金属を「切る」「削る」「穴をあける」事は、ありとあらゆるモノづくりに欠かせない工程だ。日本で初めて超硬合金を開発した切削工具の先駆者タンガロイは、新製品のキャンペーンを通じて、モノづくりの現場にさらなる生産性向上を提案する。
日常を支える高度な切削技術
100円玉と500円玉が手元にあるならば、側面を見比べてほしい。両方ともギザギザの溝が掘られているが、よく見ると、500円玉の溝は斜めに走っていることが分かる。実はこの"斜めギザ"は、硬貨の偽造を防ぐために造幣局が自信を持って採用した、大量生産型貨幣では世界初となる方式だ。
直径26.5mm・厚さ1.81mmのニッケル黄銅を新500円硬貨にするためには、こうした高度な加工がいくつも施されている。それを可能にしたのがタンガロイの切削工具だ。
同社の切削工具は、誰でも見に行くことができる。東京湾アクアラインの「海ほたるPA」には、10Kmの海底トンネルを掘った、直径14m・重量3,200tにもおよぶ世界最大級の掘削機が展示されているが、この掘削機に使用された刃は、すべてタンガロイの製品なのだ。
モノの大小を問わず、「切る」「削る」「穴をあける」という工程は、自動車や電化製品、工作機械、小型部品、重工業、さらには航空宇宙関連まで、あらゆるモノづくりに欠かせない。このように、超硬合金を用いた切削工具の製造・販売を行うタンガロイは、さまざまな場面で活躍している。
生産コストを15%削減する工具
2016年2月16日、パシフィコ横浜にてタンガロイの新製品発表会が行われた。1日がかりのプレゼンテーションであるにもかかわらず、日本各地からモノづくりの専門家たちが来場し、メインホールは満員となった。
タンガロイ会長兼IMC社長のジェイコブ・ハルパズ氏が、新製品群「TUNGFORCE」の紹介とともに繰り返し強調したキーワードは「倍速切削」による「生産性の向上」である。
彼らの分析によると、モノづくりにかかるコストのうち工具の占める割合はわずか3%にすぎない。ほとんどが人件費や建物、設備のための減価償却費だ。さらに、工作機械が実際に稼働している時間は65%で、35%は工具や加工物の交換、故障などが原因で稼働していないという。
この分析を踏まえた新製品群TUNGFORCEは、現場の生産効率を向上させることにフォーカスしている。穴あけ加工用工具「DrillForce-Meister(ドリルフォース・マイスター)」は、通常の刃先交換式ドリルの倍となる2枚刃で加工するため、サイクルタイムが半減する。さらに、素早く正確にドリルヘッドを交換することができるため、機械停止時間を大幅に短縮できる。また、直角肩削り用工具の"DoForce-Tri(ドゥーフォース・トライ)"は経済性を追求した6コーナインサートを採用し、大きな切込みでのなめらかな切削加工を可能にした。
こうした新製品群の数は、1,000点以上にも及ぶ。いずれも新技術により、工具寿命を高めるとともに、機械の停止時間を最小限にする工夫や、高強度な素材への対応、部品を傷つけることなく切りくずを排出する機能などが強化されている。
「TUNGFORCEにより生産性を20%増加すれば、15%ものコストを削減することに繋がります」と、ハルパズ氏は工業生産に特化したソリューションプロパイダーとしての自信をのぞかせる。
常に最先端の技術を研究
タンガロイは1929年に日本で初めて超硬合金を開発した切削工具業界のパイオニアだ。「タンガロイ」はダイアモンドに次ぐ硬度の超硬合金として、広辞苑にも掲載されている。2008年に工具業界の世界的大手企業であるIMC (International Metalworking Companies)グループに加わってからも、継続的な研究開発に注力している。
「投資の神様」と呼ばれ、約70億5,000万ドルを投じてIMCグループの株式を100%保有したウォーレン・バフェット氏は、福島県いわき市にあるタンガロイ新工場の竣工式典に出席した際、「もしも私が若いエンジニアだったら、ここで働くことを選んだだろう」と話した。それはタンガロイが充実した研究開発環境を整え、新製品を出し続けることで年間売上高のうち約40%が発売5年未満の製品であるということが物語っている。
講演の最後にハルパズ氏は「原油安や株価の下落など、市場には常に不安定さがつきまといますが、金属加工の分野は安定して元気な業界です。それは、人がモノを作る限り、無くてはならない分野だからです。今後も、ありとあらゆるものを生み出していくための革新をタンガロイは提供していきます」と総括した。
今回の新製品群TUNGFORCEのキャンペーンは、アジアをはじめ、ヨーロッパなど世界各国でも展開される大規模なものだ。また日本では、専用のトラックに最先端の工具と工具管理システムが搭載されているキャラバンカーを準備するなど、あらゆるモノづくりの生産性向上を支えるタンガロイの今後に目が離せない。
(マイナビニュース広告企画:提供 タンガロイ)
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