サービスを成す業務プロセスとそれを支えるIT
リクルートホールディングス傘下の企業として、各種サービスのシステム開発やWebマーケティングなどITに関するあらゆるプロフェッショナルが集うリクルートテクノロジーズ。その中でもITマネジメント統括部に属する業務マネジメントグループは、営業や営業推進、事業企画といったサービスを支えるスタッフが使う業務用システムの保守・運用、エンハンス開発をメインに手がけている部隊だ。
その事業領域は広く、SFAやCRMに加えて、「タウンワーク」や「ホットペッパー」などリクルートグループならではのWeb入稿システム、会計システムと連動した掲載申込書の出力・管理システムまで、取り扱う業務領域は多岐に渡る。
そしてもうひとつ、業務マネジメントグループの業務として重要なのが、業務プロセスの抜本的な改善を行うBPR(Business Process Re-engineering)活動だ。たとえば、営業担当者の探客訪問活動は、営業アシスタントや営業サポートセンターなどとの連携を含めて、複雑な業務プロセスで成り立っている。商材の幅が広く、大小さまざまなサービスを抱えるリクルートグループでは特に、業務プロセスや関連するシステムもその数だけ多種多様となるため、常に複数個のBPRプロジェクトが、並行稼働しているという。
サービスの企画から運営・保守まで一連の流れを経験
リクルートテクノロジーズ ITマネジメント統括部 業務マネジメントグループの中杤宏之氏は「どの開発案件、BPRプロジェクトにおいても、現場の現状把握、課題分析というスタートの部分から主体者として関わることが求められます。事業部門の担当者と一緒に改善企画を立て、システム化検討の場面においては、『どうしていきたいのか?』と意思を問われ、要件を決める役割を担います。その後、実際の開発を行い、サービス開始後の保守・運用に至るまで、一連の流れを経験できるのでやりがいがあります」と語る。
ステークホルダーには、経理、法務、審査部門などに在籍する各分野のスペシャリストも。リスクのないサービスを信頼性高く提供し続けるためには、こうした部門との連携が大きな鍵を握る。新しい商品やビジネスプロセスを作る場合、当然ながら営業や企画部門の判断だけでは動けない。そこで、業務とシステムの両方、そして各分野のスペシャリストの気にするポイントを推察できる業務マネジメントグループ社員の介在する価値は非常に大きいという。
事業部門で実現したい目的と、企業として遵守しなければいけないルールとの間でバランスをとりながら、新しいビジネスモデルや業務プロセスを構築しているのである。
「各部門のスペシャリストたちは、専門分野については当然ながら膨大な知識やスキルを持っていますが、逆にトータル的なビジネス戦略に関しては説明が必要です。新規事業を多く立ち上げる環境であればなおさら、システム観点を併せ持つ私たちがハブになって、事業部門と専門部門との合意形成を促す役割が重要になるわけです」と同氏は語る。
部分最適化された環境をいかに改善するか
先述したように、業務マネジメントグループが手がける仕事には、リクルートグループならではの難しさがある。
「営業や事業の現場には非常に優秀な人がたくさんいるので、ある程度の課題ならアナログな手法を組み合わせて対処してきたという経緯があります。近年では優れたCRMやSFA関連のASPも数多くありますが、個々人の工夫によって独自の運用や業務プロセスが育くまれてきた結果、サービスを標準状態で導入するのが難しくなっています。導入しても結局使われなかった、では意味がありませんから、現場での業務と最新技術の両方を十分に理解し、業務プロセスの最適化と併せて、どのような形で導入するのがベストかを常に考える必要があります」と語る中杤氏。
コミュニケーション能力やバランスの見極めも重要
リクルートの業務システムの開発・運用という領域は、世の中の急速な変化に応じて商品設計や業務プロセスを変えていく必要がある一方、現在の業務と新しい取り組みとの間で相反する部分が出てきた際、そこをどのように吸収しながら設計していくかが難しいところだ。
さらに中杤氏は「どの企業にも一定量はあるかと思いますが、ブラックボックスのような属人的な業務は、ITによる共通化・汎用化で改善の余地が多分にあると感じています。これを各担当者とのヒアリングで紐解きながら構造化し、MUSTとWANTの要件に分類した後、新しい取り組みを現場に最適化していくのも難易度が高い業務です」と語る。
