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コスト削減! イベントで使う「Tシャツ」を自作しよう!

企業内でも展示会やイベントなど、夏イベントに向けたオリジナル「Tシャツ」を作成するといった季節になってきました。しかし、デザインという部分で躊躇している方は多いのではないでしょうか。業者に任せてしまうのは簡単ですが、経費も馬鹿になりません。数回の処理でソフトウェアの元は取れてしまいます。なにより暖かみのあるデザインを生み出すことで、スキルアップにも繋がり、イベントの成功率も高まるのではないでしょうか。

難しいことは必要ありません。アイロンプリント用紙にプリントアウトし、Tシャツに転写するだけです。今回は誰でもコツを掴めばユニークなTシャツデザインが作る事が出来ます。そのコツを今回は整理してみました。ぜひコツを掴んでユニークなデザインのTシャツでイベントを乗り切ってみてください。まずデザインするための下絵をIllustratorに配置し、イメージを膨らませましょう。

・図1

デザインを行う上で参考にする下絵。Illustratorに配置し、レイヤーオプションにてテンプレート設定にして利用。ただし、最終的な印刷はA4サイズの専用紙となるので、サイズ調整はA4で最終的に確認します

Tシャツのデザインも名刺のデザインと考え方は同じです。とにかく思い切りよくシンプルにレイアウトすることが大切です。そんな観点から整理した基本が、下の【図02】となります。方向性は大きく分けて3つ。1つ目は文字要素とシンボル的な図形との組み合わせによるデザイン。2つ目は方向性を暗示させた線、あるいは図形と文字要素との組み合わせによるデザイン。3つ目が、1つ目と2つ目の組み合わせとなります。この3つに方向性を絞り、図形やフォントを吟味するだけでインパクトのあるデザインを簡単に作成することが出来ます。

・図2

レイアウトの基本。
上段:シンプルな図形と文字の組み合わせ
中段:方向を暗示したパスと文字の組み合わせ
下段:上段と中段の組み合わせ
もちんこれだけがデザインの方向性というわけではありませんが、初めは方向性を絞り、数をこなしてから新しい方向へチャレンジするようにすると無理なくデザインのスキルアップに繋がります

この基本的なレイアウトの中にどのような図形やフォントを納めるかのアクセント処理で、迷いは少なくなるのではないでしょうか。

【メモ】主張は1要素に。それ以外は控えめに
デザインで一番まずい方向性は、文字要素や図形要素等の全ての要素が強烈な個性を発揮して自己主張してしまうことです。これではそれぞれの要素が互いにぶつかり合い、全てが台無しとなってしまいます。主張したい要素は1つの絞り、それ以外は控えめにすることが良いデザインのコツです。

文字のデザインに凝る場合は、文字以外を控え目にするように心がけると良いでしょう。イラストなどが個性的な場合、文字要素はイラストなどよりも控え目にするという具合です。なお、ここで言う控え目とは、小さくすると言うことではなく、癖のある要素は避けるという意味です。例えば文字要素に対して必要以上に括り文字やドロップシャドウなどの処理は行わない方がよいでしょう。

アクセント処理を作例で学ぼう

いくつかの作例でアクセント処理について整理してみました。

・図3

・図4、5

【図03】の左側のように単純な円に対して、線に対しても同じ色を指定し、そのままオプションで用意されているアートブラシの「木炭・鉛筆」から「チョーク(落書き)」を設定【図04】することで手書き風とします。書体を変更してからアプアランスにて塗りと線を【図05】のように再設定することで右のようなイメージを簡単に作り出すことが出来ます。なお、この場合、環境設定にて【線幅と効果も拡大・縮小】にチェックを入れていないと、設定した値を正しく縮小できなくなってしまうので、注意しましょう。

・図6

・図7

・図8

【図06】の左側のイメージは、【図07】のように四角形にアクセントを加えただけのモノです。難しい形やイメージを作り出さなくても、このようにシンプルな図形にワンポイントのアクセントを加えるだけで、ユニークなデザインを生み出すことが出来ます。更に【図08】のように【効果>スタイライズ>落書き】などでアクセントを加えてもよいでしょう。ただし、落書き処理は設定がデリケートなので、予め大きめのサイズで処理を行ってから適宜縮小して利用すると効果的です。

