卓越したネットワークの技術力をベースに、クラウドビルダーやクラウドブローカーといった ICT 基盤構築の領域で事業を拡大しているネットワンシステムズは、全体最適を指向した抜本的な経営改革を目指し、 SAP ERP のビッグバン導入による基幹システムの全面刷新に乗り出しました。その成否の鍵を握る最大の技術的テーマとなったのが、既存の従来型 DB からインメモリー DB 「SAP HANA」への移行です。「Cisco Unified Computing System (UCS)」をその運用プラットフォームに採用することで、わずか 4 カ月での DB 移行を完了するとともに、スムーズに安定稼働を続けています。
SAP HANA に関連した致命的なトラブルはほとんど起こっておらず、いま現在も安定して稼働し続けていることが大きな成果です。さらに、人的なノウハウを含めたサポート力もシスコの魅力です。
ネットワンシステムズ株式会社 経営企画本部 理事 兼 経営企画室長 杉山雄一郎氏
導入ソリューション
ネットワンシステムズでは ERP および CRM のデータを統合する DB 基盤を構築するにあたり、インメモリー DB 「SAP HANA」の運用実績を持つプラットフォームを求めました。
・Cisco Unified Computing System (UCS)
導入前の課題、検討事案
・新会計基盤やモバイル環境の構築などが控え、 DB 移行のために使える時間は実質3~4カ月。
・検討時点では国内において SAP HANA 上に基幹システムを構築した事例がなかった。
・事前の技術検証や PoC (概念実証)を通じ、技術的な懸念を解消する必要があった。
導入効果
・4 カ月間で SAP HANA による DB 基盤の構築から移行までを完了。
・大きなトラブルを起こすことなく安定稼働を継続。
・東京と大阪の両拠点に導入された SAP HANA on UCS 環境間で、 DR (災害対策)を構築。
【課題】
SAP HANA にデータを統合することで
経営分析精度の向上と意思決定のスピードアップを図る
ネットワークインテグレーターとして成長を遂げてきたネットワンシステムズ。近年では、仮想化基盤やワークスタイル変革をはじめとする幅広い ICT ソリューションでクラウドインフラを構築する「クラウドビルダー」、さらには多様なサービスでクラウドをつないでいく「クラウドブローカー」といった領域にも踏み出しながら事業を拡大しています。
「継続した成長を実現していくには、抜本的な業務改革が不可欠と考え、そこで経営陣が決断したのが、 SAP の ERP を用いた基幹システムの刷新でした」同社経営企画本部の理事であり、経営企画室長を務める杉山雄一郎氏はこのように話します。
「これまでも継続的な業務改善に取り組んできたのですが、現場視点の個別最適にとどまり、全体最適には至っていませんでした。やはり抜本的な改革を断行するには、第三者の視点が欠かせません。そこで思い切って、 SAP の標準テンプレートを To-Be (今後のあるべき姿)として自分たちの業務プロセスに合わせることにしました」(杉山氏)
加えて、ネットワンシステムズがこの業務改革で重視したのがスピードです。全社的な意識を変えるためには、ドラスティックなビッグバン導入が必須となります。 2013 年度の中期経営計画の一環として、 9 月にプロジェクトをキックオフした同社は、そのわずか 7 カ月後の 2014 年 4 月に新基幹システムをカットオーバーしました。さらに 2015 年度からは、既存の従来型 DB をインメモリー DB の「SAP HANA」に移行するというインフラ面の改革を急ピッチで進めています。
「ERP と CRM のデータを SAP HANA に統合することで、実績データから受注確定前の商談データまでを串刺しし、ガバナンス強化を図るとともに経営分析の精度向上と意思決定のスピードアップを図ります」と、杉山氏はその狙いを語ります。
【解決】
SAP の共同検証施設を利用できる
シスコのサポート力が決め手となった
とはいえ基幹業務のデータを扱う DB の移行だけに、絶対に失敗は許されません。しかも時間的な余裕もありません。2015 年度内には「SAP Business Suite 4 SAP HANA (S/4 HANA)」の Simple Finance 機能を利用した新会計基盤の構築、モバイル環境の構築なども控えており、そこから逆算すると DB 移行のために使える時間は実質 3 ~ 4 カ月しかありませんでした。国内では SAP HANA 上に基幹システムを構築した事例がほとんどなく、「正直なところ、社内には万一のことを懸念する意見もありました」と杉山氏は振り返ります。
