ベトナムのオフショア開発をはじめとした、海外ITアウトソーシングで急成長を遂げているコウェル。同社は今年4月12日、旧セタ・インターナショナルから社名を一新。5月10日から12日にかけて東京ビッグサイトで開催された「第25回 ソフトウェア開発環境展(2016 Japan IT Week 春)」に出展し、新サービスを含めた各種サービスの紹介とともに次のステージに入った同社の理念を強く打ち出した。
ベトナムの優秀なエンジニアも成功の要因に
まず、コウェルのこれまでの歩みやサービスについて簡単に振り返ってみよう。2007年に創業した同社は、2011年より本格的にベトナムでのオフショア開発事業を開始した。中・大規模のウェブシステム開発や、スマートフォン向けアプリの開発、サイト制作サービスなど手掛けるなかで、オフショア開発のノウハウを集約・蓄積。経験豊富な日本人エンジニアのサポートによるラボ型開発チームを提供するとともに、ベトナムへの現地法人設立などの進出支援サービスなども展開してきた。品質面での要求の高い大手企業にも活用されている。
同社のオフショア開発の特徴は、日本のブリッジSEのサポート体制の充実と、日本の顧客の高い品質要求を満たすQA重視の戦略にある。主な契約形態は、ベトナム現地のシステムエンジニアを顧客の専任開発チームとして月額費用固定で提供する「ラボ型開発モデル」であり、アジャイル形式での開発や、保守運用をしながらの開発など、顧客の専属チームとして柔軟な活用が可能となっている。
「SIerの下請けではなく、我々がエンドユーザー様と直接契約することで、1つのチームとして一体となって機能することができる点も、高く評価いただいています。このため当社の顧客層は、年商1000億円超の大手企業と年商100億円超の国内有力ITサービスのベンチャー系が特に多くなっています」と語るのは、同社 事業推進部 部長の今井徹氏だ。
コウェルの急成長の要因となっているのが、ベトナムの優秀な大学・大学院で専門の教育を受けたスタッフが数多く在籍していることである。これにより、OSや開発言語・利用ツールなどを幅広くカバーしているのと合わせて、顧客が抱えている様々なオフショアの要望を、高い次元で、高品質に実現することが可能となっているのだ。
「非常に優秀な現地エンジニアが集まり、QA/ブリッジSE重視の徹底もあいまって、お客様のプロジェクトが上手くいき、そうした成功体験が口コミで広がり、また新たな優秀なエンジニアとお客様を惹き寄せるという相乗効果を発揮することができました」(今井氏)
同社のベトナム開発センターでは、現地スタッフを対象とした各種トレーニングが行われている。ブリッジSEだけでなく多くの社員が日本語でコミュニケーションを行えるようにと専門の講師を雇用しての日本語トレーニングを始め、現地のブリッジSEの増員を目的とした、開発者からブリッジSEへスキルアップするための技術・管理スキルを習得するための講座なども用意されており、より柔軟で円滑なコミュニケーションがとれるように、開発スキルと日本語スキルの両方に磨きをかけている。この他、QAエンジニアは、定期的に日本への出張を行うことで、顧客とのコミュニケーションを深める機会を設けている。
クラウドインテグレーションもラボ型開発で実現
コウェルでは、日々刻々と変化する開発ニーズを受けて、新たなサービスも積極的に打ち出している。その1つが、昨年開始した「セキュア開発チーム構築サポートサービス」だ。このサービスでは、上流工程でのセキュリティを意識した開発体制の構築を目指し、「ビルトインセキュリティ」の概念を導入。ラボ型開発での開発工程全般にわたりセキュリティを向上させることを可能にする。具体的には、外部からのWebアプリケーションの脆弱性テスト(DAST)、ソースコードレベルの脆弱性テスト(SAST)を外部の検査業者に委託せずにオフショア開発の現場で実践できるメニューを用意。更に、要件定義、設計段階からセキュリティを意識した取り組みが可能なメニューも取り揃えている。
そして今年新たに提供を開始したのが「クラウドインテグレーションサービス」である。このサービスでは、AWSをはじめとしたクラウドの設計・構築・運用を行うエンジニアを、ラボ型契約で提供。ベトナム進出支援サービス、コンサルティング、ソフトウェア開発、アプリ開発といった同社の他のサービスと組み合わせることで、顧客のシステム全般をカバーした「フルスタック・オフショアサービス」として幅広く活用することが可能となる。今回、クラウドインテグレーションサービス提供開始に伴い、同社ではクラウドインテグレーションの専門組織を発足。クラウド技術者不足を解決するために社内トレーニングプログラムを開発し、日本およびベトナムでクラウド技術者の採用・教育を強化していく。ソフトウェアとセキュリティ、それにクラウドインテグレーションも加わることで、今年テイクオフすると期待されているIoTビジネスでの利用も期待される。
