シミズオクトは、舞台美術や施設管理、警備業務といったイベントに関わる業務を行なう企業だ。企画から当日の設営や運営までをワンストップで提供する。都市プロモーションやコンサート、各種展示会、博覧会、スポーツイベント等を手がけているため、多くの人がその作品を目にしたことがあるのではないだろうか。

イベント業務をワンストップで提供する株式会社シミズオクト。設立は昭和34年と歴史が長く、従業員数も1,143名(平成27年4月1日グループ合計)を数える

そうした業務においては、さまざまな印刷物が必要となる。告知用のポスターや横断幕はもちろん、舞台美術などの大型施工装飾も多い。そのため、シミズオクトではさまざまなプリンターを保有し、多彩な要求に対応してきた。このような環境の中、2013年に導入されたのがセイコーアイ・インフォテックの大判インクジェットプリンター「ColorPainter M-64s」だ。

株式会社シミズオクト 生産本部 千葉スタジオ 生産・積算課 課長 兼 生産管理部の問可龍一氏

「以前使っていたプリンターでは生産性が物足りなくなり、新しいプリンターの導入を検討していました。今後はもっと耐候性のある成果物を作りたいという新たな要求もあったのですが、セイコーアイ・インフォテックのショールームでColorPainter M-64sを見た時には、すぐにこれはいいと感じましたね。他社の機種とも比較しましたが、当時我々の要求に応えてくれるモデルは他にありませんでした」と語るのは、シミズオクト 生産本部 千葉スタジオ 生産・積算課 課長 兼生産管理部の問可(とが)龍一氏だ。

高速&高品質の期待にバランスよく応えるColorPainter M-64s

問可氏がColorPainter M-64sを見た時に感じたことは、バランスのよさだったという。「プリント速度が非常に高速です。以前使用していた別メーカーの機種は時間あたり15㎡程度の出力機能でしたが、こちらは30㎡の出力が可能で、導入当時画期的な速度でした。速度を上げるためにはある程度ドットを粗くする必要があるため、細かく見れば他社製品よりも大味な面もあるのですが、仕上がりとしては非常にバランスがよいです」(問可氏)。

プリントされた画像は非常に細かなドットの集合体になっている。このドットがどれだけ細かいかでグラデーション等のなめらかさが変わってくるわけだが、細かくすればするだけ当然速度は遅くなる。成果物の品質と印刷速度というのはトレードオフになる部分だが、ColorPainter M-64sにおける品質と速度のバランスに関しては、シミズオクトの要求する内容とベストマッチしたものであったようだ。

「プリンターの印刷品質を見せるために、どのメーカーさんでもよく人物や風景をモチーフにしたカラー写真の出力サンプルを見せてくれます。こんなに細かく綺麗に印刷できるぞ、というわけです。しかし私は、ベタがどれだけ綺麗に出ているかの方を見ます。そちらの方が実際には重要だと考えているからです」(問可氏)。実務を理解したプロの目が、ColorPainter M-64sを選んだ。

作業時間大幅減!残業コスト圧縮も新機種導入で実現

導入にあたっては、最終的に3台の新機種を導入することを検討しながら、まず1台を導入して実使用が行なわれた。その後最終的に3台を追加購入、千葉の拠点に3台、東京の拠点に1台が設置された。シミズオクトでは全国に5拠点を持っているが、千葉と東京が特に印刷業務が多いため設置された。また、ColorPainter M-64sは低溶剤インクを採用した低臭気ソルベント・インクジェットプリンターであるため、溶剤系としてはかなり臭いが少ないことも評価された。

「発色もよいですし、当初の目的であった、より高速なプリント、耐候性のある成果物という目的はしっかりと果たせました。コンサート、テレビ、展示会等でのプロモーションなど、あらゆるところで活用しています。用紙の送りや巻き取り、細かな使い勝手など旧機種での小さな不満を上手に解消してくれているよいモデルです」(問可氏)。

現場でオペレーションを行なう藤田氏も「非常に使いやすく、出力速度が速いのはいいですね。仕事が効率的にできるようになったことを実感しています。3台フル稼働で使っていることもありますよ。残業時間も減りました」と語る。

(左)大規模なコンサートやスポーツイベント等で使われる壁面印刷やバナーなど多くのシーンでプリンターが活用されている。写真は昨年行われた『氣志團万博2014』。当ステージ上部に取り付けられた提灯は、ColorPainter M-64sでFFシートに印刷をし、貼り付けたものだ。(右)藤田氏ColorPainter M-64s がフル稼働する現場にて

イベント関連業務は短納期での作業が多くなるため、作業が詰まって残業時間が長くなりがちだが、プリンターの高速化でかなり改善されたという。

「ColorPainter M-64s導入後の1年間で削減できた作業時間を計算したところ、1000時間近い作業時間の削減が達成できていました。これは出力後のものをパネルなどに貼り込む時間なども含めたものではあるのですが、やはりColoPainter M-64sの効果は大きいと感じます。残業時間も大きく減ったので、管理側としても非常によい効果が得られたと感じています」と語るのは株式会社シミズオクト 生産本部 千葉スタジオ生産・積算課 出力チーフリーダー野村氏だ。

