本連載は、未経験の人でもUMLを使いこなせるようになることを最終目標として、UMLについてゼロから解説しています。今回は、架空の宅配便会社「まいにち宅配便」の配達予約システムの開発プロジェクトを題材に、設計のためのクラス図で用いるUMLの要素について解説します。

本連載では詳細設計に至るまで、ビジネスモデリングのために概念モデルを、仕様化のために分析モデルをクラス図で作成してきました。これらのモデルでは、次のUMLの要素を使いました。

●クラス
●属性(多重度も含む)
●関連(多重度、関連端名も含む)
●コンポジション(多重度、関連端名も含む)
●汎化

図1、2に示したように、設計モデルは上記に加えて次の要素を使って作成することになります。

●属性の型
●操作
●可視性
●抽象クラス
●抽象操作
●インタフェース
●実現
●依存

図1 可視性、操作、属性の型を用いているクラス図

図2 依存、実現、インタフェースを用いているクラス図

属性の型

設計モデルでは実装可能なモデルを定義しなければならないため、分析モデルまでは省略していた属性の型も定義しなければなりません。属性に適用する型について、プログラミング言語が提供するプリミティブ型、クラスライブラリが提供するクラス、開発者が自製するクラスなどから選んで定義します。

操作

分析モデルまでのクラス図は主にクラスの構造に注力して作成してきましたが、設計モデルではクラスの「操作」を定義することに注力します。前回取り上げたロバストネス図や後述するシーケンス図を作成してクラスに必要な操作を見つけ、詳細を定義します。実際には、次の文法に従って操作の名前、引数、戻り値を定義します。

可視性 操作名(引数名 : 型,引数の連続): 戻り値型

『出典:システム開発ジャーナル Vol.6(2008年9月発刊)
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