本連載ではどちらかというと登場頻度が低い高速道路ネタだが、まったく触れないのもどうかと思うので、今回は、高速道路について「知っておくと便利」な小ネタをいくつか集めてみた。
SA・PAでは場所により電源あり
まずは前々回・前回に引き続き、筆者の得意ネタであるPC用電源の話。PCに限らず、携帯電話やスマートフォンの充電にも利用できるのだが、ノートPCを常時携帯している身なので、つい「PC用」と書いてしまう。
本連載の第2回で、FREESPOTを利用できるSA・PAの話を取り上げた。ところが、いくら高速なネット接続が可能な環境が整っていても、自分が使用する端末機器がバッテリ切れになってしまったのでは話にならない。
10年以上前の話になるが、高速道路のトイレでノートPCを使っている人を見かけて驚いたことがある。さりげなく観察してみたら、洗面所にある電気カミソリ用の電源を使ってバッテリに充電しながら使っていた。つまり、バッテリ切れになってしまったので、仕方なく「トイレでPC」となってしまったわけだ。
ところが最近では、無線LANによるネット接続環境に加えて、PC用の電源を備えたSA・PAがある。以下の写真は東名高速道路の日本平PA下り線だが、探してみれば、他所にも存在するかも知れない。さすがに、すべての高速道路、すべてのSA・PAを網羅して調査することはできなかったので、こんな書き方になってしまった点は御容赦いただきたい。
ただし、電源コンセントを設置するには、そこまで配線を引っ張ってくる必要がある。これを考えると、壁から離れた場所に置かれたテーブルあるいはレストランのテーブルに電源を引っ張ってくるのは、最初からそのつもりで建物を造らない限りは実現が難しい。
上に示した日本平PAの場合、スナックコーナーの壁沿いに設けたカウンター席に電源を取り付けてあった。このことから類推すると、レストランよりもスナックコーナー、それも壁際の席を調べてみるのが早道ではないかと思える。
どこにでも必ずあるという保証はできないし、今後の増設によって状況は変わっていくだろうが、自分が利用する路線で電源付きのSA・PAを見つけたらラッキーである。
高速道路ではEdyとクレカが便利
NEXCO各社の高速道路では、大きなSAの売店でEdyを利用できる場合が多い。それどころかEdyのチャージャーを設置していることもあるので、チャージ金額が不足しても(チャージャーさえあれば)現金チャージが可能だ。ただし、小規模なPAの売店、スナックコーナーやレストランといった飲食系だと、電子マネーが使えないことのほうが多そうだ。
また、長距離走行時にお世話になるガソリンスタンドでも、やはり現金かクレジットカードということになる。こうしたことを考えると、Edyとクレジットカードの併用がキャッシュレス化の早道だろう。
両者が別々のカードになっていると面倒だが、Edyの機能を内蔵したクレジットカードであれば1枚で兼用できるので、面倒がない。そのクレジットカードが、カード決済に加えてEdyを利用した決済でもポイントを付けてくれるタイプだと、ますますお得である。実は、筆者が使っているクレジットカードが、正にこのタイプである。
なお、最近では高速道路のSA・PAにコンビニが進出するケースが増えているが、そこではEdyに限らず、Suicaをはじめとする交通系電子マネーを利用できる場合もある。コンビニのチェーン系列によっては、流通系電子マネーを利用できることもあるだろう。
とはいえ、やはり利用可能な範囲が最も広いのはEdyではないかと思われる。そこで見出しのように「Edyとクレカ」という話になるわけだ。これを基本として、自分の行動圏における電子マネーの対応状況に合わせて手直しすればよいだろう。
高速道路を走るときはキロポストを意識する
キロポストというのは、高速道路の起点からの距離を示す標識で、道端に100mごとに設置してある。進行方向に向かって右側のことも左側のこともあるが、必ず設置してあるはずだ。例えばば、起点から80kmの地点であれば「80」と書いたキロポストが、80.5kmの地点であれば「80.5」と書いたキロポストがある。
キロポストが登場する馴染み深い場面というとハイウェイラジオで、「○○キロポスト付近を先頭に渋滞しています」とか「△△キロポスト付近で事故が発生したという第一報が入りました」といった使われ方をしている。
実は、もしも(不幸にして)自分が事故を起こした、あるいは、事故に巻き込まれた場合にも、現場がどの辺りなのかを知らせるために最も手っ取り早い方法がこのキロポストなのである。実際、筆者が追突事故の被害に遭って110番通報した時も、「何キロポストの辺りですか」としつこく聞かれた。ところが、いちいちキロポストを見ていなかった筆者は答えられなくて、ドタバタしたやり取りになってしまったものである。
そんなこともあるので、走っている時は道端に設置してあるキロポストに時々目をやって、どの辺を走っているのかを把握しておくと、役に立つことがあるかもしれない。また、ある地点のキロ程がわかっていれば、それと現在位置のキロポストの差分を計算することで距離を概算して、例の「分速1.5kmの法則」に則って所要時間を概算するなんて使い方もできる。
ただし、あまりキロポストばかり気にして脇見運転になってしまうと、それこそ事故の原因になるので、ほどほどに。前方の左右に視線を走らせて周囲の状況に気を配っていれば、自然とキロポストは目に入ってくるものではあるが。