先週に引き続き、今週も文字や段落の書式を活用した応用例を紹介する。今回は、画像を利用して文章や見出しを作成する方法を紹介してみよう。これまでに紹介した書式の機能を十分に理解していれば、その仕組みを容易に把握できるはずだ。

文章に画像を埋め込む

Wordでは、文章の中に画像を埋め込むことも可能となっている。操作手順を説明するマニュアルを作成する場合などに重宝するテクニックとして覚えておくとよいだろう。

まず、画像を挿入する位置にカーソルを移動する。続いて、「挿入」タブの「図」をクリックして文書に画像を挿入する。

画像の挿入

すると、以下の図のような感じで画像が挿入される。第1回目の連載でも解説したように、画像は「行内」の配置形式で挿入されるように初期設定されている。つまり、画像を「1つの大きな文字」として扱える訳だ。画像の四隅にあるハンドルをドラッグして画像のサイズを小さくしていくと…、

画像のサイズ調整

以下の図のような配置になる。現時点では、画像のある行の行間が大きくなってしまっているが、とりあえずこれは無視して、文字と画像の上下位置を整列させよう。文字の上下位置を変更する書式で画像の位置を調整することも可能であるが、「文字の配置」を利用した方が簡単だ。「段落」のダイアログボックス起動ツールをクリックして「段落」ダイアログを開く(詳しくは第11回の連載を参照)。

「段落」ダイアログを開く

「段落」ダイアログの「体裁」タブを選択し、「文字の配置」に「中央揃え」を指定すると…、

「文字の配置」の指定

文字の上下中央に画像が配置される。この時点で、行間が大きくなってしまう現象を解消できる場合も多い。それでも行間が大きい状態のままの場合は、「1行」の高さに収まるように画像をもう少し小さくする必要がある。

文章中に埋め込まれた画像

以上で、文章の中に画像を埋め込む作業は完了となる。

ただし、文字と画像の間隔が狭すぎることを気にする方もいるだろう。このような場合は、画像の前後に半角スペースを挿入するとよい。とはいえ、これだけでは文字と画像の間隔が大きくなりすぎてしまう。そこで、挿入した半角スペースを選択して「フォント」ダイアログで文字(半角スペース)の幅を小さくすると、間隔を自由自在に調整できる(詳しくは第10回の連載を参照)。あまりスマートな方法ではないが、1つの解決法として覚えておくとよいだろう。

文字と画像の間隔調整

なお、今回の例では「正方形の画像」を文章中に埋め込んだが、これは必ずしも正方形である必要はない。同様の手順で「横長の画像」を文章中に埋め込むことも可能である。

画像を利用した見出しデザイン

次は、画像をワンポイントとした見出しを作成する方法を紹介しよう。今回は利便性を考えて「箇条書き」の書式を利用する。

まずは、見出しの文字を入力してフォントや文字サイズなどを指定する。続いて「箇条書き」の▼をクリックし、「新しい行頭文字の定義」を選択する。今回は行頭文字に画像を使用するので「図」ボタンをクリックしよう。

「箇条書き」から「新しい行頭文字」を選択

行頭文字に「図」を使用

ここでは、『Office.com』に用意されている画像(クリップアート)を行頭文字として利用する。この場合は、適当なキーワードを入力して「検索」ボタンをクリックすればよい。適当な画像が見つかったら、それを選択して「OK」ボタンをクリックする。なお、自分で用意した画像を使用する場合は、この画面で「インポート」ボタンをクリックして画像ファイルを指定すればよい。

図の検索

これで「行頭文字が画像の箇条書き」を指定できた。行頭文字に指定した画像のサイズは、画像をクリックして選択し、「フォント サイズ」の書式を変更すると調整できる。

画像(行頭文字)のサイズ調整

続いて、画像と文字が上下中央に配置されるように「文字の配置」を変更しよう。「段落」ダイアログの「体裁」タブを開き、「文字の配置」に「中央揃え」を選択する。

「文字の配置」の指定

今回の例では、さらに「下罫線」の段落罫線を指定した。ここまでの作業が済むと、見出しのデザインは以下の図のようになる。

段落罫線の指定

段落罫線を指定した見出し

最後に、「段落」ダイアログで微調整を行う。画像と文字の配置は「ぶら下げ」の「幅」を変更すると調整できる(詳しくは第5~6回の連載を参照)。また、見出しと本文の間隔は「段落後」の書式で調整できる。全体のバランスを整えるために「行間」も調整しておくとよいだろう。

ぶら下げ、段落後、行間の調整

このような作業を行うと、以下の図のような見出しを作成できる。「行頭文字にする画像」や「段落罫線の種類」などを変更すれば、様々なデザインの見出しを作成できるはずだ。

完成した見出し

作成した「見出しの段落」をスタイルに登録しておけば、同様の書式設定を何回も繰り返さなくても、同じデザインの書式を手軽に指定できるようになる。ということで、来週からは複雑な書式設定を行うときに欠かせない「スタイル」について紹介していこう。