今回からは、Power Automateを使って自分でフローを組み上げる方法を説明する。最初はアプリケーションを起動する方法だ。基本となる操作の1つだが、Windowsシステムに詳しくないとつまずくところでもある。アプリケーションパスの調べ方なども含めて説明するので、ぜひお試しいただきたい。

アプリケーションの起動をシンプルにする

前回作成したフロー「スクリーン 通常モード」を確認する。

  • 前回作成したフロー「スクリーン 通常モード」

    前回作成したフロー「スクリーン 通常モード」

ステップ1からステップ4までは次のようになっている。

  1. コメント「レコーダーを使用した自動生成アクションの開始」
  2. 「Start Button」を押す
  3. 「すべてのアプリ」を押す
  4. 「設定」をクリックする

ステップ1はコメントなので動作としての意味はない。後で誰がフローを見ても、何のためのフローなのかがわかるようにコメントが書いてあるだけだ。

実際にはステップ2からステップ4までが処理になっている。この部分はスタートボタンからアプリケーション一覧を表示させ、そこから設定アプリケーションをクリックして起動するという手順だ。

ここで、「アプリケーションを起動するために、都度スタートメニューから始める必要があるのか」という疑問を抱くかもしれない。人が操作するならわかるが、自動化するのであれば「特定のアプリケーションを起動する」というドンピシャな処理が用意されていれば……と思う方もいるはずだ。

実は、Power Automateにはそうしたアクションもちゃんと用意されている。次のスクリーンショットのように、左のアクション一覧から「システム」を開くと、そこに「アプリケーションの実行」というアクションがあることを確認できる。

  • アクション「システム」→「アプリケーションの実行」

    アクション「システム」→「アプリケーションの実行」

レコーダーを使わない場合、このように左のアクション一覧から欲しいアクションを探してきて「Main」に追加するという手順を繰り返して自動化を組み上げていく。

アプリが起動する自動化フローを作る

今回は「アプリケーションの実行」を行うだけの自動化を設定してみよう。まず、「アプリを実行する」というフローを新規作成する。

  • 「アプリを実行する」というフローを新規作成

    「アプリを実行する」というフローを新規作成

  • 新規作成された「アプリを実行する」フロー

    新規作成された「アプリを実行する」フロー

左のアクションから「システム」を開き、「アプリケーションの実行」を表示する。

  • アクション「システム」→「アプリケーションの実行」

    アクション「システム」→「アプリケーションの実行」

「アプリケーションの実行」をダブルクリックするか、Mainの領域へドラッグ&ドロップすると「アプリケーションの実行」を追加することができる。この操作を行うと、次のようなダイアログが表示される。

  • 「アプリケーションの実行」ダイアログ

    「アプリケーションの実行」ダイアログ

今回の課題はここだ。表示されるダイアログに「アプリケーションパス」という項目がある。ここにアプリケーションを起動する実行プログラムのパスを入力する必要がある。Windowsに詳しいユーザーならば問題ないが、そうでない場合、アプリケーションパスと言われてピンとこなくても不思議はない。

アプリケーションパスを調べる方法 - タスクマネージャを使う

アプリケーションパスを調べる方法はいくつかあるが、まず基本的な方法としてタスクマネージャを使った方法を覚えよう。

タスクマネージャはスタートメニューの検索フィールドに「タスクマネージャ」と入力して候補を表示させるか、タスクバーで右クリックしてメニューから「タスクマネージャ」をクリックするか、ショートカットキー「ESC」+「Shift」+「Ctrl」を押すなどして起動する。

  • タスクマネージャ

    タスクマネージャ

ここでパスを調べたいアプリケーションを起動する。今回は「メモ帳」を起動した。すると、次のようにタスクマネージャに「メモ帳」が表示される。

  • タスクマネージャに「メモ帳」が表示されるようになった

    タスクマネージャに「メモ帳」が表示されるようになった

表示されたメモ帳を展開して、メインのプログラムと思われるプロセスの上で右クリックを行いメニューを表示させ、メニューから「プロパティ」をクリックする。

  • メモ帳の上で右クリック→メニューから「プロパティ」をクリック

    メモ帳の上で右クリック→メニューから「プロパティ」をクリック

次のようなプロパティダイアログが表示される。ここに選択したプロセスの実際のファイルのパスが記載されている。

  • メモ帳のプロパティ

    メモ帳のプロパティ

プロパティの「全般」では、「説明」に記載されているのが実行ファイルの名前で、「場所」に記載されているのがファイルの置いてあるフォルダのパスだ。この2つを組み合わせることでアプリケーションのパスとなる。

アプリを起動する作業を自動化する

では先ほどの続きだ。「アプリケーションの実行」ダイアログの「アプリケーションパス」で、ファイルを示すアイコンをクリックする。

  • 「アプリケーションの実行」→「アプリケーションパス」→アイコンクリック

    「アプリケーションの実行」→「アプリケーションパス」→アイコンクリック

すると次のようにファイルを選択する画面が起動する。ここで先ほど調べたパスのファイルを選択する。

  • アプリケーションファイルを選択する

    アプリケーションファイルを選択する

ここで1つポイントがある。例えば先ほどのようなパスは「PC」から順次辿って選択できないケースがほとんどだと思う。

ではどのように選択するかというと、ファイル選択画面のパスを入力するフィールドに、先ほどのプロパティで表示されていた「場所」のパスを直接貼り付ける。こうすると、次のようにフォルダを開いて、そこにあるファイルの一覧が表示される。

  • アプリケーションファイルを選択するつづき - ファイルを選択して「開く」を押す

    アプリケーションファイルを選択するつづき - ファイルを選択して「開く」を押す

ファイルは「Notepad.exe」なので、ここで該当するファイルを選んで「開く」ボタンをクリックすればよい。

すると「アプリケーションの実行」ダイアログの「アプリケーションパス」に次のようにパスが入力された状態になる。

  • 「アプリケーションの実行」ダイアログの「アプリケーションパス」にパスが入った状態

    「アプリケーションの実行」ダイアログの「アプリケーションパス」にパスが入った状態

ここで「保存」ボタンを押すと、Mainフローは次のようになる。

  • 「アプリケーションの実行」が追加されたMainフロー

    「アプリケーションの実行」が追加されたMainフロー

では「▷」ボタンを押して作成した自動処理を実行してみよう。次のようにメモ帳が起動すれば成功だ。

  • 作成したフローによって起動されたメモ帳

    作成したフローによって起動されたメモ帳

WindowsやLinuxなどで多少のプログラミング経験があれば特に苦労しない操作だと思うが、そうでない場合は知らない操作も多かったのではないかと思う。ローコードによるプログラミングは簡単だが、ある程度の知識が必要になるので、こうした操作を通じてWindowsにも詳しくなっていただきたい。

ワンステップずつ進めていく

今回紹介した方法で多くのアプリケーションを自動的に起動することができるようになる。ただし、Windowsに最初からインストールされているアプリケーションの中にはこの方法では起動できないものもある。前回までに作成した自動化では「設定アプリケーション」を操作しているわけだが、設定アプリケーションなどはまさにその対象だ。今回の方法では起動することができない。

ということで、設定アプリケーションを起動する場合は少し工夫が必要になる。次回はこうした方法について説明する。