(左)株式会社シミズオクト 生産本部 千葉スタジオ 生産・積算課 出力チーフリーダー 野村氏「労働時間を管理する側からも、ColorPainter M-64s には助けられています」と野村氏。(右)ColorPainter M-64s で印刷したメディアをイベントで使われる装飾パネルに貼り込む現場。30 ㎡ /h の高速印刷ができるので、最初の1 枚目を貼り終えるまでには次の印刷が完了している。時間に追われることなく作業がスムーズに進む

プリントコストは試算通り、オペレーターの技術も向上

また、ランニングコストも高く評価されている。これは単純にランニングコストが他社製品と比較して安価になるという意味ではなく、試算が正確だというところが特に高評価だ。「どのプリンターでも、このサイズは1枚あたりいくらで出力できる、この材料でこれくらい出力可能だ、というカタログ上のスペックやランニングコストなどの記載がありますが、長年の経験上、その数字があまりあてにならないことも知っていました。ダウンタイムが多かったり、インクが使い切れなかったりするのです。ところがColorPainter M-64sは、ほぼ計算していた通りの結果となりました」(問可氏)。

プリンターで出力したものが直接成果物になるシミズオクトの場合、そのランニングコストはそのまま製造コストにつながる。試算と同じ結果が出るということは、製造コストを正確に把握して正しく作業が行えるということだ。さらにColorPainter M-64s導入を通して、現場の基礎レベルが向上したことも評価している。

「プリンターの入れ替えにあたっては、ColorPainter用の新しいRIPを使わなくてはならないということで、旧機種のRIP操作に慣れていた現場担当者からも、実際に使ってみたところ圧倒的に使いやすく、綺麗な出力ができるようになったとの話を聞きました。今までのRIPだと言葉は悪いのですがプリンターにお任せでプリントをしていました。ColorPainter用のRIPは、オペレーター自身が色の配合に対しての正しい知識を持つだけでなくそれを理解し自らで制御を行なうようになったことで、オペレーターの色に対する意識が高くなりました」と問可氏。

同じデータを出力してもプリンターごとに発色が違うのは仕方のないことだが、色にこだわる顧客の場合には特にシミズオクトを指名することもあるという。「オペレーターが一段上に階段を上ったという実感があります。作業の都合でセットの組み立てをよそで行なう時には本来全ての作業を同じところに任せる方が手間もコストもかからないのですが、案件によっては出力だけは自社で、という形でクオリティを上げていることもあります」(問可氏)。

日本市場を熟知した日本メーカーの開発・サポート力も評価

プリンターの選定にあたっては、セイコーアイ・インフォテックのメーカーとしての姿勢も重視された。国内でプリンター事業に長く携わってきた開発力、サポート力などが評価された形だ。 「開発している人の顔も見たい、メンテナンスやサポートを担当する人の顔もきちんと見えるメーカーを選びたい、という希望はありました。そして、要望等に対してどれだけ対応してくれるかというのもポイントです」(問可氏)。導入前から実使用が開始された後も、営業担当者が頻繁に訪問し、要望を聞き取ってくれるというのもよい点だったという。

シミズオクトはこの種のプリンターを採用する企業の中でも、非常に出力数が多い企業だ。その分、新機種へのリプレースなども比較的頻繁に行なわれる。「3年後にはまた新しいもの、もっとよいもの、という形になるのでしょうが、溶剤系としてはColorPainterM-64sよりも高度なものは出てこないのではないかとも感じています」(問可氏)。現時点でのColorPainterM-64sを非常によいモデルと評価しながらも、自社の他拠点で使用しているモデルを全て入れ替えるようなことは考えていないという。

「5 拠点で15 台のプリンターを使用していますが、それぞれ目的が違いますから、全てがColorPainterM-64sに合うわけではありません。同じく、大型プリンターを使用する全ての企業でColorPainter M-64sが最適かというと、そうではないでしょう。機能的にもハードユーザー向けで、比較的敷居が高く見える機種だと思います。しかし、当社のようにボリュームがある現場にはぴったりです。ColorPainter M-64s の高い能力で、生産性はしっかり向上します。また日本は小さなものから大きなものまでを必要とする特殊な市場ですから、そうした状況をよく理解している日本メーカーの製品でなければダメだと私は考えています」(問可氏)。

大判プリンターを熟知した問可氏が、これ以上の進化は望めないのではないかと評価するほど、ColorPainter M-64sの完成度は高い。ハイボリュームユーザーだけでなく、現在利用している溶剤系プリンターの生産能力に不満を感じているユーザーにとっては、非常によい選択肢となるはずだ。シミズオクトという、非常に厳しい環境でプリンターを使うユーザーが導入し、確かな効果を得ているというのも心強い。

なにより、国内メーカーが製造し、販売からサポートまでをワンストップで提供しているというのは、ユーザーにとって大きなメリットだ。実力のあるプリンターを、安心のサポートのもと利用できることで、ユーザーは本来の業務に専念できるようになる。

セイコーアイ・インフォテックでは、今後もColorPainter M-64sをはじめとして、ユーザーの要望に正面から応えた、信頼できるプリンター製品の提供を行なってくれるはずだ。よりよいプリンターを必要としていて、安心して業務に取り組みたいユーザーにとって、力強い味方となってくれることだろう。

3台ならんだColorPainter M-64s と問可氏。低臭・高速さで現場に貢献するだけでなく、オペレーターの技術向上にも役立ったという

(マイナビニュース広告企画:提供 株式会社セイコーアイ・インフォテック)

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