・図9

・図10

【図09】左のイメージのような曲線と文字の組み合わせであっても、曲線に対してアートブラシの「水彩」から「水彩画4」などを設定【図10】するだけでもナチュラルなイメージを演出することが出来ます。Illustratorにはオプションメニューから選べるブラシデータやパターンなどが沢山用意されていますので、これらを効果的に使わない手はありません。データ構造の勉強という観点からも、積極的に活用すると良いでしょう。

・図11

・図12、13

・図14、15

【図11】写真を効果的に使うデザインの場合、ソースとなる写真の調整が仕上がりを大きく左右する。例えば【図12】を元にIllustratorでライブトレースを行うと【図13】のようになります。しかし、予め【ぼかし】処理を行った【図14】に対してライブトレースを行うと【図15】のように細部が丸め込まれることにより、ゴム印のようなイメージを演出することが出来ます。このように、イラスト的に処理したい場合にはぼかし処理は欠かせません。

・図16

【図16】左端から、
・任意のイメージに対して【効果>スタイライズ>落書き】を実行することだけでも、ユニークなイメージを演出することが出来ます。フォントに対してもアピアランスで塗りと線を設定後に、塗りの下に線の設定を移動させると綺麗な括り文字を作成することが出来ます
・【効果>パスの変形>ジグザグ】で設定した太さの違う波線同士のブレンドを任意の図形でマスキング。この時マスキングする図形に対して【効果>パスの変形>ランダム・ひねり】等を実行すれば、シンプルな図形でもユニークな形に作り込むことが出来ます
・小塚フォントのように、多くのウェイトを持っているファミリーフォントを使い、ウェイトによるグラデーション処理だけでもイメージは演出できます
・オプションブラシとして用意されている【手書きブラシベクトルパック 03】と【手書きブラシベクトルパック 04】を指定した円を色替えして重ねるといった手法にチャレンジしてみてください。ブラシを設定してから白い矩形で部分的な切り取りを行い、その上に文字を載せれば完成です

・図17

【図17】左端から、
・単純な四角形の塊に対して【効果>パスの変形>ランダム・ひねり】等を実行し、有機的なイメージとした上にフォントを買えた文字を載せてみるだけでもユニークなイメージを作り出すことが出来ます
・デフォルト登録されている【魚形パターン】パターンをアウトラインかしていない文字でマスキング。マスキングの前に【効果>パスの変形>ラフ】等を浅めに実行すると手書き風のイメージを演出することが出来ます
・シンプルな図形に対して【効果>スタイライズ>落書き】等を実行し、その複製を若干ずらして配置することでイメージの微調整を行う事が出来ます
・デフォルト登録されている【魚4】シンボルをそのまま利用してみました。Illustratorにはかなり多くのシンボルデータが用意されているので、それらを使わない手はありません

・図18

【図18】左端から、
・デフォルト登録されている【ひまわり】シンボルをシンプルな矩形でマスキングし、その下に透明度を調整した同じシンボルを配置するだけでインバクトのあるデザインに作り上げることが出来ます
・シンプルなグラデーションを設定した矩形のパースを調整し、描画モードを【乗算】に設定すると重なり部分が同化し、立体感のあるイメージを得ることが出来ます
・グラデーションを利用した疑似3D効果にワンポイント的な動きを与えるという手法も効果的です
・規則正しく配置した同じ図形の一部分のバランスを崩してみると動きが発生し、ユニークなイメージに繋がります

Tシャツのデザインは最終的にA4の用紙で印刷を行うので、A4サイズを効率よく利用するとよいでしょう。裏表を間違えないようにし、余った空白には小さいデザインやワンポイント的なデザインなどを入れて印刷してみてもよいでしょう。

(マイコミジャーナル広告企画)

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