クラウドサービスが普及した昨今であっても、未だにメールで大きなファイルを送信すると相手が受け取れない場合があって困ります。また、連絡手段として Twitterが普及していることもあり、Twitter上で簡単にファイルを共有したいというニーズも増えてきているように感じます。そこで今回は、そのようなシーンで手軽に使える無料のファイル共有サービスを3つ紹介します。
Ge.tt
「Ge.tt」は実にシンプルなファイル共有サービスです。
使い方
Ge.ttの利用には、アカウントの登録は不要です。
Ge.ttのトップページで「Select files」をクリックし、共有したいファイルを選択すると自動的にファイルのアップロードが行われ、ダウンロード用のユニークな短いURLが生成されます。このダウンロード用URLは自分以外には公開されません。
あとはこのURLを、ファイルを共有したい相手に伝えるだけです。
Ge.ttの便利なところは、ダウンロード用のURL1つにつきファイルを複数バンドルできる点です。ファイルを後から追加することも可能なので、うっかりアップロードし忘れたファイルがあっても慌てる必要はありません。
注意点
「アカウント登録は必要ない」と書きましたが、アカウント登録をすることもできます。
通常、Ge.ttにアップロードしたファイルは30日間で削除されますが、アカウント登録をすることでファイルの有効期限を3ヵ月に延長することができます。また、リアルタイム統計情報を確認することも可能になります。
アカウント登録(ログイン)していない状態で一度ブラウザを閉じてしまうと、アップロードしたファイルの管理ができなくなります。ですから、Ge.ttをきちんと利用したいのであれば、アカウント登録を行っておくことをおすすめします。
なお、アップロード可能な推奨ファイルサイズは2GBまでとされています。
iSendr
「iSendr」は一般的なファイル共有サービスとはちょっと違った特徴をもったサービスです。
iSendrの特徴は、ブラウザ同士のPeer to Peer(P2P)通信でファイルを転送する点です。iSendrのサーバにファイルをアップロードする必要がありませんし、ファイル転送の際にもデータそのものはiSendrのサーバを経由しません。
使い方
使い方は他のサービスとほぼ同様です。転送したいファイルを選択すると転送用のURLが生成されるので、これを相手に伝えるだけです。ダウンロード用ページにはパスワードを設定することも可能です。
iSendrのファイル共有タイプには「Share Files」と「Send Files」の2種類があります。「Share Files」は複数人とファイルを共有したい場合に使います。「Send Files」は特定の1人とファイルを共有したい場合に使います。後者の「Send Files」を選んだ場合、転送用のURLは一度クリックされると無効になります。
注意点
iSendrでファイルを転送するには、ファイル転送の準備をした転送元のブラウザをそのまま起動しておく必要があります。一度画面を閉じてしまうと通信できなくなってしまうので注意が必要です。
iSendrでは500MB未満のファイルであればアカウント登録なしで利用できます。500MB以上のファイルを送信したい場合はアカウント登録が必要ですが、ユーザーIDとパスワードを設定するだけなので簡単です。アカウント登録をすれば2GBのファイルまで転送できるようになります。
なおiSendrはP2Pのため、社内のようなイントラネットの環境では通信できない可能性もあります。
FileSocial.com
「FileSocial.com」はTwitter上で簡単にファイルを共有することができるサービスです。利用するにはTwitterのアカウントでログインする必要があります。
使い方
Twitterアカウントでログインしたら、共有したいファイルを選択し、適宜コメントを入力してファイルをアップロードします。アップロードの際に「Twitterに同時に投稿するかどうか(「Don't post on twitter」)」を選択することができ、「投稿する」を選択する(チェックボックスをオンにする)とファイルアップロード完了後にコメントとURLがツイートされます。
アップロードできるファイルの種類に制限はありません。どんなファイルでもアップロードできます。アップロード可能なファイルサイズは50MBまで。サーバ上のファイル保管期間についても有効期限はありません。
MP3などの音声ファイルをアップロードするとFileSocial.com上ではプレイヤーが表示され、その場でファイルを再生することも可能です。動画やドキュメント形式のファイルについてもプレビュー機能が利用できます。
またFileSocial.comには、Android用アプリとデスクトップ用アプリ(Adobe AIR上で動作)の2種類のクライアントアプリが用意されています。開発者向けにはAPIも用意されていて、OAuth Echoを利用してFileSocial.com上にファイルをアップロードすることもできるようです。
注意点
FileSocial.comには「Public Timeline」があります。このタイムラインでは、FileSocial.comにアップロードされたファイルがすべて公開されています。そのため秘密のファイルをやり取りするといった用途には不向きです。
アップロードされたファイルは誰でもダウンロードでき、FileSocial.com上のサイトでコメントをつけることもできます。
また、Twitterでツイートを非公開にしていても、このFileSocial.comのタイムラインでは公開されてしまうので注意が必要です。
Twitterと組み合わせて使うと便利
Twitterのユーザー同士であれば、連絡手段もTwitterになることが多いです。ただ、Twitterではテキストメッセージしか送信できないため、ファイルを共有したい場合は他のツールを利用する必要があります。
今回紹介したようなツールは、そんな場面で役立つことでしょう。FileSocial.comでは秘匿性が保持できませんが、Ge.ttやiSendrであればそれが可能です。
なお、手前味噌ではありますが「Meity.jp」を利用するとフォローされていない人にも非公開のメッセージを送ることができるので、これらのファイル共有ツールのURLを伝える際にも便利ではないかと思います。
著者紹介
F.Ko-Ji
ブログやネットサービスを運営するブロガー兼Webエンジニア。大手IT系企業、ベンチャー系Web開発企業を経てフリーに。『F.Ko-Jiの「一秒後は未来」』というブログや、「Meity」「DailyFeed」「梅酒.in」といったサービスを運営しています。