夏がやってきた! 夏といえば……そう、ビールが一番おいしく飲める季節である! 特にキャンプやBBQ、花火大会など野外で飲む機会も増えることだろう。そんなとき課題になるのがビールの「冷やし方」ではないだろうか。そのまま放置しているうちにぬるくなってしまい、いざ冷やそうにもなかなか冷えてくれず、仕方なくぬるいまま飲むことに……なんて経験は誰しも一度はあるはず。
今回はそんなぬるくなってしまったビールをてっとり早く冷やす方法について検証したい。といっても僕自身は特に知識を持ちあわせていないので、工学シミュレーション ソフトウェアのリーディングカンパニー ANSYSの日本法人、アンシス・ジャパンさんに協力をお願いした。
BBQ現場での“夏あるある”
……ということでやってきたのは都内の某BBQ会場。そう、今日はここで(ガチの)BBQが行われるのだ。BBQをやるという話を聞いたときに「ちょうどいいじゃん!」と勝手に検証することにしたのである。ちなみに他の皆はそんな事情を知らないので、BBQが終わったら適当なタイミングで記事にさせてね♪ とお願いしようっと。
これ、キャンプやBBQでよく見かける光景だが、たいていダラダラ時間をかけて飲むので、放置されている飲み物はどんどんぬるくなってしまう “夏あるある”である。あるいはそもそも持ち込んだ時点ではまだ冷えていないということも多い。
で、ちょっと気の利いた人が飲み物を冷やすためのクーラーボックスを持ってきていたりする。ここに氷でも突っ込んで冷やそうよ、ということになるわけだ。実際、今回のBBQでもクルマのトランクで持ち込んだビールがぬるくなってしまっており、肉を焼いている間にクーラーボックスで冷やそうという話になった。完璧に予想通りの展開である。
普通にクーラーボックスに飲み物を詰め込み、氷で冷やそうとする友人のUさんを「ちょっと待ったー!」と制止する。
その冷やし方、本当にベストか? 本当にベストなのか!?
圧倒的に早い飲み物の冷やし方
怪訝な表情のU氏と友人たち。まぁ、そうだよね。ベストも何も氷以外の選択肢なんて考えたことなかったよね。冷凍庫まではいかないけど冷蔵庫ほどにはなるし……でも真実はどうだろう。専門家に聞いてみようか。
……あーもしもし。クールな博士ですか?
Uさん:「って誰!? その通称なに!?」
そう、今回ご協力を依頼したのは、工学シミュレーション ソフトウェア業界大手 アンシス・ジャパンのクールな藤井さん、通称"クール博士"である!
藤井さん:「はい、もしもし」
あーどうもどうも。ちょうど今、BBQに来ているんですが、ビールを放置していたら、それはもうぬるくなってしまいまして。これを速攻で冷やしたいんですよ。で、やっぱりクーラーボックスに氷を入れるのがベストな方法なんですかね?
藤井さん:「ぜんぜんベストじゃないですね」
といいますと?
藤井さん:「カンタンにいうと、氷だけよりも、氷水につけておいた方が何倍も早く冷えます」
Uさん:「えー!?」
ほー。そういえば花火大会なんかで、よく飲み物を氷水で冷やしながら販売している屋台がありますが……。
藤井さん:「あれは理にかなっているといえますね。さらに回転させることでより早く冷えますよ」
Uさん:「水を入れるかどうかでそんなに変わるものなの?」
まだ半信半疑のUさんのために検証してみることにした。まずクーラーボックスに飲み物をそのまま突っ込み、20分放置。時間がきたところで触ってみると……。
Uさん:「うーん……まぁこんなもんでしょ。もうちょっと冷やさないと」
では次に、ぬるくなったものを冷やす前に、水を入れてよく冷えた氷水をつくっておこう。
そして、よく冷えた氷氷に飲み物を加えて、2~3分放置する。時間がきたので引き上げて触ってみると……。
Uさん:「!? つめたっ!」
触るだけでも明らかに冷たさが違うことがわかる。氷水の方はもう十分すぎるくらいに冷えているが、氷の方はぬるくてまだ飲むにはちょっと早かった。
よし、藤井さんに再び聞いてみよう。
あーもしもし。藤井さんですか? たしかに博士の言ったように氷水の方が圧倒的に早かったです。ちなみにどれくらい冷やせばいいんでしょう?
藤井さん:「こちらで検証した結果、外気温を25℃と仮定したとき、同じく16℃のペットボトルのお茶を飲み頃の5℃まで冷やすには冷蔵庫では3時間ほどかかりますが、氷水なら数分です。ビンやカンにおいてもほぼ同じ傾向といえます」
Uさん:「そんなに違うの!?」
これはちょっとびっくり。氷水の方が多少は早く冷えるというイメージを持っていた人もいるかもしれないが、そこまでスピードが違うとは……。
藤井さん:「ちなみに-18℃の冷凍庫で冷やせば30分程度で5℃まで冷えます。家飲みするときの参考までに」