今回のテーマは「ToDo/タスク管理」
仕事や普段の生活は数多くのタスクから成り立っている。自分で作るタスクもあるだろうし、人から依頼されるタスクもある。一つひとつのタスクを順番にこなしていけば、やがて大きなひとつの仕事が完了する。逆に言えば大きな仕事も、細かなタスクに分割すれば作業しやすくなるのだ。
仕事ではタスク管理とはよく言われているが、プライベートではなかなか導入しづらい。会社独自のシステム(グループウェアなど)に登録していると普段の生活と切り離されてしまうが、Webアプリケーションやオープンソース・ソフトウェア(OSS)を使えばビジネス、プライベートを問わず、行なうべき作業が一元管理できるようになる。
何年も前からタスク管理については数多くのWebアプリケーション、ソフトウェアが存在する。が、いまだに新しいプレーヤが新しい考えで乗り込んできている分野でもある。後発のものはより現代的で便利な機能を備えている、ぜひチェックしてみてほしい。
今回紹介するOSS・Webアプリ
『Gmail Tasks』 モバイルアクセスOKのGmailタスク管理
『patio』 タスクを明日に"Shift"する
『Milpon』 iPhone向けRTMクライアント
『Cloudpad』 どんどん入力するメモ+ToDo管理
モバイルアクセスOKのGmailタスク管理
名称 | Gmail Tasks |
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URL | https://gmail.com/tasks/ |
2008年12月にGmailに新機能『Gmail Tasks』が追加された。この機能を使うとGmail上でタスクの管理ができるようになる。メールを選択してAdd to Tasksを選べば、メールと関連づいたタスクを作成することもできる。職場ではメールベースで作業を依頼するケースは多い。そのような場合に便利に使えるようになる。
そして最近ではモバイル機器向けに専用のURLが提供されるようになった。このURLを使うとiPhone/ Android/ Windows Mobileなどからアクセスできるようになる。最適化されたインタフェースでタスク部分だけを見られる。メールと関連づけることはできないが、タスクリストやタスクの追加、編集ができる。
普段はPCからタスクを操作し、外出先でちょっと確認したいといった場合に便利だろう。Webブラウザ経由とあってオフラインでは使えないのが残念ではあるが、手軽に使えるToDo管理だ。
タスクを明日に"Shift"する
名称 | patio |
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URL | http://pat.io/ |
『patio』はごくシンプルなToDo管理だ。一般的にタスクを登録したら、あとは消化していくのみなのだが、すべてのタスクを同じ日にこなせるわけではない。明日以降に対応するものや、今後やりたいこともタスクに登録していくだろう。だが期限がないものはそのまま放置され、忘れ去られてしまう。
patioではそのような"忘れる"ということがない。Shiftという機能を使ってタスクを「明日」に移動させることができるのだ。今日のすべき作業からは消えるが、それでも明日にはまた上がってくる。何度もそれを繰り返してもよいが、それでは面倒だ。面倒に感じる前に終わらせてしまえばよいのだ。
こなしたタスクはグラフ化され、作業量が一目で分かるようになっている。今日できないことは明日に移動(Shift)する、そんなシンプルさが気持ちいいサービスだ。
iPhone向けRTMクライアント
名称 | Milpon |
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URL | http://h.deadbeaf.org/trac/milpon |
WebベースのToDo管理として有名な「Remember the Milk」(RTM)。いまだに根強い人気を誇り、便利に使っている人も多いだろう。そんなRTMにはiPhone向けネイティブアプリケーションが公式に提供されているが、有料サービスに加入していないと使えないというものになっている。
RTMは便利だけれど、有料サービスに加入するほどには使っていない……そう感じている人は『Milpon』を使ってみよう。MilponはオープンソースのRTMクライアントだ。App Storeからもダウンロードできる。タスクの登録、編集などはもちろん色づけなども行える。
タスクを完了したらチェックを付けるだけでよい。データはローカルにコピーして操作し、バッチでアップデートする。そのためオフラインであっても使えるのが利点だ。RTMでタスクを管理している人で、iPhone/ iPod Touchをお使いの方はぜひ。
どんどん入力するメモ+ToDo管理
名称 | CloudPad |
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URL | http://cloudpad.sourceforge.net/ |
最近のタスク管理の特徴はとにかく思考のジャマをしないことに重点が置かれている。入力時に余計な項目は表示もしない。詳細を設定したければ、登録後に加えればよい。タグや期限、プライオリティなども、表示されているだけで余にな目移りをしてしまい、思考をジャマする代物だ。
『CloudPad』にはタイトル、内容、タグしか入力項目がない。そしてタスク管理したい場合はプライオリティを設定すればよい。タグや内容は必要なときのみ設定すればよいだけだ。メモとして使いつつ、メモの中でもタスクにしたいものはプライオリティを付けるというのが基本的な使い方である。
とにかくどんどん入力し、どんどん忘れてしまうことだ。そうすることで頭の中は空っぽになり、思考するスペースが生まれる。タスクを消化中に別のタスクが気になってしまう――そんな経験がある方はぜひお試しいただきたい。
いかがでしたか?
ToDo管理はGTDの流行もあって、様々な趣向をこらしたWebアプリケーション、ソフトウェアが登場している。重要なのはひとつのものを信じて、それを徹底的に使い込むことにあると思う。そのためにもまずは自分にあったものを選択するのが重要だ。Webアプリケーションの場合は手軽に使い始められるし、ローカルアプリケーションであればデータを自分の手元にコントロール可能な状態で置いておける。どちらを選ぶかは個人の好きずきだろう。
利用するものを決めたら、あとはどんどん入力していくことだ。そして入力が終わったら定期的にレビューし、方向修正していけばよい。今回紹介したWebアプリケーション、オープンソース・ソフトウェアの中に手に馴染みそうなものがあれば幸いだ。
著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)
1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。