前回はワカサギ釣りに使う道具類について解説したので、今回からはいよいよ湖に向かうことにしよう。晩秋以降は早朝かなり冷え込むので防寒対策だけは厳重にして欲しい。
天気予報は必ずチェック
釣りの場合、どんな対象魚で遊ぶにしても、少なくとも前日に当日の天気予報は必ずチェックして欲しい。天気がよくても風が強かったり、地域の詳細天気予報を見るとその場所だけ雨マークがついていたりすることもあるので、なるべく確度の高い前日に調べておくと安心だ。
また、釣り場の地図を見て天気予報の風向きと照らし合わせると、どの方向から吹いてくるかおおよその見当はつく。ドーム船などの場合はあまり関係無いが、逃げ場のないボート釣りの場合は、なるべく風を背後から受けるようにすると良い。自分が風よけになってアタリが取りやすくなるというだけでなく、フードを被ってしまえば体の半分以上が風に直接さらされないので、体力を温存しやすいのだ。
ただし、湖の周囲は山に囲まれていることがほとんどなので、実際に吹く風と予報がずれるケースがある。その湖に何度も通っていると傾向が分かるが、ボート屋のスタッフなどに出船前に聞いておくと安心だ。
釣り場へ向かう
出船時間に合わせて行動するなら、ほとんどの場合は車移動になるだろう。早朝とはいえ土日の高速道路は結構混み合うことが多い。ほんのちょっと早起きしてパソコンを起動するか、タブレットを手に取れば、高速道路の渋滞情報は事前に確認できる。
ただし、焦っている人が多い時間帯でもあるので、突然の交通事故もよくある出来事だ。わたしも釣り場へ向かう道中、何度も悲しい光景を見ているので、みなさんも安全運転を心がけて欲しい。
また、お弁当を持参する場合は良いが、昼食を別にとるなら、事前に湖のボート屋に電話をしておくとよい。近所のコンビニの有無、食事ができるところの有無なども教えてくれるので、水も食事もできないという最悪の状況は体験せずに済むはずだ。
ボート屋の実際
多くのボート屋は受付順にボートへ乗り込む。事前に予約しておけば、一番最初に漕ぎ出すことができるので、早く釣りたい方は予約が安心だ。また、ボートを借りるときはボート代の他に入漁料を徴収されるので、その分の予算も事前に把握しておくこと。地域の漁協による取り決めになるため、値段は様々。こちらも事前に調べておくと安心だろう。
受付を済ませたら、ボート乗り場へ移動する。手漕ぎボートの経験がある人は問題無いが、一度も遊んだことが無ければ、必ず申し出ること。順番は大分後回しになるが、朝一の釣り人を送り出した後にやさしく操船方法を教えてくれるはずだ。
また、これが一番大切なのだが、救命胴衣またはライフジャケットは必ず着けること。真冬になれば、関東平野の湖でも湖面の表面温度は10度を楽に下回る。万が一、落水すれば体はあっという間に動かなくなり、最悪湖底へ沈んでしまう。そんな事態にならないためにもぜひ着用を心がけていただきたい。なお、救命胴衣はほとんどのボート屋でレンタルできるはずなので、最初はそれを利用しよう。なんども遊びに出かけるようになったら好みのライフジャケットを買うようにすれば良いだろう。
ボートをどこへ繋ぐか?運命の分かれ道
ボートを湖面へ滑らせると、そこから先は釣り人自らが選択しなければならない。ワカサギが釣れる湖のほとんどはロープが張られているか、アンカリングするかのどちらかでボートを固定して釣ることになる。
ボートをどこへ繋ぐかで、その日の釣果は決まるので、そこは慎重に情報を整理することが大切。とはいえ、最初は何も分からないと思うので、出船前に「どこが釣れていますか?」とスタッフに声を掛ければ、快く教えてくれるはずなので、迷わずそこへ向かうようにしよう。
後ほど詳しく解説するが、ワカサギは群れで移動するため、一日中釣れ続くということは稀だ。しかし、良いポイントには何度も回遊してくるので、粘っていれば必ず釣果に恵まれる。空いているから、などといった適当な理由でボートを固定してしまうと、そこには1回も回遊してこないなどという事態も十分考えられる。実績の高い場所にはそれなりに人が集まるので、挨拶をしてから仲間に加えて貰うのも悪くない選択なのだ。運がよければ、名人級の人の横に入れる事もあるので、「この人は違うな?」と感じたら一挙手一投足を観察しておくといい。
ボートをロープへ固定するコツ
アンカリングの場合は、アンカーを湖底に落ち着かせ、ロープを長めに出しておけば流されないようになる。しかし、ロープに直接固定する場合はちょっとしたコツが必要になるので説明しておこう。
まず、水面近くにあるロープを掴むときは身を乗り出さずに済むような姿勢を取る。身を乗り出すとバランスを失うので絶対にしないこと。取り損ねたら、もう一度やり直せばよいのだ。
ロープが取りづらいときは、いったん風上に回ってあえて流されるようにする。オールは姿勢を制御するだけに使い、あまり移動はさせない。ロープが掴みやすい位置に来たら片手ですくうようにして持つ。藻が絡まっていることが多いので感触は悪いがあとは、オール受けについているロープを2重に絡ませてオール受けを使って結んでしまえば出来上がりだ。
ロープ着けは最初は難しいかも知れないが、慣れてしまえば片手で全部作業できるほど簡単だ。コツは身を乗り出さないこと、そして起ちあがらないことだ。場合によっては繰り返し移動することもあるので、なるべく早く慣れてしまおう。
釣友のロープ着けはこんなスタイル。オール受けに直接ロープを乗せてこの後ボートについているロープで巻き止める。要は固定できればよいので、あまり難しく考えずにとりあえずきちんと止められるようにしよう(ロープの無い側に竿を出す) |
次回も実釣り編をお届けしよう。