2015年12月16~18日 東京ビッグサイトにて、世界最大級の半導体製造・材料の総合展示会「SEMICON Japan 2015」が開催される。

東京ビッグサイトに会場を移してから2回目となる今年は、昨年と同様に「without limits 新しい可能性へ 限界を突き破れ」がテーマ。39回目という長い歴史を持つSEMICON Japanだが、IoT時代突入を前に、講演会、フォーラム、レセプションなど多種多様な催しが予定されており、単なる展示会を超えた総合イベントとしての様相を呈したものとなっている。「今年は、特に日本の将来を担う、若い人たちにこそ来ていただきたい」と語る「SEMI ジャパン」代表の中村修氏に、「SEMICON Japan 」が目指す先と、今年の見所について解説いただいた。

日本の半導体業界は元気である!

SEMI ジャパン 代表 中村修氏

近年、様々な方面より「日本の半導体業界は斜陽化しつつある」との声が聞かれる。ただ中村氏は「それは大きな間違いです」と断言する。

「例えば、半導体の材料関係では日本企業のグローバルシェアは50%を超えています。また、半導体を製造するための装置分野においても日本企業が持つシェアは約40%であり非常に高いものになっています。世界の半導体生産は日本企業がなくしては有り得ないと言っても過言ではありません」(中村氏)

2014年~2015年における日本半導体業界の設備投資はプラス傾向にあり、このトレンドは多少の凸凹はあっても続いていくことが予想されている。つまり「日本半導体業界は斜陽化しているのではなく、むしろ未来に向けて成長し続けています」と中村氏は語る。

IoTの波が日本の半導体業界を活性化する

成長を続ける半導体業界。その大きな追い風となっている存在がIoT(Internet of Things:モノのインターネット)だ。世の中にある様々なモノをインターネットと接続させ、相互に情報を伝達しようとするこの試みは、半導体業界に新たな方向性を生み出している。

「例えば、IoT関連に使用するチップでは、シリコンウェハ(*1)の口径が300mmの最先端ラインよりも、低コスト高品質に生産が可能な200mmラインの方が適しています」(中村氏)

一般的な家電などは、PCなどの情報機器と比べると長期間にわたって利用することとなる。また、高度な処理能力は不要なため、コストがかかる最先端の製造テクノロジーは必要ない。

事実、本来ならば時代遅れである200mmラインの需要が、2010年以降にも増加を続けている。そしてこれらは、20世紀末、1990年代に半導体業界を席巻していた日本企業が得意とした分野でもある。IoTの波が大きくなればなるほど、日本企業が培ってきた技術と経験が生かされることになるのだ。

ファウンドリ(半導体製造請負企業)の口径200mmシリコンウェハ製造キャパシティ。2010年以降増加を続け、さらに2015年に大きく上昇が予測される

(*1)シリコンウェハ:半導体デバイスの基本素材

未来に向けて半導体業界を活性化する場となる「SEMICON Japan」

「私たちの役割は日本の半導体業界を活性化することです。そして、そのための場として提供しているものの一つがSEMICON Japanです。だからこそ多くの方々に楽しんでいただけるイベントにしたい。そう考えています」と中村氏は語る。

昨年話題となった、世界のトップエグゼクティブやエキスパートを招いて開催される「Super THEATER」、半導体デバイスの高性能化・高速化・コスト低減を実現する技術分野の企業が参加する「Manufacturing innovation Pavilion」、持続可能なモノづくりとして中古製造装置や環境安全などの企業が参加する「Sustainable Manufacturing Pavilion」、そして昨年に引き続き開催される特別展「WORLD OF IOT」など、今年も多種多様な催しが予定されている。

そして今回の「SEMICON Japan」では「特に将来の半導体業界を背負う若い人たちを意識しています」(中村氏)とのことだ。新企画となる「INNOVATION VILLAGE」は、起業家や創業間もない企業の新しいアイディアを業界に呼び込むものとして、スタートアップ企業と投資家を結びつけるための展示やプレゼンテーション、そして交流会(ミートアップ)が一体となったイベントである。

そのほかにも、高等専門学校在校生による研究発表会「The 高専」や、大学生大学院生に向けた「SEMICON 未来 Collage」など、将来の半導体業界を目指す学生や、若いエンジニアの方々に向けたイベントが盛りだくさんとなっている。

さらに、講演会やイベントに優先的に参加が可能となるなどの特典が付いた「若手エンジニアWELCOME CARD」が用意されている。

様々な特典が用意された若手エンジニアWELCOME CARD

「SEMICONのイベントは、すべて無料で参加できます。ですから、若いエンジニアの方々や、学生の方々にも、気軽な気持ちで参加してください。そして、日本の半導体業界の今と未来を、見て、聴いて、そして感じていただければと思っています。若手エンジニアWELCOME CARDは出展者と特定のデバイスメーカーに限定してお渡ししていますが、マイナビの読者の方には、カードがダウンロードできるWEBページのリンクを特別にご提供させていただきます。」(中村氏)

SEMICON Japan 2015

出展企業による最新技術の展示のほか、会場各所にて開催される多彩なセミナー&イベント、ワークセッションやレセプションなど、多種多様な催しを行います。

開催日程:12月16日(水)~18日(金)
会場:東京ビッグサイト

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