「田中常務の名刺があれば.....」。ライバル会社が営業先のキーマンである田中常務に面識があり、一歩先んじられる。全員苦渋の面持ちの中。部下と思われる人物が、「田中常務は、地元の釣り仲間ですよ」の一言。
「それさ。早く言ってよ~ん」
と強面な松重豊氏のセリフも印象的なCM。記憶に残っている方も多いのではないだろうか。社名と同じ名前を持つクラウド型名刺管理ソリューション「Sansan」のTVCMだ。2013年4月時点での1,000社から一年間で倍増、CMのインパクトもさることながら、同社設立にかけた思いも深い。
商社時代に痛切に感じた2つの課題
このSansanという名刺管理ソリューションは、Sansan株式会社の創業者の一人であり、代表取締役社長である寺田親弘氏が商社時代に強く感じた2つの課題から生まれてきたものなのだという。
- 名刺を紙で管理することによる煩わしさや非効率さ
- 組織内の人脈が見えないことによる営業活動の非効率さ
商社という人と人との繋がりが、売上げを大きく左右する業界に身を置いた寺田氏が、その重要性を強く認識した。そして年間100億枚は流通しているとも推測されるこの"名刺"を全世界共通のビジネスツールとして捉え、「名刺を正確にデータベース化し、組織内のネットワーク上で共有する」というシンプルな理念を実践に移したのだ。オペレータの手入力により、ほぼ100%の正確性を誇るというデータベース化にもその理念の実践を垣間見ることができる。
スッキリインタフェースに人事ニュースも配信!
スッキリとしたシンプルなホーム画面のインタフェースには、名刺検索やニュース配信機能が備わっている。このニュース配信機能には、登録された名刺情報と紐付けられたニュースや社内のコンタクト情報が自動収集して配信される。人事異動自動配信機能も搭載されている。関連する部課長級の人事異動情報をニュースとして享受できるのだ。特許を取得しているこの人事異動自動配信機能は、オンラインデータベース検索サービス「日経テレコン」やダイヤモンド社の人事情報とデータ連携することで実現している。
ユーザーがスキャナやスマートフォンで名刺を読み込むとクラウドを通じてオペレーターが名刺情報をデータ化する。正確性に裏付けされた人物中心のデータベース設計も特徴だ。名刺を人物と捉える「Sansan」では、社内で10人が持っている名刺を個々にコンタクト登録するのではなく、一人の人物としてデータを集約できることもメリットだ。
また、複数の部署をまたいで全社的に利用するには、閲覧者の制限も必要な場合が出てくるが、Sansanではこれを実現。大規模な組織で運用しID単位で、共有や閲覧制限をかけることでアクセスコントロールを行える。2014年4月に、スマホアプリ(iOS/Android)をリリース、手軽にスマートフォンからこのサービスを利用できるようになった。6月には、北米でも本格的な展開を開始、シェアNo.1(2014年6月シード・プランニング調べ)を獲得するなど一人の商社マンの"名刺"への思いから世界へ羽ばたこうとする"Sansan"から今後も目が離せない。
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