そうした中でネットワンシステムズが SAP HANA の運用プラットフォームとして着目したのが、「Cisco Unified Computing System (UCS)」です。
「すでにシスコは、 UCS 上で SAP HANA を動かした豊富な実績をグローバルで持っていて、その経験とノウハウを学ばせてほしいと考えました」と語るのは、同社経営企画本部の理事であり情報システム部長を務める比嘉偉明氏。決め手となったのは、 SAP がシスコとの緊密なアライアンスのもとで世界各地の主要拠点に設置している「SAP Co-Innovation Lab (COIL)」と呼ばれる共同検証施設の存在です。「COILの設備を借り受けた技術検証、 PoC (概念実証)やグローバルな SAP の知見を提供できるプラットフォームベンダーで、シスコは魅力的でした」と比嘉氏は語ります。
また、シスコのコンサルタントはプレセールス段階からネットワンシステムズの問い合わせに親身に答え、プラットフォームのサイジングで必要となるパフォーマンスの実測値やパラメータ設定などの情報を、惜しみなく提供してくれたことも大きなポイントだったといいます。
「UCSも インテル アーキテクチャを採用した汎用的なサーバですから、単純にハードウェアだけを比べるなら他ベンダーの製品と大差ないかもしれません。しかし、人的なノウハウを含めたサポート力はシスコが魅力的であり、 UCS 以外の選択肢は私たちの頭の中から早い時点で消えました」と比嘉氏。
【効果】
計画通りの短期スケジュールでDB移行を完了し
スムーズに安定稼働を実現
2015年4月に着手した DB 移行の作業は、予定通り 7 月までに完了し、 8 月からは基幹系すべての本番データが SAP HANA 上で運用されています。特筆すべきは、このタイトなスケジュールでありながら、東京と大阪の両拠点に導入した SAP HANA の間で、データのレプリケーション(複製)を行う DR (災害対策)の体制まで一気に構築したことです。
外野から見れば大胆なチャレンジのようにも思えますが、「確かに最初は不安もありましたが、シスコからの情報提供やサポートによって技術上の懸念はすべて事前に解消されており、数値による確証がとれていたため、それほど無理の大きいプロジェクトだったとは思っていません」と、比嘉氏は意外なほど冷静。「HANA に関連した致命的なトラブルはほとんど起こっておらず、いま現在も安定して稼働し続けていることが大きな成果です」と杉山氏も語ります。
先に述べた S/4 HANA の Simple Finance 機能を利用した新会計基盤やモバイル環境などの構築も順調に進んでおり、 2016 年 5 月までにこの新しい DB 基盤への実装を完了し、リリースされる予定となっています。
「お客様も ICT を活用した経営改革やワークスタイル変革、セキュリティや IT ガバナンスの確保、事業継続性の向上など、さまざまな課題を抱えています。そうした中で私たちが現在進めている一連の改革は、ひとつのショーケースになるはずです」と杉山氏。ネットワンシステムズは経営のスピードアップを実現しつつ、そこで培ったノウハウを惜しみなく顧客に提供することで、ビジネスチャンスの拡大にもつなげていく考えです。
ネットワンシステムズ株式会社
本社所在地:東京都千代田区丸の内 2-7-2 JPタワー
設立:1988年2月1日
資本金:122億7900万円(2015年3月31日現在)
従業員数:(単体)2,112人、(連結)2,374人(2015年3月31日現在)
URL:http://www.netone.co.jp/インターネット黎明期よりネットワーク・コンピューティングを生業として、“つなぐ”技術、“むすぶ”技術のプロ集団として、多くの企業の事業基盤構築を手がけてきました。世界の最先端技術を取り入れた情報インフラ構築とそれらに関連したサービスの提供、戦略的な ICT 利活用を実現するノウハウの提供を強みとしています。
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