IoT(モノのインターネット)元年と呼ばれる2015年。ウェアラブルやスマートホームなどのコンシューマ向けサービスをはじめとし、自動車、電力、インフラ、医療といった産業でもIoTの取り組みが急速に広がっている。大手インターネットプロバイダであるニフティも、「ニフティIoTデザインセンター」を設立し、IoTに取り組む企業への強力な支援を行うと宣言した。同社の取り組みは、企業にどのような価値をもたらすのか。ニフティ クラウド事業部 モバイル・IoTビジネス部の市角栄康氏とクラウドマーケティング部の西尾敬広氏に狙いを聞いた。
IoTにより拡大するビジネスチャンス
ニフティは7月29日、『IoTの「I」をカタチに』をコンセプトに、企業のIoTサービス開発をサポートする「ニフティIoTデザインセンター」を設立したことを発表した。
7月29日に発表された、「ニフティIoTデザインセンター」 |
IoT元年といわれる2015年、関連サービスに向けた企業の関心は高い。実際、ニフティがIoTデザインセンターの設立を発表した後、同センターへの問い合わせは予想を超える数だったという。しかし一方で、ニフティの市角氏は、現在の企業の課題について次のように話す。
「お問い合わせを受けて確信したのですが、自社製品をIoT化した時にどのような価値が提供できるのか、価値が見いだせたとしても、実際にどのようにIoT化すればよいのか、といった悩みを抱え、IoTサービスの展開方法がわからずにお困りの方が多くいらっしゃいます。」(市角氏)
IoTは、国内のさまざまな産業を巻き込みながら新しいサービスが次々と生まれている状況であり、企業にもたらすビジネスインパクトは大きい。
有名な事例として、米GE(General Electric)の航空機エンジンサービスがある。もともとGEは航空機エンジンという“モノ”を製造していたが、その後、エンジンをネットワークでつなぎ遠隔監視による保守サービスを始めた。さらに、センサを使った航空機全体の予防保全を開始し、運行計画の最適化サービスにまでビジネスを拡大させた。結果として同社の関わる市場規模は、エンジン製造の8兆円から航空会社ビジネスの78兆円にまで拡大したという。モノの製造により事業を展開していた企業が、モノをインターネットにつなぎ、その利用状況を把握することで、これまでは難しかった顧客に対する“サービス”を直接的に展開することが可能になったわけだ。
こうした動きを受け、企業によってはIoTに向けた勅命チームが編成されるケースも増えている。「自社の製品をインターネットにつなぐことで生まれる可能性」を探っている企業や担当者も少なくないだろう。しかし、そこでぶつかるのが前述の課題だ。
「IoTで自社製品の付加価値をどのように生み出すのか」「どのようにIoTサービスを展開すればよいか」「必要な技術要素にはなにがあるのか」「展開のシナリオやビジネス判断の基準をどうつくるか」といったことを、IoTに参入する企業は検討していく必要がある。しかし新しい分野ということもあり、方法やケースモデルは未だ確立されていない。特にモノづくりが基本のメーカーにとって、「サービスの展開」には新たなナレッジの蓄積や投資が必要になる。
このようなIoTの現状において、ニフティIoTデザインセンターは力強い味方となるものだ。市角氏は同センター設立の経緯について次のように話す。
「IoTにこれから取り組む企業にとって、アイデアからシステム・デザインまでをもっとカジュアルに相談できる場があったほうがよいのではないか。そしてその場でプロトタイプまで作って、それがうまくいくようであればクウラド上に新しいサービスを立ち上げ、迅速にビジネス展開をすればいい。ニフティには、そういった企業のチャレンジを支援できるだけのナレッジやアセットがある。困っている企業や担当者を助けられるかもしれない──そんな仮説、発想から始まりました。」
コンテンツプロバイダやクラウド事業者としての経験を生かす
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ニフティIoTデザインセンターは、ニフティの持つ各種アセットと専属エンジニアをもって、IoTに取り組む企業のサービス開発・提供を支援するソリューションだ。専属エンジニアチームである「ニフティIoTラボ」が、IoTサービスのアイデア出しから、アプリケーションとシステムの設計、プロトタイプの作成に至るまで、IoT化に必要なインターネット側のさまざまな課題を一括して解決する。
ISP事業にくわえ、ポータルサイト「@nifty」に代表されるコンテンツサービス、それらを支える技術力を活かしたクラウド事業など、ニフティは多角的に事業を展開している。これらのアセットと長年蓄積されたナレッジを用い、セキュリティサービス「常時安全セキュリティ24プラス」や、離れた家族の室内環境を見守る「おへやプラス」といったIoTサービスも展開する。「IoT化にともなうインターネット側の課題に対しては、ニフティのアセットとこれまでの開発・運用ノウハウを活かすことができます。IoTに対する国内の取り組みが活発化する中で、必ずお役に立てると思ったのです。」と市角氏が話すとおり、ニフティIoTデザインセンターは、同社の経験とサービス開発・運用のノウハウを活かしたソリューションとして位置づけられる。
