あらゆる「モノ」にセンサーが搭載され、ビッグデータとして活用されるIoT時代の本格化に向け、関心を集めている技術のひとつが機械学習だ。特にクラウド事業者の機械学習サービスは、大がかりなインフラを用意しなくても利用できるため、様々なシーンでの活用が期待されている。
2016年6月29日、東京で開催される「IoT時代本格始動! 超高速並列分散処理を利用したビッグデータ活用セミナー」では、日本マイクロソフト パートナーセールス統括本部 の北垣 康成氏が、「IoTにおけるデータの可視化と機械学習の活用」と題した特別講演を行う予定だ。このセミナーは、ビッグデータの分散処理を運用・開発するためのオープンソースフレームワーク「Asakusa Framework」を開発したノーチラス・テクノロジーズが協賛し、北垣氏は特別講演というかたちで参加する。
「IoT時代本格始動! 超高速並列分散処理を利用したビッグデータ活用セミナー」の参加申し込みはこちら |
オープンソースソフトウェア(OSS)を展開するノーチラス・テクノロジーズと、日本マイクロソフト。両社の関係性はどこにあるのだろうか。本稿ではセミナーに先駆けて北垣氏にインタビューし、両社の関係性や講演の概要などについて話を聞いた。
クラウドへのシフトで変わる日本マイクロソフト
「当社はそもそもソフトウェア・ベンダーなので『Windowsで動かないものやOSSは、自分たちのビジネスではない』と考えていましたが、ここ数年はクラウドへのシフトを進めていく中で、その方針を180度変えています」と北垣氏が語る通り、日本マイクロソフトがクラウドで展開しているIoTサービス「Azure IoT Suite」には、「Azure HDInsight」のようにHadoopやSparkといったOSSをAzureで動かすためのサービスも含まれている。 「プラットフォームを提供するという立場にある現在、大切にしているのは汎用性です。Hadoopについても、当社が積極的に取り組むべきものだと考えています」(北垣氏)
まさに、ノーチラス・テクノロジーズとの接点はここにある。同社のAsakusa Frameworkは、難易度が高いと言われているHadoopやSparkでのバッチ開発を、直感的なプログラミングで行うためのソリューションだ。並列分散処理を実行するにはAsakusa Frameworkで組んだプログラムの他に、もちろん相応数のサーバやネットワークが必要となるが、Azureを利用すれば、安価かつ迅速に必要なインフラをクラウド上に構築できる。実際、データの並列分散処理に着手しようとするユーザー企業に、両社が共同で提案をすることもあるという。日本マイクロソフトの北垣氏が、今回のセミナーで特別講演を行うことは、IoTを背景として時代が変化してきていることの表れだともいえるだろう。
機械学習に寄せられる期待と活用効果
北垣氏がセミナー用に企画している講演について、本稿では世間的にも関心の高い機械学習の話題を中心に聞いた。機械学習はビッグデータの活用にあたって、各業界から大きな期待を寄せられているが、北垣氏はそれを大きく3つに分類し、現実のサービスがどれだけ対応できるものなのかを紹介していくという。
1つ目の期待は、「機械学習を導入すれば、現状やっていることの精度が上がる」というもの。さまざまなパラメータを変えながら予測の精度を追求していくためには、機械学習は有効に働くだろう。しかし「精度の向上」を誤解しているユーザーも少なくないという。
「製造業のお客様から『機械学習を導入すれば現在の歩留まりが上がるか』と聞かれることがあります。しかし機械学習はいわば統計ですから、その結果を用いたところで必ずしも歩留まりが上がるわけではありません」(北垣氏)
機械学習についてこれから学ぼうという参加者にとって今回の講演は、機械学習が得意とすること・しないこと、適応可能な範囲などについての理解を深めるためにも役立つものとなりそうだ。
2つ目の期待は、「今までコンピュータでは扱ったことのないデータを機械学習にかけることで上がる効果」への期待だ。この分野で一番大きな期待を寄せられているのは画像やテキストの分析だが、たとえば日々の業務においても、紙ベースで扱っていたデータを統計解析にかけて、これまでは気づかなかったような関連性を見つけ出せば、何らかの有効活用ができるようになるかもしれない。
3つ目は強化学習への期待だ。強化学習とは、コンピュータがいわば試行錯誤しながら、最適解への最短経路を学習していくことだ。高速に膨大な数の試行錯誤を行える機械学習は、これまで人間が思いもつかなかった「経路」を見つけ出すのに役立つ。
「強化学習でいい実績が出ている事例として、サプライチェーンの最適化があります。通常時の在庫管理はもちろん、災害による供給停止など、不確定要素を含んだ場合の最適化に、機械学習は有効です」(北垣氏)
セミナーでは、具体例をまじえながら日本マイクロソフトの機械学習サービス「Azure Machine Learning」 の活用例や、そのプラットフォームであるAzure IoT Suite全般について語られるという。ハードウェアやネットワークを揃えるだけで多額のコストを必要としたことが、クラウドによってどれだけ簡単・安価に行えるようになるか、そして新事業創出や既存事業の効率化に役立つ機械学習が、どれほど手軽に利用できるようになっているか、ぜひご自身の目で確かめていただきたい。
セミナーの詳細は以下の通り。
- IoT時代本格始動! 超高速並列分散処理を利用したビッグデータ活用セミナー
- 開催日時:2016年6月29日(水)14:00 (13:30受付開始)
- 会場:パレスサイドビル 東コア9F マイナビルームA
- 住所:〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1
- 参加費:無料(事前登録制)
- 定員:50名
「IoT時代本格始動! 超高速並列分散処理を利用したビッグデータ活用セミナー」の参加申し込みはこちら |
(マイナビニュース広告企画:提供 ノーチラス・テクノロジーズ)
[PR]提供: