ビジネスでのコミュニケーションというと電話とメールが王道だが、ワークスタイルが多様化し、グローバル化も進む今日のニーズには合致したツールとは言い難い。そこで、ビデオ通話やスクリーン共有など多数の便利機能を搭載し、クラウド、オンプレミスの双方で利用可能な常設・検索可能チャット「HipChat」「HipChat Server」を提供するアトラシアンの社員のみなさんに、あくまで1ユーザーの立場から、チャットツールをどのように使いこなし、ビジネスにどう役立っているのか自由な意見をぶつけてもらった。

グループ座談会参加者と社内での主な役割(左から)
・代表取締役社長 スチュアート ハリントン氏:日本チーム全体のマネジメントやオーストラリア本社とのパイプ役
・オフィスマネージャー 犬山奈穂氏:社内のミーティング調整やマーケティング支援、ドキュメントの作成など
・テクニカルエバンジェリスト 長沢智治氏:エバンジェリストとして対外的な“顔”の役割
・サポートエンジニア 中川真以氏:顧客の技術サポート
・マーケティングマネージャー 大澤 俊介氏:マーケティング全般

HipChatさえあれば、世界中どこにいてもミーティングに参加できる!

──現在、HipChatをどんな感じで使っているんでしょうか。

長沢氏:リアルタイムなコミュニケーション全般に使っていますね。必要であればビデオ通話(ビデオチャット)を行ったり、在宅で仕事をしている時にはスクリーン共有機能を使った共同作業をしたりしています。

ハリントン氏:私は欧米法人の幹部とのやり取りが多いのですがビデオ通話ができるので、グローバルなミーティングでも自宅でできてしまいます。時差があるのですべてのメンバーとビジネスタイム中に会議を行うことはほぼ不可能なので、オフィスにいなくても会議ができるのは助かっています。

長沢氏:自分の場合はオフィスの外にいることがほとんどなので、スマートフォンからビデオ通話することも多いですよ。

ハリントン氏:そう、当社はグローバルでワークスタイルがとてもフレキシブル。インターネットさえあれば基本的にどこにいても仕事ができるようにしようという考え方なので、HipChatは必須のツールとなっていますね。

犬山氏:良い意味で“逃げられない”ですよね(笑)。Twitterのように「@」を付けるだけで相手を指定できるメンション機能があるので、チャットルーム内でも誰宛のメッセージかがわかります。なので、メールとチャット両方のいいとこ取りをしたような使い方をしています。それにメンションがあるとメールで知らせてくれるので、いつどこにいても気付くことができますし、メッセージを見忘れてしまうこともありません。うちはその人その人でワークスタイルが異なっているのですが、そんな多様なワークスタイルが成り立っているのもこの機能のおかげだと思っています。

中川氏:メールやスマートフォンのプッシュ通知が来るのは助かりますよね。オフラインであっても自分宛てのメッセージを見逃すことがないですし。

ハリントン氏:オフィスを見渡してみると、社員全員いつもHipChatを開いていますね。トレイ上のアイコンでメッセージの数もひと目でわかりますし。

犬山氏:私の場合、9時から18時まではなるべくPC上でHipChatを見て、それ以外の時間はメールで転送されて来たメッセージのみ確認するようにしています。なので、プライベートタイムに仕事を気にし過ぎる必要もなく、仕事とプライベートの時間の区切りを簡単につけることができています。

ハリントン氏:ただ最近は飛行機の中でもWi-Fiが通じるようになってきたので、ぐっすり寝させてもらえないのは困るけどね(笑)

犬山氏:あと検索機能もよく使いますよね。チャット内容の履歴が残されていて検索が可能なので、チャットルームで大勢の人がしゃべっていたとしても、「そういえばこの前、このトピックについて誰が何を話していたっけ?」といった場合には検索すればすぐに履歴をたどれることができますから。

──ビデオチャットとテキストのチャットはどのように使い分けているのですか?

