今回は、文字を揃えて配置するときに活用できるタブについて紹介してみよう。頻繁に利用する機能ではないが、上手に使えばいろいろな場面に応用できるはずだ。ただし、そのためにはタブの基本をよく理解しておく必要がある。この機会にタブの使い方を復習しておこう。

タブとは

たとえば、以下の図のように文字を配置するにはどうしたらよいだろうか? Wordには、「右揃え」などの配置方法も用意されているが、これは文字単位ではなく段落全体に対して指定する書式となるため以下のような配置には対応できない。文字と文字の間をスペースで埋める方法も考えられるが、これもスマートなやり方とは言い難いであろう。

文書の左右に文字を配置した段落

こういった場合などに活用できるのが「タブ」である。タブとは、キーボードの「Tab」キーを押すと入力できる文字のことで、以降の文字を特定の位置(タブ位置)に揃えて配置する機能となる。試しに、Wordを開いて「文書の編集」と入力したあと「Tab」キーを押し、さらに「ワード」と入力してみるとよい。「文書の編集」と「ワード」の文字が少し離れて配置されているのを確認できるはずだ。

このままの状態ではタブの存在が少々わかりづらいので、タブの記号を画面に表示してみよう。「ホーム」タブにある「編集記号の表示/非表示」をクリックすると、タブを入力した位置に「右矢印」の記号が表示される。これがタブの入力を示す記号となる。

「編集記号の表示/非表示」をクリックすると、入力したタブの記号を画面上で確認できるようになる

Wordでは、4文字目、8文字目、12文字目、16文字目、…といった具合に4文字間隔でタブ位置が設定されている。ここでの「1字」は「標準の文字サイズ」(字送り)を指している。「1字」の初期設定は10.5ptなので、最初は42pt間隔でタブ位置が設定されていることになる。この位置を先頭に文字が配置されていくのがタブの基本となる。

タブを使った文字配置の例

タブ位置の設定

先ほど「タブ位置は42pt間隔で設定されている」と説明したが、この位置を自由に変更することも可能だ。むしろ、タブ位置を自分で指定するのが一般的な使い方といえる。

タブ位置は段落書式の一種となるため、段落ごとにタブ位置を指定することになる。複数行にわたって文字を揃えて配置するときは、以下のように操作してタブ位置を指定すればよい。

まず、タブ位置を指定する段落をまとめて選択し、「ホーム」タブで「段落」のダイアログボックス起動ツールをクリックする。「段落」ダイアログが表示されたら「タブ設定」ボタンクリックしよう。

画像左のキャプションはここ

続いて「タブ設定」ボタンをクリックする

すると、タブ位置を指定するためのダイアログが表示される。ここでは、新たに指定するタブ位置を数値で入力し、「設定」ボタンをクリックすればよい。単位を省略して数値を入力した場合は、「標準の文字サイズ」を基準に「○字」としてタブ位置が設定される。このとき「5mm」のように単位付きの数値でタブ位置を指定しても構わない。この場合は、「5mm」→「1.35字」のように単位を「○字」に変換した数値がタブ位置として設定される。同様の操作を繰り返すことで、複数のタブ位置を指定することも可能だ。

タブ位置の設定

以下の図は、左側に2字のインデントを指定し、「6字」と「11字」のタブ位置を指定した場合の例である。このように自分でタブ位置を指定することにより、適当な間隔で文字を揃えて配置できるようになる。『表を作成するほどではないが文字を揃えて配置したい』といった場合に活用するとよいだろう。

タブ位置を自分で指定した場合の配置

タブ位置の種類

これまでは「左揃え」のタブ位置について紹介してきたが、このほかにも「中央揃え」や「右揃え」「小数点揃え」といった配置方法が用意されている。

これらのタブ位置を指定するときは、先に配置方法を選択してからタブ位置を数値で入力し、「設定」ボタンをクリックすればよい。また、すでに設定されているタブ位置を選択して配置方法を変更することも可能である。

タブ位置の種類の指定

以下に、それぞれのタブ位置における文字の配置方法を紹介しておくので参考にするとよいだろう。なお「縦線」のタブ位置は、文字を揃えるタブ位置ではなく、指定した位置に縦線を描画する機能となる。

タブ位置と文字配置の例

先ほどの例で「右揃え」のタブ位置を利用して数値(金額)を揃えると以下の図のようになる。このように、数値を揃えて配置する場合は「右揃え」のタブ位置を指定すると見やすいレイアウトで文字を配置できる。

「右揃え」のタブ位置を利用した例

ちなみに、ルーラーに表示されているマークを左右にドラッグしてタブ位置を調整することも可能だ。この連載の冒頭に示した例の場合、適当な位置に「右揃え」のタブ位置を指定したあと、そのマークを右端へドラッグすると、ページの左右に文字を配置するレイアウトを実現できる。

ルーラーを使ったタブ位置の移動

リーダーの追加

タブには、リーダーを追加する機能も用意されている。リーダーとは、タブにより生じた空白部分に点線を描画する機能で、以下の図のようなレイアウトを作成する場合などに活用できる。

リーダーを追加したタブ位置

この例では、「18字」の位置に「右揃え」「リーダー(5)」のタブ位置を指定している。リーダーを含むタブ位置を指定するときは、「配置」や「リーダー」を選択してからタブ位置を入力し、「設定」ボタンをクリックすればよい。

タブ位置の指定(リーダー)

たまに飲食店などで「…」の文字を使って品名と金額をつなげているメニューを見かけることもあるが、このような方法は決してスマートな文書の作成手順とはいえないし、必ずしも文字の位置を揃えて配置できるとは限らない。いろいろなレイアウトに対応できるようにタブの使い方を研究しておくとよいだろう。後々、きっと役に立つはずだ。

ルーラーの表示

Wordの画面にルーラー(定規)が表示されていない場合は、「表示」タブで「ルーラー」のチェックをONにすると、ルーラーを表示することができる。こちらも合わせて覚えておこう。

ルーラーの表示/非表示