ビジネス環境が激しく変化する中にあって、市場のニーズを正しく把握し、将来の見通しを立てたうえで、一歩先んじた手を打つことが現在の企業には強く求められている。そのために欠かせないのがデータの分析/活用であり、ここ数年の企業のデータ分析に対する関心の高まりには目を見張るものがある。マイナビニュースでは7月14(火)に「営業×データ活用 売上げアップを下支えするデータ活用の実践ハウツー」を開催する。本記事では、セミナーに先立ちデータマーケティングに見識が広いITRのシニア・アナリスト、生熊清司氏に「営業が使いやすいデータ分析ツール」について取材した。

ビジネスの現場でBIツール利用が進まない理由とは

ITRのシニア・アナリスト、生熊清司氏

ビジネス環境が激しく変化する中にあって、市場のニーズを正しく把握し、将来の見通しを立てたうえで、一歩先んじた手を打つことが現在の企業には強く求められている。そのために欠かせないのがデータの分析/活用であり、ここ数年の企業のデータ分析に対する関心の高まりには目を見張るものがある。そうした”データ活用熱”の過熱ぶりは、「ビッグデータ」という言葉がIT業界やマーケティング界などで飛び交う頻度の高さからも、うかがえることだろう。

しかしながら、企業におけるデータ活用の現状について株式会社アイ・ティ・アール (以下、ITR)のシニア・アナリスト、生熊清司氏は、理想と現実に大きな隔たりがあるのではないか?と疑問を投げかける。「大手の企業ではBIツールの普及が進んでいて、全社や部門共通の分析に使われています。ところがエンドユーザーを調査してみると、まだエクセルを使用している割合が高いのです。定型的な分析にはBIツールを使っていたとしても、独自に分析を行う場合にはわざわざCSV形式に変換してエクセルで読み込んで分析するというのが一般的な使い方となってしまっているようです。これまで多くのベンダーは、BIツールだけであれもこれもできるといった論調でしたが、ビジネス現場の現実はそうはなっていないのです」

実際、昨年9月にITRが行った調査でも、BIツールの分析結果を営業担当者がエクセル等で属人的に二次分析をすると回答したエンドユーザーが57%にものぼっている。また、業務システムやERPなどから出力されたデータについて、エクセルを利用して分析するとしたエンドユーザーの割合も5割近くに及ぶ。

では、なぜBIツールはビジネスの現場で十分に活用されていないのだろうか?──。まず1つ挙げられるのが、操作性の悪さ(操作の難しさ)なのだが、この点については以前から指摘されており、ツール自体も機能改善が進んでおり、また、利用企業側でもユーザー教育を強化することなどで改善を図ってきている。しかし、これに匹敵するほど高い障壁となっているのが、データ定義の難しさだ。

データ定義とデータマッシュアップの重要性

「多くのエンドユーザーが、BIツールを利用するために必用なデータを設定するためのデータ定義の段階でつまずいているのです。企業におけるデータ活用の成熟度を向上させるためには、特定の分析専門家が利用するだけでなく、ビジネス部門にあまねく利用されることが要件となります。このことからもBIツールにおけるデータ定義の難しさは早急に解決すべき重要課題と言えます」と、生熊氏は指摘する。

例えば、営業部門のユーザーがデータ分析を行おうとした場合、自身がエクセルで管理しているデータと、CRMなど業務システムから持ってきたデータとをクロス集計するケースが多いだろう。しかしこのように複数のデータを組み合わせるには、キーとなる共通項目を設定したうえで、数値、文字列、日付、時刻といったデータ型を定義しなければならない。しかし残念ながら現状の多くのBIツールでは、ユーザー側で個々にデータ定義を行う必用があるため、現場で気軽にデータ活用するには向かないのである。

生熊氏は、複数のデータを組み合わせて分析してビジネスに役立てる「データマッシュアップ」を提唱している。ビジネスの現場で誰もがデータマッシュアップを簡単に行えるようにすることで、企業のデータ活用が進むというのが同氏の持論だ。

「しかし、それを可能にするようなBIツールがなかなか見つからないのが問題なのです」(生熊氏)

データ定義の簡素化を実現するBIツールの登場

データを分析してビジネスに有効な知見を得るためには、複数のデータを組み合わせることが効果的であるにもかかわらず、一般的なBIツールでそれを行うのは難しい。しかし、生熊氏によると、データ定義の問題を解決して、データマッシュアップを容易に行うことができるようなBIツールもすでに、現れはじめているのだという。そうしたBIツールの1つとして、生熊氏が挙げるのが、クリックテック・ジャパンが提供している「QlikView」や「Qlik Sense」である。

「これまでこの製品は、インメモリ処理による性能の高さがクローズアップされてきましたが、私はデータ定義の簡素化を実現できる点にこそ最大の特徴があると見ています」と生熊氏はコメントする。

データ定義の簡素化を実現する鍵となっているのが、クリックテックの特許技術である「連想技術」と呼ばれる一連のデータ格納手法だ。連想技術では、データソースに含まれる一意の値を項目別に格納する。そして格納する際に、値ごとにポインターと呼ばれる2進数の識別値を追加。項目ごとに分析されたデータだけではデータソース上のデータ間の関係がわからないため、別個に関係だけをポインター情報で格納するようになっている。

ITRが提供する「ビジネスに貢献するためのデータ分析基盤」(https://www.itr.co.jp/library/public/ITR.../ITRWPC14110071.pdf)より

実際、ウェブクルーやダスキン、あきんどスシローなど、QlikViewによりデータ分析基盤を構築し、積極的にデータ活用を進めることで、既に一定のビジネス成果を上げている国内企業も存在している。例えば、スシローでは、かつて3~4日かかっていたデータ抽出にかかる時間が、リクエストが寄せられてから1日以内にまで短縮できているのだという。これは、処理性能の改善だけでなく、簡単に必要なデータの抽出ができるようになったことが時間短縮の要因となっていると思われる。

このQlikViewのエッセンスである連想技術を気軽に味わえるのが、同じく同社が提供しているQlik Senseだ。BIや分析も意識した経験の無いビジネスパーソンでも扱えるように間口が広げてある。無料版であるQlik Senseデスクトップを試してみると、同社の連想技術がひと味違うことがわかるだろう。

(マイナビニュース広告企画)

[PR]提供:クリックテック