.0」(スクラッチ)というプログラミングソフトを使ったが、島根富士通のパソコン組み立て教室では「Ruby」(ルビー)というソフトが使われた。ちなみにルビーは、島根県・松江市の名誉市民にもなっている、まつもとひろゆき氏により開発されたもので、同じ県にある島根富士通で教材にするにはピッタリだ。なお、教室で使用されたのは、「Smalruby」(スモウルビー)というグラフィカルなインタフェースを実装したソフトだ。

講師は、松江市を主な活動場所にしている「Rubyプログラミング少年団」の代表、高尾宏治氏。小学生がプログラミングを学ぶための教材開発や、ノウハウの蓄積・提供を行っている。

Rubyプログラミング少年団の高尾宏治氏

グラフィカルなインタフェースで、子どもたちでもわかりやすいSmalruby

その高尾氏のプログラミング教室だが、富士通アイソテックで行われたものと類似点がいくつかみられた。まず、子どもたちを座りっぱなしにさせないこと。ポイントとなるところで子どもたちを前に呼び出し、プロジェクターの目の前で解説する。その際、子どもたちはタブレット部を取りはずし、プロジェクターに映し出されるお手本をみながら操作する。これは、デスクトップやノートPCでは、なかなかできないことだ。機動力の高いタブレットならではの授業風景だろう。

そしてやはり授業最後で子どもたちに自由にプログラミングさせる。子どもたちが“作りたい”と思うものを作らせてこそ、能動的に学ぶアクティブ・ラーニングの基本なのだろう。

人的リソースを繰り出して地域貢献

当日は31組の親子が集まったが、各組に島根富士通のスタッフが1人ずつ付いて組み立ての指導を行った。つまり、休日にもかかわらず、30人以上が出張ったことになる。関係者によると、事務の方も含め70人以上のスタッフがこのパソコン組み立て教室を支えているという。

ここまで人的リソースを割いてパソコン組み立て教室を開催するねらいは何か。まず挙げられるのが地域貢献だろう。今回の教室は31組が参加したが、6組は県外から、残りはすべて島根県からの参加だ。パソコンの組み立てを通じ、子どもたちに職業体験をさせることで地域への貢献を目指している。島根富士通にしても富士通アイソテックにしても、国内に生産拠点があるからこそ、地域への貢献が可能なのだといえる。

そしてもう一点が、ICTを使った教育ノウハウの蓄積だろう。富士通アイソテックの記事でも書いたが、文部科学省は2020年を目標に、各小中学校での“PCやタブレットを1人1台”体制を目指している。当然、富士通はそのベンダーの1社となるのだが、単に機器を納入するだけではいけない。納入した機器をいかに教育に生かすか…そのノウハウも教育現場に伝える義務があるだろう。その意味で、パソコン組み立て教室の開催意義がグッと高まってくる。

また、2021年から大学入試改革が行われ、それまで“記憶した知識の再生能力”が重視されたセンター試験が廃止され、「思考力」「判断力」「表現力」といったことが試される内容になるという。こうした「知の応用力」ともいえる力を養うためにもプログラミング教室やアクティブ・ラーニングが有効になってくる。これまでのパソコン組み立て教室からガラッと内容が変わったのは、このためだろう。

そして最後に、今回のパソコン組み立て教室は、“人を育成すること”がねらいだといえよう。今から11年前の最初のパソコン組み立て教室に参加した子供が成長し、今年、島根富士通に入社したそうだ。子どもの頃の原体験により、なりたい職業が生まれ、そしてそれを実現した好例だ。“人の育成”これが、同取り組みのもっとも重要なことかも知れない。

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