ニフティの強みを活かしたIoTソリューション
ニフティIoTデザインセンターは、具体的に以下の4つの支援カテゴリで構成されている。
【ニフティIoTデザインセンターのサービス構成】 1. アイデアデザイン デバイスをIoT化する際のアイデア出しを支援 2. アプリケーションデザイン IoT化のアイデアを具現化する際のアプリケーション設計と、要望に応じて開発まで実施 3. システムデザイン デバイスからアプリケーション、アプリケーションからサーバーサイドへの接続など、IoT化に必要なネットワークおよびサーバーサイドの設計と、要望に応じて構築まで実施 4. サービスモック作成(プロトタイプ) 最終的なアウトプットとしてのプロトタイプを、顧客企業とともに作成 |
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昨今のオープンイノベーションの流れにあるとおり、アイデア出しのフェーズでは、自社にない視点をもった人たちの意見を取り入れることで、新しい芽を生むきっかけになることが多い。その際には、さまざまなコンテンツやサービスを提供してきたニフティのアイデアが活きるケースも多くなるだろう。さらに、ニフティIoTデザインセンターの場合、次に待つ開発フェーズも含め一元的に支援を受けられる点が大きな強みと言える。
アプリケーションやシステムの設計では、コンシューマ向け、法人向けにWebサービスやクラウドサービスを開発してきた経験が生き、4つ目のプロトタイプ作成では、パートナーとのネットワークや協業の経験が生きてくる。
「当センターの中核メンバーには、実際にニフティのサービス開発に関わってきた企画、マーケティング、アプリケーションエンジニア、インフラエンジニアなどが集まっています。IoTにおいてポイントとなる"インターネット側のノウハウ"を自社の経験を踏まえて提供できることが大きな強みになっています。」と、西尾氏は同社がIoTソリューションを提供する強みについて強調する。
そしてこれらのソリューションをシステム基盤として支えるのが、ニフティクラウドをベースとするIoTプラットフォームだ。IoTサービスの開発、運用に必要となる以下のようなさまざまなパーツを継続的にリリースし、企業のニーズに応えていくという。
【ニフティクラウド上のIoTプラットフォームが備える機能(抜粋)】 ・MQTT デバイスとの効率的なデータ送受信を実現するMQTTクラウド ・データストア デバイスデータの収集先となる安価でスケーラブルなストレージ ・mobile backend モバイルのアプリ運用に必要なバックエンド系の機能群 このほか、分析、メッセージバス、仮想化基盤などを順次提供予定 |
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無償で相談できる窓口を設置
IoTのような新しい分野での事業展開は、参入企業にとって未経験のチャレンジになる。そのため、そもそも必要な投資規模の判断がつきにくかったり、また実施可否が判断できるフェーズまでの投資をできるだけ抑えたいところである。ニフティIoTデザインセンターでは初期の相談を無償で実施することで、気軽にIoTのサービス化を相談しやすい環境を用意している。
「お客様の支援してほしいことによって提供する内容も変わりますので、初期の相談は無料で受け付けております。相談を受けてヒアリングを行い、どのような支援をさせていただくかを決めていきます。支援開始までの期間は案件により異なりますが、おおよそ1ヵ月が目安です。」(市角氏)
最後に西尾氏は、これからIoTに取り組む企業に向けて、次のようにメッセージを送ってくれた。
「IoTの時代には、たとえば椅子や机など、電子的なデバイス以外でも、ネットワークにつなげてサービス展開できるような可能性が無限に広がっています。しかしながら、メーカーにとって“モノ”を“サービス”にする過程においては未知数な点が多いかと思います。さまざまな新しいIoTサービスが世に出て行く過程を支援できることは、弊社にとっても大変嬉しいことですので、是非気軽にご相談いただければと思います。」
【2015年9月24日、ニフティ社内にてIoTセミナーを開催予定】 『IoTの実現方法、教えます~来るべきIoT時代に備えて』 日時 :2015年 9月24日(木)15:30~/17:10~個別相談会(自由参加・予約可) 会場 :ニフティ株式会社 セミナールーム 参加特典:ニフティクラウド IoTプラットフォーム60日間無料トライアルカード 【詳細・申込はこちら】 |
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