流動性の欠如を生むオープンレガシーなアプリケーション
去る10月22日、東京・竹橋で日本ネクサウェブ主催による「業務システムのリユース時代到来!! 既存のWeb資産を活かした“攻めの経営”セミナー」が開催された。
まず「守りから攻めのIT投資への転換」と題した基調講演では、IT産業ジャーナリスト ITビジネス研究会 代表理事の田中克己氏が登壇。IT分野が日本経済に与える影響や、弱体化する国内IT部門の現状と要因、その打開策などについて語った。
続いては、日本ネクサウェブ 最高執行責任者の永井一美氏が「既存Web資産を活かして攻めへ ~XGENとは~」と題した講演を行った。講演の冒頭で永井氏は「これからのIT部門は、堅実性と流動性という2つの側面が求められます」と語る。
現在の企業では、1990年代に構築した“オープンレガシー”なシステムを継続利用しているケースも未だに多い。こうしたシステムは流動性が欠如していることから、スマートデバイス活用をはじめ現代ビジネスに求められるワークスタイルの変化に対応できないのが大きな課題だ。
また、一般的にレガシーといえばメインフレームをイメージしがちだが、永井氏はむしろアプリケーションに注目すべきであるとし、「1990年代以降にオープン系システムで開発されたアプリケーションも、オープンレガシーとして流動性を欠く原因となっています。
しかし、企業としては流動性を考えつつ、既存資産の流用によりできるだけコストを抑えたいというのも本音です。弊社ではこうした課題を解決するべく、既存Webアプリケーションのソースコードに“ノータッチ”でモバイル対応やポータル化を実現するエンタープライズ向けソリューション『XGEN-WEB』をご提供しています」と語った。
既存Webシステムの改修なしでモバイル化を実現する「XGEN-WEB」
続いては、日本ネクサウェブ 第一事業統括本部 営業本部 本部長の森英樹氏が「レガシーWebをノータッチで最新化する! XGEN-WEBのご紹介」と題し、XGEN-WEBに関する概要や機能などを解説した。
「スマートデバイスの爆発的な拡大により、OS/ブラウザ/スクリーンサイズなどが異なるマルチクライアント対応の仕組みが必要になっています」と、市場背景について語る森氏。既存Webシステムの近代化を阻む強固な壁としては、古いアーキテクチャに起因するメンテナンス性の悪さ、度重なる改修によるソースコードのスパゲッティ化、ベンダーロックなどによるブラックボックス化といったものが挙げられる。
これに対してXGEN-WEBでは、Webスクレイピングエンジン「X-POP」とUI/UX開発プラットフォーム「nexacro platform」の組み合わせにより、現在安定稼働しているシステムに一切影響を与えることなく、短期間かつ低コストで既存Webアプリケーションのスマートデバイス対応やポータル化が可能になる。マルチクライアント対応をシングルソースで実現するほか、OSの新バージョンが登場した際はXGEN-WEB側でアップデートしていくため、アプリケーションの老朽化が防止できるのである。
XGEN-WEBでは、開発環境「nexacro studio」により画面を自由にカスタマイズできるのもポイントのひとつだ。扱いやすいドラッグ&ドロップ操作によるUI/UXデザインに加え、デザインの登録や共通化が容易なスタイルシート機能、業務アプリケーションに求められる豊富なコンポーネント、異なる画面サイズにワンソースで対応するマルチレイアウトデザインなどを採用。制御ロジック記述にWeb標準のJavaScriptが使えるのも特徴といえる。
マルチスクリーンサイズ対応については、自動リサイズ「Position」、マルチレイアウト編集「Multi Layout Manager」、画面分割編集「STEP」という3種類の機能で、各デバイスに応じた最適なスクリーンサイズを実現できる。 講演の後半では、日本ネクサウェブ プリセールスチーム マネージャーの立石博基氏が、実際にXGEN-WEBを用いたデモを実施。さらに、都市銀行および航空会社の導入事例紹介なども行われた。
なお、XGEN-WEBの利用形態はオンプレミス型とクラウド型の2種類から選択が可能。立石氏は「レガシーWebをノータッチで最新化できる、ノータッチだから安定稼働に影響を与えない、そして老朽化を防止できる。これがXGEN-WEBの魅力です」と、メリットをアピールした。
ブラックボックスに阻まれていた顧客情報照会システムをマルチクライアント対応化
最終セッションでは、インテリジェンス ビジネスソリューションズ システムソリューション第2事業部 ソリューション企画部 マネージャーの黒本大輔氏が「本邦初公開! XGEN-WEBを活用したiPhoneアプリの構築事例」と題し、XGENーWEBの導入事例を紹介した。
黒本氏は、既存Webシステムのモバイル化が進まない原因として、モバイルの多様性への対応、複数プラットフォームへの対応、既存Webシステムのブラックボックス化を挙げた。
これに対してXGENーWEBでは、既存WebシステムからのWebデータ収集、HTML解析およびデータ抽出、抽出データの配信という作業をまとめて担うことにより、短期間かつ低コストでモバイル対応やポータル化が可能となる。
黒本氏は「既存Webシステムのモバイル化対応には『CSS追加方式』や『画面追加方式』もありますが、前者はCSS以外の資産流用ができるものの既存Webシステムの改修が必要、後者ではモバイル画面とCSSの用意が必要となります。 その点、HTML情報を利用して解析変換を行うXGENーWEBの『Webスクレイピング処理方式』なら、既存のWebシステムに改修を加えずモバイル化が可能なのです」と語る。
ここから黒本氏は、自動車関連サービス業の導入事例について紹介を行った。導入企業では、来店顧客の車両ナンバーをキーとして車種/車検/来店履歴などの各種情報を照会していたが、顧客が同時に来店した際、デスクトップPC利用の順番待ちが発生し、情報照会がスムーズに行えなくなるという課題を抱えていた。顧客オペレーションのスピードアップを図るべくモバイル化を目指したものの、現行システムのブラックボックス化により困難を極めた。
そこでインテリジェンス ビジネスソリューションズでは、こうした課題解決に加えて既存システムへの影響を最小化し、なおかつ低コスト/短納期/低リスクが実現できるよう、XGEN-WEBによる「顧客情報照会システムのiPhone対応プロジェクト」を提案。6月1日に開発をスタートし、10月上旬にサービスをリリースした。
現在はシステムが稼働直後のため具体的な数値こそ出ていないが、黒本氏は「このプロジェクトにより、既存システムとモバイルシステムの安定稼働、顧客オペレーションのスピードアップ、デスクトップPCの順番待ち解消、クラウド型利用による運用コストの削減などが期待できます」と語った。
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