コスト削減、安定長期稼働など、多くのメリットによって急速に拡大しているメールシステムのクラウド環境ですが、導入時には、既存の環境からどう移行するかという問題がつきまといます。そこで、クラウド環境への移行作業について豊富な実績があるデル・ソフトウェア株式会社の石井 洋介 氏にインタビューし、最適なクラウド化について考察しました。
メールシステムの潮流……オンプレミスからクラウドへ
電子メールやグループウェアはビジネスに必須のツールとして定着しましたが、ここ5、6年で急速に加速しているのが、オンプレミスからクラウドへの移行です。
オンプレミスで自社内に構築すれば多額の費用がかかるメールシステムやグループウェアですが、クラウドに移行すれば、ローコストで手に入り、様々なメンテナンス業務や設備投資からも解放されます。必要に応じて、ユーザー数や容量を調整して無駄なく柔軟に運用できますし、経理上も固定資産から経費となって節税に役立ちます。
デル・ソフトウェアでは、約10年前からこうした情報系システムの移行支援を展開し、豊富なノウハウを蓄積してきたといいます。長年、企業の移行支援を行ってきた石井氏によると、昨今では、先に触れたオンプレミスからの移行だけでなく、既にクラウドに移行したユーザーが別のクラウドへ移行する例も増加しているといいます。
オンプレミス←→クラウドなど様々な移行パターンがあり、最近はクラウド→クラウドが増加中。中にはクラウド→オンプレミスという、逆パターンの移行もあると、石井 氏は語ります(画像提供:デル・ソフトウェア) |
「Lotus NotesやExchangeへの移行など、当社は10年以上もの期間、お客様の情報系システムの移行を支援してきました。そこで培った知見をもとに、移行元と移行先のシステムごとに最適なマイグレーションソリューションを提供している点が、当社の強みになります。従来の『オンプレミス⇔オンプレミス』『オンプレミス⇔クラウド』だけでなく、『クラウド⇔クラウド』の移行ニーズも増加している点が、昨今の傾向といえるでしょう」(石井 氏)。
表1. デル・ソフトウェアが提供するマイグレーションソリューション | ||
製品名 | 移行元 | 移行先 |
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Notes Migrator for Exchange/SharePoint | Lotus Notes | Exchange/SharePoint/Office 365 |
Migration Manager for Exchange | 大規模Exchange | Exchange/Office 365 |
On Demand Migration for Email | 小中規模Exchange/Office 365/ Google Apps | Exchange/Office 365 |
Migration Manager for Active Directory | Active Directory移行/統合 |
Office 365への移行を検討すべき理由
こうした中、現在高い人気を誇るのがマイクロソフトのOffice 365です。Office 365には以下のようなメリットがあります。
表2. Office 365のメリット |
・Exchange Serverなどオンプレミスのシステムと共存可能(ハイブリッドクラウド) |
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これらのメリットは、オンプレミスと切り離された完全クラウドであるGoogle Appsでは実現できません。業務内容によって、すべてをクラウド化できない事例はよくあります。
そのため、従来のWindows Server系のオンプレミス環境と連携できるOffice 365には大きなメリットがあります。加えて、Office 365の主要プランはMicrosoft Officeのライセンスを含んでいるため、Microsoft Officeを使うならOffice 365でトータルコストを削減できます。
「実際に、クラウド化の潮流に乗ってGoogle Appsに移行したものの、その後Google AppsからOffice 365に移行したという案件も多いです。さらに、最近ではOffice 365からOffice 365の別テナントへの移行も増えています。というのも、会社組織の改編や合併で複数のOffice 365テナントを統合したり、契約しているリセラーを変更したことでテナントを移行したりというニーズが増加傾向にあるのです。また、プラン変更の対象外となるプランへの変更時にも、このテナント移行は必要になります」(石井 氏)。
2010年ごろの最初のクラウド化ブームで導入したシステムの契約更改時期になっていることもあり、今、クラウドからクラウドへの移行もニーズが高まっているのです。
「Gmail→Office365」「Office 365→Office365」というクラウド間移行時における、検討事項とは
移行計画の策定については、さらに以下のような検討も必要になります。
表3. 移行計画の策定時に必要となる検討事項 |
・移行するアイテム種類の選択:メール、連絡先、カレンダーなど |
