日本オラクルでは、オラクル製品を扱うためのトレーニングを提供する「オラクルユニバーシティ」のスタッフ全員に「OPIc(Oral Proficiency Interview-computer)」の受験を指示した。NECラーニングが2013年4月から国内提供を開始したばかりの英語スピーキングテストだ。
OPIcは、歴史の深いOPIを基にしたiBT(Internet Based Test)形式の試験であり、国際的にも評価が高く、人材の育成や最適化、または登用のために採用している海外のグローバル企業も多い。
受験の背景や英語コミュニケーション力のニーズについて、オラクルユニバーシティ本部長・執行役員の岩田健一氏と人事本部 人材・組織開発部 シニアディレクターの赤津恵美子氏、そして実際に試験を受けたオラクルユニバーシティ 第一営業部 担当シニアマネージャーの角居佳紀氏に話を聞いた。

ホンモノのコミュニケーション力を評価する英語スピーキングテスト「OPIc」
コミュニケーション力の新基準 - 「OPIc」を実際に受験してみた

―英語コミュニケーション力の必要性について教えてください

オラクルユニバーシティ本部長・執行役員 岩田健一氏

(岩田氏)オラクルユニバーシティでは、オラクル認定試験制度のほか、ユーザー様やパートナー様のエンジニア向けにさまざまなトレーニングを提供しています。このため、私たちはそのカリキュラムも開発しているのですが、内容を決めるためには米国本社の開発チームと英語でコミュニケーションをとる必要があります。これまでは、英語が得意な数名のスタッフにやり取りを任せていたのですが、ビジネスが拡大するに従って、製品情報の入手スピード向上の面からも全てのスタッフに英語コミュニケーション力が求められるようになってきました。

さらに、国内のユーザー企業とビジネスを行う場合でも、状況が大きく変わってきています。
一例として、お客様先にプレゼンテーションに出向いたところ、会議室に座っていたのがすべて外国の方だったという話を聞いたことがあります。
また、グローバル展開を推進している企業の場合、日本で構築したシステムを使うケースがあるため、国外のオフィスから問い合わせや説明を求められることがあります。グローバルにシステムを構築するために、当社の現地スタッフとの連携が求められることも多くなっています。

このように、英語コミュニケーション力は私たちの仕事にとって不可欠なものになっています。“使う機会があるかもしれないから”ではなく、“仕事に必要だから”英語を学ぶべきなのです。

人事本部 人材・組織開発部 シニアディレクター 赤津恵美子氏

(赤津氏)オラクルはグローバル企業なので、昨今特に国を超えた分業や共同作業が増えてきました。例えば、カスタマーサポート部門では、コールセンターの一部が海外に移管され、サポートスタッフと英語でやりとりしなければならないケースがあります。
同様に、営業部門においてもお客様に製品の最新情報や世界の先進的な導入事例をいち早くご紹介するために、米国やヨーロッパ、APACなど世界のオラクル社員と繋がり、タイムリーで良質な情報入手が必須になってきています。国内のお客様でも「プレゼンテーションは英語で」と言われることもあります。

私の部署である人材組織開発部では、マネージャー研修を提供していますが、これ までは各国で個別にコース開発やベンダー選定を行なっていたため、カリキュラムがまちまちであったり、ベンダーも統一されていませんでした。しかし、今はワールドワイドでカリキュラムや資料の共同開発を行い、グローバルでデリバリーできるベンダーを選定するなど、グローバルで標準化された研修を提供するべく準備を進めています。

標準化プロジェクトはグローバルチームで行われるため、英語でコミュニケーションできないとトレーニングカリキュラムを作ることすらできません。もう「英語は苦手で・・・」では済まされない状況になっています。

―OPIc試験はどのように感じられましたか

(岩田氏)非常に新鮮な試験だと感じましたが、特に興味深かったのは、スタッフたちの反応です。受験を終えてすぐ、自分から英会話の学習サービスなどに申し込むメンバーが何人かいました。これまでも筆記での検定試験などを受けてもらったことがありますが、このように素早い反応は見たことがありません。

OPIcは、一夜漬けのような対策がしにくいという特性から、受験者自身の本当の実力を知ることができます。そのことが、彼らのやる気に火を着けたようです。

オラクルユニバーシティ 第一営業部 担当シニアマネージャー 角居佳紀氏

(角居氏)実は、私もすぐに学習サービスに申し込んだうちの一人です。OPIcテストを受けている最中から、英語コミュニケーション力の不足を感じていました。まず、耳が英語を聞き慣れていないため、質問されている内容を理解するのに苦労しました。また、英語を使ってストーリーを作ることができず、短い言葉でしか気持ちを伝えることができませんでした。ほかの試験では、なかなか気がつかないことです。このままでは仕事にならないと強く感じたため、学習を決意しました。

―OPIc試験はどのように活用できるのでしょうか

(赤津氏)あるスタッフは、記述式テストの結果がよくてもビジネス現場での英会話は不得意だったというケースがありました。その点で、OPIcは実際のビジネスでの会話に近い質問内容で、英語力のみならず、ロジカルシンキングや話題を創出する力まで求められるので、ビジネスの現場でどのくらい通用するかを測定するのに適した試験だと思います。

担当する仕事によって、現在必要とされる英語コミュニケーション力は異なりますが、今後、英語のニーズがますます増大していくことは間違いありません。 また、社内のグローバルプロジェクトをスピード感を持って進めていくために、電話会議などもどんどん増えていくと思われます。そうした中、話す力の重要性は高まっています。これからは、総合的な力とスピーキング力の両方をきちんと測定し、英語力を強化していくことが必須だと思います。

(岩田氏)マネジメントの観点では、人材配置や教育投資の最適化を測ることができると感じています。

ただし私は、OPIcのみでビジネスに必要となる総合的な英語力のすべてがわかるとは思っていません。もちろん、記述式のテストだけでも不十分です。両者は補完関係にあり、それぞれを組み合わせて活用していくことが必要だと感じています。

英語コミュニケーション力は、定点観測が重要です。定期的に実力を把握し、レベルアップのためのモチベーションを維持するためにOPIcは最適です。受験してすぐに結果が得られるため、私たちのスタッフのようにすぐに対策を練ることができます。

ビジネスの現場では、いつ英語によるコミュニケーションが求められるかわかりません。もしかしたら、明日必要になるかもしれないのです。そのために日々の努力を重ねることは、ビジネスパーソンにとって必須のことなのです。

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