今回のテーマは「新生活」

さて、4月を迎え、新しい生活に突入した、またはこれから突入するという人は多いのではないだろうか。学校を卒業した方の中には、新入社員としてこれまでとは全く異なる環境に身を置くことになる方も多いはず。また、生活の変化はプライベートでも引っ越しなどで感じられるものだ。

新生活を順当に送るには、日々注意することがたくさんある。新しい生活スタイルに慣れるだけでも大変なのに、新しく覚えること、やらなければならないことも山積みだ。そんなことを考えるとせっかくの楽しい気分が萎えてしまう。そこで試したいのが新しい生活を支えるであろうWebアプリケーションやオープンソース・ソフトウェアだ。

新しいものを知るのは気分転換にもなるし、それが新しい生活を支えてくれるかもしれない。もちろんこれまでと特に生活スタイルが変化しない方であっても、新年度を機に新しい取り組みを始めたいと思っている方にもピッタリのはずだ。

今回紹介するOSS・Webアプリ
Floorplanner.com』 引っ越し先の配置プランニングに便利
Markadee』 目標に向かって日々の努力を記録しよう
Flash Floor Plan』 オープンソースで家具配置
Brain Workshop』 未知の問題に対する"流動性知能"を鍛えよう



引っ越し先の配置プランニングに便利

名称 Floorplanner.com
URL http://www.floorplanner.com/

Floorplanner.com』はその名のとおり、フロアのプランニングを行うWebアプリケーションだ。一部は日本語化されており、部屋のサイズもメートルで指定できる。引っ越し先では新しい家具を買ったり、今までとは違う配置で部屋を飾ったりしたいだろう。それを補助してくれるわけだ。

部屋の設計を行っているところ。家具のオブジェクトは多数登録されている

Floorplanner.com はFlashで作られており、上から見下ろした2D表示と3Dにモデリングした表示とが利用できる。2Dでは何となくイメージしづらい配置も、3D表示なら分かりやすくなる。新しい間取りに合わせてドアや窓を配置し、壁を作り、そして家具やカーペットを配置してみよう。どんどん夢が広がっていくはずだ。

3D表示。ぐっと分かりやすくなってきた

引っ越し時にはじめから全ての家具が揃っているということはまずないだろう。引っ越した先で徐々に揃えていくはずだ。その際に買って失敗しないためにもプランニングが欠かせない。Floorplanner.comはそんな夢を広げつつ、失敗を防いでくれる便利なWebアプリケーションだ。




目標に向かって日々の努力を記録しよう

名称 Markadee
URL http://markadee.com/

目標管理というとToDoアプリケーションを思いつく。が、ToDo管理は決められたタスクをこなしていくもので、その先に成長を感じられるかは人によって異なるだろう。だが、たとえば半年後の資格試験に向かって勉強する、来月のコンテストに向かって努力する、といった目標の場合、タスクとしてこなすのは難しく、管理しづらい。

そうした長期になりそうな目標を管理するのが『Markadee』だ。シンプルなカレンダーアプリケーションで、ひとつの目標を作るごとにカレンダーをひとつ使う。そして目標に向かって何かを実行したら、当日に「×」印をつける。そして実行内容を記述する。

日々行ったらチェック、行ったらチェックを繰り返していく

これを繰り返していくことで、日々の努力を記録していくことができる。他のユーザの目標管理を見たり、コメントしたりできる点も面白い。ダイエットする、本を読む、または何かを書く、スポーツでの記録に挑戦するなど多彩な利用法が考えられる。

日々のタスクをこなしていくだけでは本当に自分が成長しているかは分からないことがある。自分が成長したと感じられる何かを得たい方はMarkadeeを使ってみよう。

同じような目標を掲げているユーザもたくさんいる




オープンソースで家具配置

名称 Flash Floor Plan
URL http://flashfloorplan.com/

Flash Floor Plan』は、前述のFloorplanner.comをもっと簡素にしたようなオープンソース・ソフトウェアだ。Flashオブジェクトをベースにした部屋の枠組みと、その上に同じくFlashオブジェクトで作られた家具を配置していく。配置はドラッグ&ドロップでできる。

Flashを使って部屋のプランニングを行なう

家具は配置後、回転させることが可能なほか、部屋をズームイン・アウトも操作できる。有料ソフトウェアのオープンソース版とあって、機能は限定的になっているが、家具のオブジェクトを増やせば決して使えない代物ではないだろう。

配置したオブジェクトは回転、移動ができる

このようなオブジェクトを配置していくような仕組みは家具に限らず利用範囲が多そうだ。覚えておくときっと役に立つだろう。




未知の問題に対する"流動性知能"を鍛えよう

名称 Brain Workshop
URL http://brainworkshop.sourceforge.net/

流動性知能という言葉がある。これはこれまでに出会ったことのない問題にいかに上手く対処する能力のことを言う。新生活を送る中では、日々新しいことが起こっていくはずだ。その中でいかに効率的に対処していくかが問われており、間違っても功を焦ったり、すべてを投げ出したりしてはいけない。

元々この流動性知能は遺伝的な要素によると考えられてきたが、研究によってトレーニングできるものと分かってきた。それに役立つのが『Brain Workshop』だ。一種のゲームのようにして、流動性知能を鍛えることができる。

ゲームのように流動性知能を鍛えられる

ルールは単純で、最初に3×3のマス目のどこかが青く光り、同時にアルファベットがひとつ読み上げられる。次に再度どこかのマス目が青く光り、アルファベットがひとつ読み上げられる。このとき、青く光ったマス目が同じであればAキーを、アルファベットが同じであればLキーを押す。両方同じならAとLキーを両方押す。これを一日25分程度行なうと向上するらしい。

試しているところ。Python製でWindows/ Mac OSX/ Linuxで動作する

さらにレベルを上げると2つ前の状態を覚えておき、キーを押すというものもある。これはなかなか難しいだろうが、問題にうまく対処していく能力を向上させるためならやってみる価値はありそうだ。年度がかわると人事異動など配置換えも行なわれる。そのような状況の変化の中でいかに能力を発揮するか、Brain Workshopを使って対処能力を鍛えておくか否かに答えがあるかもしれない。

いかがでしたか?

今回紹介したものは、新生活を迎える方々はもちろん、そうではない方にもきっと役に立つWebアプリケーション、オープンソース・ソフトウェアではなかっただろうか。4月になってもいつもと変わらない、と思う方はぜひ使って生活スタイルから変えてみてほしい。

環境が変わると、成功もあるだろうが失敗する場合もある。また、新たに覚えることが多過ぎて混乱してしまう人もいるだろう。そのような状況の中にあっても、何か役立つものを知っておけばきっと支えになってくれるはずだ。では皆さんの活躍を期待する。

著者プロフィール:MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)

1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。