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特に、クラウドの場合、大量のデータをインターネット経由で転送することから、トータルで数週間以上データ転送に時間がかかることもあります。無理のない計画が必要です。その上で、Gmail→Office 365、あるいはOffice 365→Office 365の移行をするには、どのような方法があるのでしょうか。石井 氏は、一般的に下記の2つの方法があると説明します。
(1) 各ユーザーに作業を依頼(セルフサービス)
Microsoft Outlookを使います。Outlookで移行元クラウドに接続してデータをPSTファイル(ローカルユーザーファイル)に保存し、その後、移行先Office 365に接続してPSTファイルからデータを移行します。
特別なシステムを必要としませんが、かなり小規模な組織でなければ管理者が全ユーザーの移行をするのは困難で、各ユーザー依頼するしかありません。
全ユーザーが滞りなく作業を実施してくれるか、スキルの低いユーザーに作業できるか、管理者へのヘルプデスク工数が肥大化しないか、などの問題があります。
(2) 移行ツールの利用
Office 365への移行ツールを使ってユーザーデータを一括移行します。移行ツールは、その他ベンダーやマイクロソフトからも提供されています。
ユーザーに負担をかけずに済みますが、移行ツールを実施するための移行サーバーが必要です。サーバーの購入、移行ソフトの手配、必要サーバーのスペックの計算やシステム設計等、様々なコストがかかります。また、移行ツールを使いこなすには高いスキルが必要となります。実際には、契約業者に委託することも多いでしょう。
マイクロソフトが提供するWebベースでの管理/移行機能もありますが、小中規模までをターゲットとしており、並列処理や対象メールボックス数が限られていたり、移行条件を満たせなかったりで、PSTファイルからのデータ移行に落ち着くユーザーが多くいらっしゃるとお聞きしています。
特に厳しいのは中小企業かもしれません。(1)の方法を使うにはユーザーが多過ぎて管理者が負担に耐えきれず、(2)の方法を使うには十分な予算を確保できないのです。ですが、できるなら今まで蓄積したデータを新環境に移行したいものです。そこでは、簡単に使えてローコストな移行ツールが求められます。
On Demand Migration for Emailの概要と優位性
クラウド化の様々な問題を解決する有力手段として今回紹介するのが、デル・ソフトウェアの提供する「On Demand Migration for Email」(以下ODME)です。ODME自身がクラウドで提供されるサービスで、Google AppsやオンプレミスExchange、Office 365からOffice 365への移行を行うシステムです。
ODMEには以下のような大きなメリットがあります。
表4. ODMEの導入メリット |
(1) ODME自身がクラウドで用意されているため、移行用サーバー不要(ゼロフットプリント) |
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移行作業はシステム管理者にとっても何度も経験することではなく、いわばノウハウのない一発勝負の作業となります。計画から実行まで、豊富な実績を持つデル・ソフトウェアやパートナーによるサポートを受けられることは、非常に大きな安心となります。
ODMEにはデル・ソフトウェアの豊富な経験とノウハウが生かされています。移行サーバーの調達やシステム構築の工程を省き、エンドユーザーに負担を掛けず、高い信頼性ときめ細かな移行を実現します。手軽さと高機能、高信頼性を併せ持つ理想的な移行ツールです。
ODMEを利用することで、計画立案後の実移行作業は、4つのステップだけで進めることができます(画像提供:デル・ソフトウェア) |
サードパーティー製品との機能比較資料。一発勝負の作業となるメール移行において、その信頼性や計画立った移行を支援する機能が優れているのは、大きな安心感につながります(画像提供:デル・ソフトウェア) |
どのユーザーを、どのアイテムを、いつ移行するか、といった移行計画の立案に関しては、ODMEを使っても使わなくても検討事項は変わらないでしょう。しかし、移行システムの構築や運用という点では、ODMEは劇的なコスト削減、工数削減を実現するのです。
まとめ
Office 365への移行、Office 365のテナント移行を計画しているのであれば、ODMEを有力な手段として検討すべきです。デル・ソフトウェアでは、評価用の環境も用意しています。以下のサイトに接続し、評価用ユーザーアカウントを取得して手軽に試用できますので、本稿を読んで興味をもったかたは、ぜひ試してみてください。
●評価用ODME https://portal.ondemand.quest.com
●On Demand Migration for Email 詳細資料ダウンロードページ
(マイナビニュース広告企画:提供 デル・ソフトウェア)
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