5Gでそのポテンシャルが期待されながらも、有効活用が進んでいないミリ波。その普及に向けて欠かせないのはスマートフォンなどの端末だが、日本ではなかなかその数が増えていません。
iPhoneをはじめミリ波に対応した多くの端末が投入されている米国との違いはどこにあるのでしょうか。→過去の次世代移動通信システム「5G」とはの回はこちらを参照。
ミリ波対応モデルは軒並み高額、普及がまったく進まない現状
帯域幅が非常に広く、従来以上の高速大容量通信が可能になるとして、5Gで割り当てがなされるようになったミリ波帯。
日本でも携帯4社、そしてローカル5G向けに28GHz帯の割り当てがなされ、その有効活用が期待されたのですが、周波数が高く遠くに障害物に非常に弱く、遠くに飛びにくいという特性から広いエリアをカバーできないという決定的な弱点があり、5Gのサービス開始から3年以上が経過してもなお、まったく活用されていない状況にあります。
ミリ波の有効活用は携帯電話会社だけでなく、ミリ波を割り当てる側の政府にとっても非常に大きな課題となっています。
そこで、ミリ波での導入が検討されている周波数オークションを含め、ミリ波の有効活用に向けた議論の場として2023年に総務省で「5Gビジネスデザインワーキンググループ」が立ち上げられたというのは第89回で触れた通りです。