ITの重要性が増す現在においては、情報をしっかりと管理・共有することが、生産性の向上と業務の効率化につながる。そのための力強い味方となるツールこそが「グループウェア」である。

だがこのグループウェアは、一歩選択を間違えると「業務の手助けとなる存在」から「業務の足を引っ張る存在」へと変貌を遂げてしまう。そのような事態を招かないためには、グループウェアの導入に際して、チェックしておかなくてはならないポイントがいくつかある。

【第二回】管理者視点でみる グループウェアの選定基準
【第三回】経営者視点でみる グループウェアの選定基準

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本稿で参考にしているサイボウズ社の「グループウェアの教科書」では、グループウェアの選定ポイントをはじめ導入に必要な準備、稟議における説得材料などを紹介している。

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そこで今回、グループウェアの大手である「サイボウズ」が、ユーザー会におけるヒアリングを繰り返して導き出した「グループウェアの導入で失敗しないポイント」を3回に分けてお伝えする。 全体で7つあるポイント、第一回目は、その中から「利用現場からの視点」に基づいた3つのポイントを紹介しよう。

Point1:心の底から「便利!」と思える仕組みかどうか

スケジュールの共有やToDoリストなど、グループウェアには全社員が毎日使う機能が数多くある。それが、「わかり難い」、「使い難い」となってしまっては、業務に大きな影響を与えてしまう。使ってストレスを感じるシステムなんて誰も使いたくはないだろう。そうなれば、せっかく導入したシステムも完全な無駄となってしまう。だからこそ、現場で使うユーザーが「使いやすい!」、「便利!」と思えるシステムでなければならない。

たとえば「情報を確認したかどうかが一目でわかる」、「申請などの進捗状況がチェックできる」、「業務日報を入力すれば、自動的に出退勤データも登録できるので手間が省ける」など、ユーザーがメリットを感じる仕組みが必要だ。その他にも、最近の傾向としてスマートフォンなどのモバイル端末から進捗管理などができれば、更に現場から喜ばれることだろう。

心の底から「便利!」と思える仕組みであれば、ユーザーは積極的に利用するようになる。そうなれば、自然と情報共有は進み業務の効率化が図れることだろう。

Point2:現場のユーザーがカスタマイズできる余地があるか

どんなに使いやすいシステムであっても、業務内容が異なれば利用する機能も異なる。たとえば経理部視点で作られたシステムであれば営業部は使い難くなるだろうし、逆もまたしかりだ。それぞれの部門ごとに使いやすくカスタマイズすることが理想ではあるが、それに対応できるだけの人員を揃えた情報システム部は、大企業であっても殆ど存在しないのが現状だ。

であればどうするか、話は簡単。現場のユーザー自らが、自分たちのワークフローに合わせてカスタマイズできればいい。

人事部であれば、新卒向けの説明会や面接の履歴をグループウェアのスケジューラーで管理したいと思うだろう。経理部門であれば、商品の棚卸管理をグループウェア上で管理したいと思うだろう。そのような、現場が「こうしたい!」と思うことを、「自分の手」で実現できるシステムであることが重要だ。そのためには、専門的な知識がなくても、直感的な操作でカスタマイズできる機能が必要になる。

間違っても、カスタマイズの度に情報システム部が呼びだされるような事態は避けなくてはならない。

例えば、サイボウズOfficeのカスタムアプリでは、専門的な知識がなくても直感的な操作でカスタマイズが可能だ。

Point3:「何ができるのか」を、誰もが理解できるか

現場の人間がどんなに便利だと思っても、情報システム担当がどんなに必要だと願っても、会社の、経営陣にそれを受け入れる意識がなければ導入は進まない。つまり、グループウェアの導入を成功に導くかどうかの一番高いハードルは、「経営陣を納得させる」ことにある。ITに対する意識が低く、グループウェアのメリットを理解できないタイプの場合、かなりの覚悟を持って説得しなくてはならない。その際に注意すべき点は、しっかりと「相手に理解できる言葉」で伝えることだ。

営業叩き上げの社長に対して「タイムライン式のインターフェースなので情報が掴みやすくなります」などと説明しても伝わるはずがない。せめて「最新の情報が常に画面に表示されるので伝達漏れが防げます」などのように、IT用語に詳しくない人にも「何ができるのか」が伝わるようにしなくてはならない。

「相手に理解できる言葉」という点では、日本語にどこまで対応しているかも重要だ。システム自体の日本語化はもちろん、マニュアルやサポートも日本語対応であるかどうかもチェックポイントの一つとなる。どんなに優れた機能があっても、その使い方が伝わらず理解できないようでは、全くの無意味に終わってしまう。特にITに対する理解が低い相手の場合、メニューに英語があるというだけで拒否反応を示す場合があるので注意しよう。

無料の試用サービスを積極的に活用しよう

何事も、やってみなくてはわからないもの。導入段階では問題ないように思えても、実際に使ってみたら違和感ばかりで使いづらい、などと言うことはよくある話だ。ただ最近では、一定期間無料で試用できるサービスも増えている。それらを積極的に利用して、自分たちの業務に適したものを探し出すようにしよう。実際に使った上での効果を伝えることができれば、現場や経営陣からの理解も得られやすいだろう。

クラウド版は30日間、パッケージ版は60日間無料で使えるのでさっそく試してみよう

まとめ:働いている人が思わず使いたくなるグループウェアとは

  • 未読情報や申請の進行状況などが一目でわかる
    [必要となる機能・サービス]未読一覧、ワークフロー等
  • 現場の担当者が権限を持って独自の設定やカスタマイズができる
    [必要となる機能・サービス]エンドユーザーコンピューティング等
  • 日本語マニュアル、サポートが完備されている
    [必要となる機能・サービス]日本語サポートなど

上記チェックポイントを参考に、「便利」で「使いやすい」グループウェアの選定してもらいたい。なお、今回は主に、利用する現場の視点で注目すべきグループウェアのチェックポイントを挙げた。次回は、どちらかと言うと管理者側の視点として、近年では対策必至なセキュリティ面についてのポイントを紹介する予定だ。

グループウェアの教科書

なお、ここで紹介している記事は、サイボウズが提供している小冊子「グループウェアの教科書」を参考にしている。グループウェアの導入段階で整えておくべき社内環境、チェックしておきたい機能や利便性、稟議における効果的な説得材料などを、さまざまな視点から提示している。無料でダウンロードできるので、興味のある方はご覧になるとよいだろう。

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参考:グループウェアの教科書

【第二回】管理者視点でみる グループウェアの選定基準
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