パブリック、プライベート、マネージド クラウドにまたがって構築する統合ハイブリッド クラウドへの関心が高まっている。仮想化ソフトウェア市場を牽引するVMwareは、SDDC(Software-Defined Data Center)アーキテクチャ上に統合ハイブリッド クラウドを構築する「One Cloud, Any Application, Any Device」を提唱。
統合ハイブリッド クラウドをいかに経営課題の解決に役立てていくか。VMwareがワークショップ形式で日本企業のニーズに応える「VMware Briefing Center(以下、VBC)Tokyo」の一般公開が2016年1月にスタートした。仮想化・クラウド時代の最前線に立つVBC Tokyoのストレージシステムの1つとしてティントリを採用。VMwareの担当者にその理由と評価ポイントを聞いた。
ワークショップ形式で日本企業の課題解決を支援する「VMware Briefing Center Tokyo」
日本国内の仮想化・クラウド市場が拡大を続けている。大手企業のプライベート クラウドの構築や仮想化基盤の拡張、パブリック クラウドの利用拡大、中堅中小企業での仮想化導入の増大などが成長の要因だ。またサーバーの仮想化にとどまらずクライアント・ネットワーク・ストレージを含めたITインフラ全体に仮想化を適用していくニーズが高まってきている。
仮想化ソフトウェア市場で圧倒的なシェアを誇り市場を牽引するVMwareは、今後の仮想化・クラウド時代のビジョンとして「One Cloud, Any Application, Any Device」を提唱している。具体的な提唱内容について、ヴイエムウェア ソリューション技術統括部 VBCソリューショングループ 部長 菊本洋司氏はこう話す。
「コンピューティングからストレージ、ネットワークまでデータセンターをまるごと仮想化するVMwareのSDDC(Software-Defined Data Center)アーキテクチャ上にプライベート・クラウド、マネージドサービス、パブリック・クラウドにまたがった統合ハイブリッド クラウドを構築します。統合ハイブリッド クラウドから迅速かつ安全にアプリケーションの開発、展開を行うことができ、また、場所を問わず多様なデバイスでサービスを利用することができます」。
ただし、統合ハイブリッド クラウドの概念は理解できたとしても、実際に企業が「自社の課題解決にどう役立つのか」を具体的にイメージするのは難しい。そこで、VMwareのビジョンや戦略と日本企業を結ぶ接点となるのが、VMware東京本社内に開設されたVBCである。
基本的には米国本社のVBCと考え方は変わらないが、日本の実情や企業文化などに合わせて日本向けにすべてコンテンツをカスタマイズし新規コンテンツも提供していくという。「VMwareの仮想化ソフトは多くの日本のお客様に導入いただいており、既存資産を活かし次の一手をどうするかという要望に対して、ワークショップ形式で一緒に考えていきます。VBC Tokyoで大切にしているのは、製品をご説明するのではなく、製品を使って実現する世界観をご紹介することです。VMwareの世界観がどのようにお客様固有の課題を解決していくのか、また戦略的にどう導入していくのかなど、VMware の経営幹部や各分野のエキスパートとの議論やデモを通じて具体的なソリューションをご提示します」(菊本氏)。
2016年1月に一般公開を開始したVBC Tokyoのシステム基盤を支える中核ストレージには仮想化環境専用ストレージ「Tintri VMstore」を採用している。VMwareの世界観を形にするためのストレージにはVMwareとの親和性と先進技術の両面が必要となる。