グローバルに事業を展開する企業は、インフレや為替変動など、あらゆるカントリーリスクに直面しながら、常にスピーディな経営判断が求められている。そのためには、全社の目標を事業計画や中長期予算として策定し、事業活動の成果を数値化してモニターするPDCAサイクルが必要である。
ところが、本来そうした重要な役割を担う経営企画部や社長室といった統括部門は、全社からの情報を集める作業だけで手一杯で、経営陣のブレーンとしての機能を果たせないでいる企業が少なくない。
その理由の一つは、会社の成長とともに複雑化する組織・業態に、フレキシブルに対応できる経営管理ツールがないからではないだろうか? こうした中、ASEANに進出しているグローバル企業から、大きな期待を寄せられている日本のソフトウェア製品がある。
ASEAN企業、日系企業から高まる期待
会計関連ソフトウェアの開発から導入、サポートまでを手がけるプライマルは2015年11月、同社の連結会計システム「Conglue」(コングルー)及び予算編成システム「BizForecast」(ビズフォーキャスト)と、東洋ビジネスエンジニアリングが開発・提供している海外現地法人専用コンパクトERP会計パッケージ「A.S.I.A.」(エイジア)を組み合わせた連携ソリューションの提供を発表した。これにより、複数の海外拠点にまたがった会計情報の管理から、本社での連結決算や予算編成までを、一気通貫かつ低コストで実現できるようになる。
この提携発表は国内外に大きなインパクトを与えた。実際、プライマルが2015年にシンガポールで開催した日系企業向けのセミナーで、両社システムの連携利用による経営管理業務の効率化策を紹介したところ、高い注目を集め、現在、具体的な導入に向けて検討を始めている企業も出てきているという。
グローバル企業では、海外拠点で使用している会計システムが国や地域によってまちまちで、本社での連結決算や予算編成の際に、Excelなどで各拠点から情報を集めるケースがほとんどだ。そうした、"連結決算のニーズ"、"予算編成のニーズ"がある企業にとって、このソリューション提案は「渡りに舟」だったのかもしれない。
データ集計や報告書作成にかかる手間と時間を大幅削減
ごく簡単に、各製品を利用した業務の流れを説明しよう。まず、海外拠点の担当者が「A.S.I.A.」に実績データを入力する。入力データは単一データベースに反映されるため、遠隔地に拠点がいくつあっても、本社側では、リアルタイムに確実なデータ収集が可能だ。
一方、「BizForecast」には、予算策定のタイミングで、各拠点や部門などがそれぞれ予算データを入力すると、本社や管理部門でそれらの情報をリアルタイムに一元管理できる。このため、予算策定の期間中に、幾度となく発生する社内調整や経営陣からの変更指示にも、臨機応変に対応できる。
さらに、「A.S.I.A.」で収集した実績データを「BizForecast」に連携させることで業績管理ができるため、経済状況やニーズの変化、経営戦略の変更などに即応した修正予算の策定などに役立てられる。また、連結決算のニーズがあれば「Conglue」で各社の予算、実績データを収集できる。そのため、制度連結のみならず、連結ベースでの予算編成や業績管理まで対応可能だ。
当然ながら、各製品とも多言語・複数通貨(入力・換算)を扱えるため、多国間にまたがって拠点を持つグローバル企業でも容易に利用できる。
このように、各拠点でデータを入力すれば、経営企画部などの統括部門でリアルタイムに情報の収集や管理を行えるのが、本ソリューションの大きな特長だ。従来のように、データを入力したExcelファイルをメールや共有フォルダでやりとりしたり、複雑なマクロ関数や徹夜作業の人海戦術でデータを集計して、経営陣への報告書を作成する、といった手間と時間を、大幅に削減できる。
「本来、経営管理部門は、経営者からの指示を全社に行き渡らせ、同時に、全社から集めた情報をもとに、経営戦略の立案や見直しなどの業務に注力しなければなりません。いわば彼らは会社の頭脳であるにもかかわらず、優れたシステムがないばかりに、情報収集とその整理に時間を取られてしまっているのが現状です。その状況を覆したいという狙いで開発しました」(プライマル営業推進部 グローバル事業推進室 横内氏)
現場の使い勝手を意識した設計コンセプト
Excelライクな操作性が特徴
「今までは、同様の結果を生むシステムを導入する場合、大きなコストがかかる上、既存の製品には現場のニーズに応えきれていないものが多かった」と同社取締役 白仁田 洋介氏は言う。
「大手海外メーカーの製品はありますが、どちらかというと経営層の利便性に偏っていて、会計実務を行っている現場のオペレーションが考慮されていない、非常に使いにくいものが多いと感じます。我々は会計現場の声を吸い上げながら、システムを進化させてきています」(白仁田氏)
「BizForecast」は、誰もが使い慣れているExcelライクな操作性を重視しており、かつ、ユーザーがこれまで培ってきた業務ノウハウをそのまま踏襲できる仕組みが整えられている。これなら使い勝手の面でも業務の面でも、移行はほぼシームレスに進むだろう。新しいシステムを導入する際の労力やコストを懸念して、「非効率とは分かりつつも、従来のExcelでの膨大な集計作業に甘んじている」という企業でも、導入を検討しやすいソリューションだと言えよう。
「予算編成時の社内調整は、会社全体の動き、市場環境、季節要因などすべてを頭に入れた経営企画のスタッフが、各拠点・部門とかなりつっこんだ議論をしながら、Excelのように小回りの効くツールを使いこなしてこそ、できる仕事です。ボタン一つでできるものではありません。私たちはそれを理解した上で、"未来の数字をつくるプロセス"をサポートできるシステムづくりを目指しています」(白仁田氏)
「予算編成や連結会計の業務には、経営層をはじめとした、様々な人の考え、決断の要素が入ってきます。一年後、経営方針や事業環境が変わった場合に、また一から作り直さなければいけないようなガチガチのシステムを構築するのはナンセンスです。我々が提供する製品に求められているのは、柔軟さなのです」(横内氏)
プライマルには、もともと会計分野で活躍してきた人材が豊富だという。「BizForcast」は、現場のオペレーションや既存製品の非効率さを肌身で知っている同社だからこそ、生み出せたソリューションと言えるだろう。
一方「A.S.I.A.」も日本メーカーの製品らしく、販売から20年以上を経て、現場のニーズに対応した進化を遂げてきた。会計以外にも多くの機能を搭載したERPパッケージとして、現在22の国と地域で、約450社の導入実績を持っており、システム的にはこなれた存在、つまり、"現場に受け入れられたソリューション"になっていると言えよう。
ツールに息を吹き込むのは人間
プライマルはサポートにも、大きな力を注いでいる。導入時には国内外を問わず、同社のコンサルタントやシステム設計スタッフが顧客企業を訪れ、担当者と膝を突き合わせて、設計・設定から共同で進めるのが基本スタイルだ。また決算期には、システムの円滑な運用を支援するため、顧客企業へ"詰める"こともあるという。
「製品の性能はもちろんですが、適切なサービスを提供してきちんと使えるようにする、いわば製品に息を吹き込むのが、プライマルの仕事だと考えています」(白仁田氏)
プライマルと東洋ビジネスエンジニアリングは、セールスパートナー契約を締結し、今後、ASEANを中心に「Conglue」「BizForecast」「A.S.I.A.」の普及を進めていくという。海外に拠点を持つ日系企業にとっても、両社の製品は業務の効率化・ガバナンス強化を進めるための強力な武器となるに違いない。
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