また、新しいビジネスを立ち上げる場合のポイントについては、「成功の可否が分からない新ビジネスは、スモールスタートで成長を見るため納期までのスピードが求められます。とはいえ、品質を落とすわけにはいきませんし、企業として守るべき核となる部分もあります。カスタマー保護の観点や与信の観点を取りこぼすことなく、新しいビジネスモデルや商品を実現させるファシリテーションを主導することが一番のポイントになります。また、システムという側面においては、新規ビジネス向けに汎用性のある基盤を用意してあるので、サービスの成長度合いに応じて各ビジネスモデル用にアドオンで機能を追加していくといった進め方をしています」と語る同氏。
効果的に人材を育成するキャリアアッププラン
業務マネジメントグループの日々の業務では、企画から開発・リリース、保守運用まで一気通貫で担当するが、プロジェクトにおいては、大きく2つのフェーズから成り立っている。まず、ビジネス課題から各案件の目的や対応方針などを整理し、システム要件を明らかにする「企画フェーズ」、次にこの要件に基づいて実際に開発工程をマネジメントする「開発フェーズ」だ。これら専門性の異なるフェーズに対応するべく、企画フェーズを中心に手がける「ビジネスアナリスト」、開発フェーズがメインとなる「開発マネージャ」という2種類のロールを定義し、それぞれのキャリアプランを設定している。
開発マネージャの業務には5段階のレベル定義があり、レベル3をクリアした時点で、「開発マネージャ」として極めるのか、「ビジネスアナリスト」の道を進むのか選択するという。
この点について中杤氏は「ビジネスアナリストを目指す場合でも、必ずサービスのエンハンスから現場の業務を経験してもらいます。現場に身を置いて業務を直に体感しつつ、ステークホルダーの業務プロセスと現行システムの構造やデータの流れ、関連システムとの連携などを理解しなければ、改善すべき課題や目指すビジョンなども見えてきません。我々への期待に応えるためにも、まずは基礎力を付けることからスタートしてもらいます。その後、開発マネージャの業務を極めたい人はプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャに進むキャリアプランを、ビジネスアナリストを目指す人にはさまざまな規模・範囲・難易度の異なる案件を順に経験していくことでキャリアを広げる仕組みを用意しています」と語る。
独自のスキルチェック項目シートを用いた育成のPDS(Plan Do See)サイクルもユニークだ。これは、自分が「やれるだろう」ではなく、実績ベースで「実際にやった」項目にチェックしていくことで、経験やスキルが可視化できるというもの。
「スキルチェック項目シートを見れば、レベルを上げるのにまだ不足している項目がハッキリと分かりますから、半期のスタート時に行う面談でより具体的なミッション設定ができます。それを半年後に振り返り、チェックがついていない項目を伸ばすためのミッションを新たに設定するというPDSサイクルを回しています。私たちの業務内容は多岐に渡り、知っておくべき知識にはリクルート独自のものから専門的なものまで振れ幅が非常に大きいので、社外研修だけでは実力が身に付かず、かといってOJTだけでは育成速度が上がりません。覚えることが多すぎて育成に時間がかかることから、少しでも早く成長してもらえるよう、こうした工夫が生まれました」と同氏は語る。
誰もが憧れる最先端の営業モデルへ
「こういうことやりたいんだけど」というアイディア段階から、事業担当者からは相談がくる。事業部門、システム部門の垣根なく、フラットに話を聞けるので、いつかビジネスを立ち上げたい人にとっては勉強になるといい、実際にそういった人材も集まるという。
「最初から最後まで一気通貫でやることにこだわりを持って進めることが何よりも大事」という中杤氏に、今後の展望を聞いた。 「正直なところ、現時点ではまだ業務システム領域を担う人的リソースの不足などもあり、我々が果たすべき役割はまだまだ白地として残っています。グローバルNo.1を標榜しているリクルートグループの営業プロセス、業務プロセスをIT活用で最適化していくというところを追い続けたい。近い将来、『世の中で一番進んだ営業スタイルの会社がリクルート』『営業職なら一度はリクルートで働いてみたい』と認知されるような業務環境を作りたい」と語る。その笑顔からは、“自分たちなら必ず実現できる”という自信が満ちあふれていた。
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