第18・19回にわたり、鉄道を利用していてダイヤが乱れた時の話を取り上げた。では、飛行機やバスのダイヤ乱れはどうだろうか? 鉄道に比べると、個人的には利用頻度が低いのだが、可能な範囲で書いてみよう。

飛行機の代替着陸地とダイバート

飛行機の場合、目的地の飛行場が閉鎖になってしまい、降りられなくなることがある。降雪や霧・降雨に起因する視界不良が原因になることが多いが、地震が発生したとか、火山が噴火したとかいう理由で閉鎖になることもある。テロが発生して空港が閉鎖になったなんてこともある。

飛行機はもともと、そうした事態に備えて代替空港をフライトプランに盛り込んでいる。目的地の近隣にある別の空港を代替空港に指定することが多いが、適切な空港があるとは限らないし、閉鎖の理由次第では代替空港も使えなくなる可能性がある。そのため、えらく離れた別の空港に降ろされたり、出発空港に引き返したりすることもある。

こうした何らかの事情で所定の目的地に下りられなくなって別の場所に下りることを「ダイバート」という。東北地方太平洋沖地震で成田空港が閉鎖になった時は、民間空港ではなく米空軍横田基地にダイバートした機体があった。通常は民間機を空軍基地に降ろすようなことはしないが、非常事態となればそうもいっていられない。

ダイバートが発生した場合、目的地の空港が利用可能になったら改めて飛び立つか、もしくは代替交通手段を手配する。ダイバートの可能性があることを承知したうえで搭乗した場合は別として、通常ダイバートの移動にかかる経費は航空会社の負担だ。

ところで。この記事を書くために日本航空のWebサイトを確認してみたが、飛行機には「○時間以上遅れたら払い戻し」とかいう規定はないようだ。無論、予約の取り消しや払い戻しに関する規定はWebサイトで確認できるので、これも念のためにチェックしておいたほうが良い。

目的地には着いたけれど……

また、目的地の空港に降り立つことはできたとしても、「混雑や天候回復待ちのために上空待機していて着陸が遅れる」あるいは「迂回経路をとったために着陸が遅れる」といった事態が考えられる。空港からタクシーで目的地に向かうのであれば、よほど人があふれていない限りは問題ないと思われるが、バスや鉄道で目的地に向かう場合は話が違ってくる。

このような場合、空港連絡バスは鉄道と比べると融通が利くのか、飛行機が遅れた場合に出発を遅らせてくれることがある。「必ずそうなる」という保証はできないが、実際、Webサイトでそうした記述を見る。

例えば、四国の高松空港では、ことでんバスの高松空港連絡バス時刻表で「高松空港では、飛行機到着約15分後に発車予定です。飛行機が延着した場合は、それに応じた発車となりますのでご安心ください」との記述がある。

「高松空港リムジンバス」では飛行機の延着に応じた発車をすることを明言している「ことでんバス」のWebサイト

また、徳島阿波おどり空港のWebサイトのバス時刻表を見ると、「航空機の時間変更にあわせてバスも時間変更します」との記述がある。ただし、この「時間変更」は、遅れではなくダイヤの変更を意味しているのかもしれないが。

徳島阿波おどり空港のWebサイトでは「航空機の時間変更にあわせてバスも時間変更」としている

ともあれ、こうしたことが頭に入っていれば、飛行機の着陸が遅れてヤキモキさせられる事態を少しは減らせるかもしれない。特に最終便と連絡するバスは乗りそこなうと身動きがとれなくなってしまうので、待っていてくれるとわかれば気分がラクになるだろう。

バスは遅れるものと思え!?

最後にバスに関する話を少々。といっても、バスはもともと道路の渋滞などが原因で遅れることが少なくないし、時にはバス停に「道路事情の関係で遅れることがありますが、御了承ください」なんて書いてあることもあるぐらいだ。

遅れる可能性が高いのは、一般道を走るバスでも高速道路を走るバスでも同じこと。また、遅れたからといってフォローを期待できるかと言えば、それも難しそうだ。実際、筆者自身もバスに乗っていて遅れた経験は何度もあるが、それに関するフォローがあったという記憶はない。

となると、スケジュールに余裕を持たせて若干の遅れであれば吸収できるようにするとか、本連載の第6回で取り上げたように代替交通手段に切り替える体制を整えておくなどの自衛策が必要になりそうだ。

そういえば、徳島阿波おどり空港から鳴門駅までバスで移動した時、そのバスが遅れたため、鳴門駅での乗り継ぎが危うくなりかけて冷や汗をかいた経験がある。この時は幸いにもギリギリで間に合ったが、常にそんな僥倖を期待できるとは限らない。