長沢氏:基本的にはテキストでのやり取りが多いですが、フェイス・トゥ・フェイスで何かを決めるような時にはビデオ通話に切り替えていますね。同じインタフェースから瞬時に切り替えられるので、テキストでチャットしてて「じゃあ今からビデオで話そうか」といった感じでやっています。

中川氏:ネイティブアプリとWebブラウザのどちらからでもビデオ通話の機能を利用できるので、誰でもビデオが使えるのは大きいですね。

長沢氏:ネイティブアプリは、Mac、Windows、iOS、Android、それから Linuxにも対応していますからね。どのデバイスを使っていてもいつでもチームと連絡が取れます。

リアルタイムなコミュニケーションを模索していて見つけたHipChat

──HipChatの導入以前には社内でのコミュニケーションはどのように行っていましたか。

大澤氏:HipChatを使い始めて3年ぐらい経ちますが、それ以前はメールと「Confluence」を使っていました。これだけだとどうしてもリアルタイムなやり取りが難しかったので、IM(Instant Messenger)を社内で使っていました。

ハリントン氏:グローバルで見るとエンジニアはIRC(Internet Relay Chat)を使うことも多かったのですが、特に公式なチャットツールというのはなくて、シドニー、サンフランシスコ、ポーランドなど拠点ごとや役割ごとに好きなツールを使っていました。

それが最初にグローバル開発チームがコラボレーションのためにHipChatを使い始めたところ、「これは使える!」ということで買収して自社製品にしたんです。必要なツールが自社になければ、自分たちでつくるか連携や買収することでポートフォリオを増やしてきたのが当社の歴史なので、HipChatもその一例と言えますね。

──仕事でHipChatを使いながら、特にコミュニケーションの促進や業務の効率化に役だっているなと感じるのはどういった点でしょうか。

ハリントン氏:いろいろありますが、やはりメンバーのプレゼンス情報がわかるのが大きいですね。うちのメンバーは世界中をとびまわっているので、誰が今どの国にいるのかがわかりづらい。それがHipChatであれば今寝ているのか起きているのかなどがわかるので、リアルタイムなやり取りがスムーズになりました。

大澤氏:それとHipChatにはロールごとにルームを簡単に作れるので効率よくコミュニケーションを取れるようになりました。私の場合、「Japan Marketing」というルームを立ち上げていて、国内マーケティングに関するやり取りの多くをそこで行っているのですが、目的にあわせてメンバーを変えたりしています。オープンなルームとして設定すればルームメンバーの招待はメンションで簡単にできますので、日本のマーケティングの話になればサンフランシスコの担当者をそのルームへ招待したりしています。

中川氏:私は「JIRA」を使ってお客様のサポートをしているのですが、お客様からの問い合わせなどがあるとHipChatのサポートチームのルームにも通知が飛んでくるようにしています。緊急な内容かどうかの優先順位もわかるようになっているので、チャットルームにいる誰かが瞬時に判断して対応することができています。これがもしメールで通知していたら、誰が対応するのかなどいちいちやり取りせねばならず、しまいには混乱してお客様へのサービスにも支障が生じかねなかったでしょうね。

長沢氏:私はサポートの立場ではないのですが、通知を見て「このお客様はこういう使い方をしているので、こういった対応が必要では」といったインフォメーションを流したりしています。

他のコミュニケーションツールとシームレスな連携で“最強”のソリューションに

──他に、これは便利だという機能や使い方があれば教えてください。

長沢氏:ConfluenceとHipChatを連携した使い方は最強なんじゃないかと思っています。緊急性のないやり取りはConfluenceで行いながら、情報のアップデートはリアルタイムにHipChatに飛ぶように設定しているので、メッセージをクリックすればConfluenceの該当頁に飛んで何が変わったかが確認できるようになっています。そうした他のツールとのシームレスな連携が可能なのもHipChatの魅力ではないでしょうか。

大澤氏:ちょっと変わった使い方かもしれませんが、自分宛にメッセージを送って写真ファイルを保存するのも便利ですね。HipChatは1ファイルあたり50MBまでと大きな容量のファイルを扱えますから。それに有料版であればトータルなファイルサイズは無制限ですので、ストレージ容量など気にする必要もありませんし。

──アトラシアンにとってHipChatは単なるツールではなく、会社の文化を醸成するものと言えそうですね。

ハリントン氏:まさにそう。うちは上下関係をなるべくなくしてオープンな企業にすることが重要なテーマとなっているのですが、HipChatはまさにオープンなツールです。相手が社長だろうと余計な挨拶など無用。ビジネスの本題について効率よくコミュニケーションしながらグローバルなコラボレーションを可能にしているのです。

犬山氏:あとHipChatを使って働いていると、仕事が速いし楽しい。これは自信を持って言えます。 いろいろなシーンに合わせたエモーティコンも用意されていて、ちょっとした遊びゴコロがあるのも気にいっています。

──ありがとうございました。

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