欧米を中心に広がり、昨今国内でも認知度が高まりつつある「FinOps」について、その基本から本連載では解説していきます。今回は、FinOpsフレームワークの要素の1つ、ペルソナ(Personas)についてです。「はじめてのFinOps」の過去回はこちらを参照。

FinOpsフレームワークの要素の1つ、「ペルソナ」とは

連載第1回で紹介した通り、FinOpsフレームワークは幾つかの要素から構成され、最初に登場するのが「ペルソナ」(Personas)です。

ペルソナとは日本語では「人格」や「人物像」とも呼ばれ、例えばマーケティングの分野では、架空のユーザ像を想定してイメージを統一するときなどに、「ペルソナを設定する」といったように言われます。

同様に、FinOpsフレームワークにおけるペルソナとは、どのような立場・役割の人たちが、どのような興味・関心を持ってFinOpsに関わるのかを整理したものです。

FinOpsの実践は、その企業団体におけるFinOps専門家やFinOpsチームだけで完結するものでもなく、また技術的なテクニックだけでもありません。コストという観点からクラウドのビジネス価値の最大化を目指して、興味・関心の異なるさまざまな利害関係者と連携して組織文化を変革し、業務プロセスの見直しを働きかけていくような動き方が必要になるのです。その点が、FinOpsの定義にある“cultural practice”(組織文化的な実践)という言葉にあらわれています。

そのため、FinOpsに関連するいわば利害関係者のペルソナを整理しておき、その興味・関心に応じた動き方を考えることが、FinOpsの実践で大切になるのです。では、FinOpsのペルソナとは具体的にどのようなものでしょうか。FinOpsフレームワークにおける定義を簡単に見ていきましょう。

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