文字や段落を選択するときは、その範囲をマウスでドラッグするのが一般的な操作方法となるが、このほかにもWordには様々な選択方法が用意されている。今回は、Wordで文字や段落を選択するときのテクニックを紹介しておこう。

ダブルクリック&トリプルクリックの活用

フォントや文字サイズなど、Wordに用意されている様々な書式を指定するときは、あらかじめ対象となる文字(または段落)を選択しておく必要がある。このため、文字や段落の選択は頻繁に行われる操作となる。この操作を効率化できれば、それだけ文書作成をスムーズに進められるはずだ。そこで状況に合わせた文字(段落)の選択方法を覚えておくとよい。

まず覚えておきたいのが「ダブルクリック」による文字選択だ。この操作手順は、選択したい単語の上をダブルクリックするだけ。すると、その箇所にある単語が自動判別され、選択範囲として指定することができる。

ダブルクリックによる文字選択

かな/漢字が混在した語句も正確に自動判別される場合が多い

また、文章の上を「トリプルクリック」して段落全体を選択することも可能だ。トリプルクリックの操作は、マウスの左ボタンをカチ・カチ・カチと素早く3回クリックすると実行できる。

トリプルクリックによる段落の選択

この選択方法は、段落全体のフォントを変更する場合や、段落罫線を指定する場合などに活用できる。マウスをドラッグして選択する方法より手軽であるし、「末尾にある段落記号の選択し忘れ」などを未然に防ぐこともできる。トリプルクリックは一般的に馴染みのない操作方法であるが、特に難しい操作ではないし、色々な場面で便利に活用できるのでぜひ覚えておくとよいだろう。

キーボードを使った文字選択

すでに知っている方も多いと思うが、文字の選択をキーボードで行うことも可能である。この場合は、「Shift」キーを押しながら「矢印」キーを押す、という操作を行う。たとえば、以下の左図の状態から「Shift」+「→」キーを3回押すと、右図のような範囲を選択できる。

この状態で「Shift」+「→」キーを3回押すと…、

カーソルの右側にある3文字を選択できる

また、「Ctrl」+「Shift」+「→」キーで文字を選択していくことも可能だ。この場合は、「→」キーを押す度に単語単位で選択範囲が拡張されていく。

この状態で「Ctrl」+「Shift」+「→」キーを6回押すと…、

このような範囲を選択できる

そのほか、段落の先頭にカーソルを移動し、「Ctrl」+「Shift」+「↓」キーで選択範囲を指定していく方法も用意されている。この場合は、「↓」キーを押す度に1段落ずつ選択範囲が拡張されていく。複数のページにまたがる長い文章を選択する場合などに活用するとよいだろう。

「Ctrl」+「Shift」+「↓」キーを5回押して選択した選択範囲

いずれの操作もマウスのドラッグで代用できるが、画面スクロールを伴うと思い通りの範囲を選択するのに少しだけ手間取る場合もある。キーボードによる選択方法も覚えておくと、色々な場面で応用が効くだろう。

離れた位置にある文字を選択

最後に、離れて位置にある文字を同時に選択する方法を紹介しておこう。この操作は、

(1)最初の選択範囲を選択する
(2)「Ctrl」キーを押しながらマウスをドラッグして選択範囲を追加していく

という手順になる。この選択方法を使うと、以下の図のように離れた位置にある文字を同時に選択することが可能となる。

離れた位置にある文字の同時選択

もちろん、この状態でも問題なく書式指定を行える。離れた位置にある文字に同じ書式指定を行う場合などは、この方法で文字を選択してから書式を指定するとよい。同じ書式指定を何回も繰り返す手間が省けるため、効率よく編集作業を進められるようになる。

同時選択された文字に「太字」と「赤色」の書式を指定した場合

今回紹介したテクニックはいずれも必須のものではないが、知っている場合と知らない場合とで作業効率に大きな差が出るケースもある。難しい話ではないので、5~10分ほどの空き時間が出来たときに試してみるとよいだろう。