人、世界とともに成長する──新社名に込めた思い
このように顧客企業と一体となり、サービスの幅を次々と広げているコウェル。同社の未来について取締役 コンサルティング室長の吉田謙氏は、次のように力強く語った。「単に安い労働力のみを求めるような『オフショアビジネス企業』ではなく、現地に根を張り貢献し、共に成長していく企業を目指していくというのが当社のスタンスです。現在ベトナム法人は、ハノイ、ダナンの2拠点で、中途採用を中心に260名まで拡張しています。新卒採用も強化し、積極的に大学への寄付講座もすすめており年間受講者が100名超になってきています。現地に教育専門のセクションを立ち上げたのですが、現地で新卒社員も採用しながらエンジニアの育成を強化するサイクルが順調に回り始めています。さらに日本の顧客のみならず、ベトナムへ進出した日本企業、現地資本の企業からのソフトウェア開発の依頼が増えてきています。このように一歩ずつ体制を強化しつつ、オフショア開発企業からグローバルIT企業への成長を目指していきたいですね」
さらに吉田氏は、社名を変更した理由について次のように語る。「おかげさまでベトナムのオフショア開発がここ数年で一気に拡大・定着し、当社のブランドも確立できたと見ています。しかしその一方で、同国に一定のオフショア・マーケットが生まれることとなり、昨年辺りから新規参入する競合も増えて、ベトナムオフショア市場も大きな転換点にきていると考えています。そうしたなか、当社としてもう1段ステップを駆け登り、お客様のビジネスを更に強く支援していかねばと考え、もう一度社名とブランドを見直すことにしたのです」
社名変更に先立ち、2015年10月には「基本理念」を策定。ビジョンやブランドプロミスなどとともに、「日本とアジアとを技術で結び、お客様とともに飛躍する」という企業ミッションも定められた。
「今後、グローバル展開をより加速させていく上で、当社の基本理念をより明確に打ち出した経営を行っていこうと、社名変更を決定したのです」と、吉田氏は力説する。
新社名である「コウェル」は、社内公募により誕生したものだ。その名称は、「越える」を語源としており、「国境を越える」、「限界を越える」、「常識を越える」など、常に成長と進化を続けながら、人と世界とともに育つ企業であるという同社の思いが込められている。それと同時に、「越」は同社の事業において重要な位置を占める「ベトナム(越南)」の「越」を表してもいる。
更に、英語表記である「CO-WELL」は、「“CO”(共に)+“WELL”(うまくいく)」という意味も含んでいる。そこには同社が基本理念のバリューとして掲げる「人と世界と、育つ企業」を体現すべく、顧客とともに困難を乗り越え、成功をともに達成するパートナーでありたいという思いが込められているのである。
最後に、吉田氏は今後の新たなビジネス戦略について語る。「具体的な戦略は、夏ごろにお伝えできるように準備をすすめています。ハノイ/ダナンのオフィス拡張などの「規模の拡大」、IoTやエンタープライズ分野への「顧客層の拡大」と、QA/ブリッジSE重視を発展させた開発・テスト工程の自動化・コンサル強化などの「技術的な差別化」の3つについてが当面のフォーカスポイントになります」
ユーザー企業登壇!ベトナムオフショア開発・進出支援セミナー
今回のソフトウェア開発環境展出展以外にも、コウェルは外部に向けた様々な取り組みを行っている。6月14日(火)に同社が主催するセミナーでは、ベトナムオフショア開発のユーザー企業であるTSUTAYA、インドシナ(ベトナム・カンボジア)のビジネスに精通した会計事務所系コンサルティングファームであるI-GLOCALグループ(略称 IGLグループ) からそれぞれ講師が登壇。オフショア開発の現在をはじめ、経験者ならではの貴重な体験談や現場の声、さらに現地法人開設の場合の実例や最新税制の情報を聞くことができる。コウェルの世界に触れるチャンスとして、活用いただきたい。
- 日時 2016年6月14日(火) 15:00~17:50(受付開始 14:30~)
- 会場 〒140-0002 東京都品川区東品川二丁目2番28号 Tビル1F
- 交通アクセス
- りんかい線「天王洲アイル」駅徒歩3分
- 東京モノレール「天王洲アイル」駅徒歩5分- 定員 50名
- 参加費 無料
- 主催 株式会社コウェル
- 詳細情報&お申し込みはこちら
http://www.co-well.jp/article_20160510.html
(マイナビニュース広告企画:提供 コウェル)
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