Wordには、「単純な入力ミス」や「文法の誤り」などを見つけてくれる「スペルチェックと文章校正」という機能が用意されている。機械による校正となるため完璧とはいえないが、自分では気付かなかったミスを見つけてくれる場合もあり、意外と重宝する存在となる。この機会に使い方を覚えておくとよいだろう。

スペルチェックと文章校正

文書の作成時に、単純な入力ミスや"てにをは"を間違えてしまうケースもある。こういった間違いを見つけ出すには、自分の目で文章を読み直しながら校正作業を進めていく必要がある。とはいえ、十分に注意しているつもりでも、間違いを見落としてしまう可能性もある。

このような場合に便利に活用できるのが、Wordに用意されている校正機能となる。この機能は「あくまで機械が行う校正」となるため完璧とは言いにくいが、単純な入力ミスなどを発見してくれるケースもあり、「短時間で行える校正機能」としての利用価値は十分にある。まだ利用したことがない方は、この機会に一度試してみるとよいだろう。

Wordの校正機能を利用するときは、「校閲」タブを選択し、「スペルチェックと文章校正」をクリックする。

文章校正の開始

すると文章校正が自動的に開始され、「間違いと判断された箇所」が波線で表示される。また、画面右側には「間違いと判断した理由」も表示される。

文章校正により指摘された間違い

指摘された箇所に間違いがあった場合は、速やかに文章を修正しておこう。続いて、画面右側に表示されている「再開」ボタンをクリックすると、次の「間違い候補」が表示される。

文章の修正と校正の再開

なお、指摘された箇所に間違いが見当たらなかった場合は、「無視」ボタンをクリックして次の「間違い候補」へ進めばよい。

指摘を無視する場合

このような作業を繰り返していくことで、文書全体の校正作業を進めていく。最後まで校正作業が済んだ後に「表記ゆれチェック」という画面が表示される場合もある。これは用語表記の統一性をチェックするものだ。

表記ゆれチェック

この画面が表示された場合は、「修正候補」の中から適切な表記方法を選択して「すべて修正」ボタンをクリックすればよい。すると、該当箇所の表記を「選択した表記」に統一することができる。

表記を統一する操作

以上で校正作業は完了。以下のような画面が表示されるので、「OK」ボタンをクリックして画面を閉じておこう。

文章校正の終了

このようにWordに用意されている校正機能を利用すると、ほんの数分で文書全体を校正することが可能となる。ただし、完璧な校正機能ではないため、間違いがスルーされてしまう場合も多くある。例えば、「世界最速」と記述すべきところを「世界催促」と入力していても、校正機能は何も指摘してくれない。最終的には自分の目で見て確認する必要があるので、あくまで補助的な校正機能として活用するとよいだろう。

間違いを指摘する波線

Wordに文章を入力していくと、以下の図のように赤色や青色の波線が表示される場合もある。これはWordが勝手に文章校正を行ったもので、「入力ミス」と判断された箇所には赤色の波線、「文法の誤り」または「表記の揺れ」と判断された箇所には青色の波線が表示される仕組みになっている。

「入力ミス」や「文法の誤り」などを示す波線

このため、あらためて「スペルチェックと文章校正」を行わなくても、間違いの指摘を確認することが可能である。波線が表示された時点で、文章に間違いがないか確認しておくと、単純な入力ミスなどを減らすことができるだろう。

文章校正の設定

文章校正の機能は、オプションで設定を変更することが可能となっている。ただし、どんなに頑張っても「完璧な校正機能」に仕上げることはできないので、参考程度に設定を確認しておけば十分だろう。

設定画面を開く時は、「ファイル」タブにある「オプション」の項目を選択する。すると「Wordの」オプション」という画面が表示されるので、左側の分類に「文章校正」を選択する。あとは各自の好みに応じて設定を変更するだけだ。

オプション画面の呼び出し

文章校正のオプション設定

「間違いがない箇所にも波線が表示される……」という状態を嫌う方は、この設定画面で「入力時にスペルチェックを行う」や「自動文章校正」の項目をOFFにしておくとよい。これで自動校正機能が無効になり、波線が表示されなくなる。あわせて覚えておくとよいだろう。