顧客の行動を科学的に分析
ニーズの変化を予測する

「どうしたら顧客の解約を止めることができるのか」「新規顧客を効率的に獲得するにはどうしたらいいのか」「リスクのある顧客に対して個々にどんな対応をとるべきなのか」「どうすればキャンペーンの反応を高めることができるのか」など、多くの企業が顧客とのインタラクティブな関係の維持に課題を抱えている。

この課題に対する解決アプローチの仕方によって、“伸びる企業”と“停滞する企業”の歴然とした差が現れてくる。 まず理解しておかなければならないのが、昔と今とでは、顧客の購買行動そのものが大きく変わってきていることだ。インターネットやモバイルの普及によって顧客の情報力は飛躍的に高まっており、購入を検討している商品やサービスをWebページで下調べしたり比較したりすることは当たり前となった。さらに近年では、TwitterやFacebook、LINEなどのソーシャルメディアを通じて顧客同士で交わされるクチコミやレビューなどの情報が、購買行動に大きな影響力を持ち始めている。

こうした変化が起こっているにもかかわらず、旧態依然とした“経験と勘”のみに頼ったオファーを続けていたのでは、顧客の興味を喚起し、自社に振り向かせるコミュニケーションを確立することはできず、ビジネスは行き詰まっていくばかりだ。
一方で伸びる企業は、時々刻々と変化する顧客の行動を科学的に分析し、将来を予測しながら一人ひとりに合わせた最適なオファーを提供している。いわゆるリアルタイムの予測分析を実践することで顧客価値を最大化し、長期にわたる収益向上につなげているのである。 IBMの調査によると、予測分析に基づく効果的な施策を、複数の顧客チャネルにわたって実践している企業は、“経験と勘”に頼ったビジネスから抜け出せないでいる競合他社と比べ、実に5倍もの売上増加率を達成している。

成功する予測分析を行う上で最も留意すべきことは、「一過性のものであってはならない」ということだ。先にも述べたように顧客の行動は時々刻々と変化していくだけに、継続的なキャッチアップが求められるのである。 また、顧客の行動を分析するだけで終わらせてはならない。肝心なのは分析結果を的確にビジネス施策に活かしていくことであり、すなわち、分析結果に基づく顧客エクスペリエンスを一貫性をもって提供することである。予測分析はマーケティングや営業企画といった部門だけの課題ではなく、製品・サービスの企画・開発部門、サービスデスクをはじめとする企業内のあらゆる部門の共通課題として捉えるべきものであることを強く認識しておく必要がある。

予測的な顧客分析で成果を上げた先行企業の取り組みに学ぶ

実際にどんな企業が予測的な顧客分析を実行し、成果を上げているのかを紹介しておきたい。 あるモバイル通信事業者は大手通信会社との競争を勝ち抜くために、顧客により近づき、顧客を満足させ続けることで、「離反」を防止する必要があった。そこで行ったのが、複雑な顧客の行動を読み解く予測分析だ。一人ひとりの顧客ニーズに最も適したサービスの組み合わせを判断する科学的根拠として、予測分析を利用するとともに、離反しそうな顧客を見極めるための指標としても活用している。また、そこから得られた洞察を、顧客との対面プロセスに組み込むことで、多様なチャネルで顧客とのインタラクションを最適化できるようにした。この結果、顧客維持キャンペーンの効果が50%向上したほか、オプション類などのクロスセルを270%も増加させるという成果をもたらしたのである。

同様に、別の通信事業者も顧客行動の予測分析に乗り出したことで顧客の離反を阻止し、収益の下落率を142%削減することに成功した。この事例では、もうひとつ目を引く効果が見られた。この通信業者は予測分析を活用することで、顧客へのサービスコストを年間1,000万ドル以上も節約することができたのである。
また、あるマルチチャネル小売業は、オンラインショッピングによる販売が増加するにつれて、適切な製品ミックスを顧客に提供することが困難になるという状況に直面していた。この課題解決に予測分析と組み合わせたマーケティング・オートメーションを推進し、顧客とのコミュニケーションをパーソナライズするとともに、顧客に対するオファーを最適化することに成功したのである。
日本航空(以下、JAL)もWebサイトを訪れる顧客を予測分析し、その結果をサービス拡充や販売強化などの施策に活かしている。現在、JALが展開しているWebサイトを通じたダイレクト販売は国際線、国内線の航空運送サービス、航空券と宿泊・観光施設などを組み合わせたパッケージツアー販売、ホテル・レンタカーなどの付帯・関連商品販売の5つの分野で構成されており、一日あたりの訪問者は約50万人に達する。こうした顧客のニーズをより深く理解し、一人ひとりに合わせたサービスを提案できるようになった結果、オンラインで購入する顧客数が10倍に増加した商品もあるという。

数理統計の専門知識を持たずとも予測分析を実践できる環境が整った

もっとも、予測的な顧客分析に基づいた施策を複数のチャネルで展開するような仕組みづくりは、中堅以下の企業にとってはハードルが高すぎるのが実情だった。実際、各業界のイノベーター(革新者)やアーリーアダププター(初期採用者)と呼ばれるリーダーは、数理統計の専門知識を有するデータ・サイエンティストやアナリストを動員し、スクラッチ開発によりそのシステムを作り上げてきた。同じことを簡単に真似ることはできない。

だが、状況は大きく変わってきている。数理統計の専門知識を持たずとも、解決すべき課題を最もよく知る現場のユーザー自身が操作し、予測的な顧客分析のモデルを組み立て、担当業務においてPDCAを回すことができるソリューションが登場しているのだ。 例えば、IBMが提供しているSPSS Modelerをはじめとする一連の分析ソリューションは、GUI上で現在の顧客行動をデータマイニングすることで、背後にあるパターンを“見える化”し、将来をシミュレーションすることを可能にしている。特に優れた点は、分析から得られた洞察を実際の施策に適用するまでの、一連のプロセスをサポートすることだ。ビジネス現場のユーザーならではの“仮説”を予測分析に反映し、得られた結果を全社的な部門間で共有。さらに、顧客ごとにパーソナライズされたオファーを、各チャネルにリコメンデーションすることで分析から得た知見をアクションへとつなげることを実現し、非常に大きな効果を上げている。

実は先に紹介した事例は、いずれもIBMの予測分析ソリューションを活用することで成果を遂げてきたものである。 もはや迷っている時期は過ぎた。アーリーマジョリティ(前期追随者)となって競合他社より一歩でも早く予測分析に乗り出し、顧客のニーズを先読みしながら的確な施策をタイムリーに展開していく、“伸びる企業”への転換を図っていただきたい。


尚、下記に、JALが行っているデータ分析の手法について資料をまとめた。マーケティングご担当者やご興味のある方は是非一読いただければと思う。

PV数月間2億。膨大な閲覧履歴を分析・活用するJALのデータ分析術

<ビッグデータを取り扱う際の3つ「困った」とは何か>
・複雑化・膨大化したデータを十分に活用できていない
・データ量の急増により既存システムが力不足に陥る
・得られる結果がわかりにくく、的確な施策にたどり着くことができない

→これらの困ったを解決する手段はこちらよりダウンロード

(マイナビニュース広告企画:提供 日本アイ・ビー・エム株式会社)

[PR]提供:日本アイ・ビー・エム