差動伝送方式採用高速インタフェースの思わぬ落とし穴とは
USBやHDMI、PCI Express、シリアルATAなどの高速インタフェース規格は、パソコンや民生機器、モバイル機器、組み込み機器等で完全に普及した。これらの規格の共通点は、差動伝送方式を採用し、ノイズ特性に優れている上に、高速化が容易なことだ。そのため、電子機器の設計者にとっても、その普及は歓迎すべきことだろう。しかし、設計に当たっては注意すべきポイントがあることを忘れてはならない──。
中堅産業機器メーカーA社では、ある製造装置の次機種の外部インタフェースにUSB2.0を採用することに決め、その設計を若手エンジニアのY氏に託した。USB2.0インタフェースを採用した電子機器の設計は初めてだったY氏だが、広く普及している規格でもあり、自信を持って設計作業に取りかかった。先輩のN氏からの忠告を尻目に……。
作業は、スケジュール通りに進み、数週間後にはY氏が設計したプリント基板の試作品が納品された。しかし、テストの段階で正常に動作しない機能があることが判明する。調査の結果、誤動作にはメモリー・チップが関連していることが明らかになり、Y氏はメモリー・バスを流れる信号をロジック・アナライザ機能付きオシロスコープで観測してみたところ、ロジック・エラーが発生していた。USB2.0インタフェースの差動伝送路で発するノイズが原因だと見込んだY氏は、差動アクティブ・プローブで波形を観測しオシロスコープに表示した。
差動インタフェースを測定した結果 |
しかし結果は、Y氏の予想と異なった。そこにはノイズ成分が打ち消された信号波形が表示されていたのだ。Y氏は他にも思いつく限りの原因を検証したが、いずれも「シロ」と判明した。万策尽きたY氏は……
この事例を解決したソリューション
AgilentN2750A/51A/52A InfiniiMode 差動アクティブ・プローブ
3つの信号モードを測定できる差動プローブ
ディファレンシャルとシングルエンド、
コモンに対応
差動インタフェースの
トラブルシューティングに
関する労力とコストを
大幅に削減
アジレント・テクノロジー株式会社
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