印刷ネット通販が普及する中で、そろそろ「お気に入りの発注先」が決まってきた読者も多いのではないだろうか。一方で、このカテゴリーには新規参入が続いており、後発ならではのアイデアやサービスで発注者にアピールする印刷会社も出てきた。

今回紹介する「アルプスPPS」も今年に入って印刷ネット通販サービスを始めた印刷会社。「お客様の要望にまごころで応えたい」と話す同社に、印刷ネット通販サービスへの取り組みや「アルプスPPS」の主な特長について伺った。

老舗印刷会社から印刷通販事業へ

東京・江東区で印刷ネット通販を手掛ける有限会社アルプスPPSは、スカイツリーと臨海副都心お台場の中間点という絶好のロケーションに位置し、東京堂印刷株式会社の関連企業として、2011年5月にスタートした若い会社だ。東京堂印刷は創業昭和51年という老舗の印刷会社。社内設備として菊四裁から菊全8色機まで複数台のオフセット枚葉印刷機を備えており、アルプスPPSでは、この設備をフルに活かした印刷ネット通販を手掛けている。

事業を立ち上げたアルプスPPSの代表取締役社長 永田淳氏は、「数年前から同業他社の動きをリサーチする中でいずれはウチもネット通販を手掛ける時期が来るのだろう」と予測していたという。

従来の印刷ビジネスは、地域に根ざしつつ特定の担当営業がひとつずつ仕事をケアしていくというきめ細やかさが売りである。一方で、そのサービスの多様さからコストが価格に反映されてしまい、割高感が否めなかった。

そこで印刷業界が注目したのが「印刷通販」というジャンルだ。ネットの特性を活かしたマーケティング戦略を練るようになり、印刷会社ならではの大量受注時の面付け論理や営業レス、DTPによる省力化を駆使して徹底的にコストを削減。現在では、対面営業と営業レスの2本柱で印刷業を運営する企業も少なくない。永田氏は次のように語った。

「弊社(東京堂印刷)でも従来の顧客を大切にしながら世の中の時流にマッチしたビジネス展開を模索中でした。そこで事業化を考えたのがここ数年で急成長を遂げたネット通販です。とはいえ、一言でネット通販と言っても成功例もあれば失敗例もある。そこで、印刷通販が抱えるさまざまな問題点を踏まえた上で“価格は下げても品質・サービスは下げない”ことをアルプスPPSのモットーにしました。 今現在、印刷ネット通販は200以上あると言われています。私たちが目指しているのは、それらとは一線を画す“まごころ印刷ネットビジネス”です。」

そんなアルプスPPSが安心してネット通販を利用してもらうために考えた工夫とは?・・・