指定席予約時のリクエスト項目は窓側・通路側だけではない

鉄道だけでなく飛行機でも、指定席券を購入する際に「窓側にしますか ? 通路側にしますか?」と尋ねられる。一般には、通路側よりも外の景色を眺めやすい窓側のほうが人気がある。また、東北・上越新幹線を走っている「Max」のような2階建て車両では、2階に人気が集まりやすい傾向がある。

しかし、通路側にも「出入りがラク」、「荷棚の荷物の上げ下ろしがラク」、「車販を呼び止めるのがラク」といったメリットがある。ちなみに、新幹線の普通車は2人・3人掛けだが、最も不人気で最後まで売れ残るのは、3人掛けの中間(B席)らしい。この席には窓側のメリットも通路側のメリットもないので、致し方ない。

また、夜間であれば景色も何もあったものではないので、「窓側」や「2階」にこだわる必然性は薄れる。何度も利用して慣れている路線であればなおのことで、「空いていて落ち着ける一階のほうがよい」という人が出てきても不思議はない。

ところで、指定席を購入する際、「窓側」「通路側」「1階」「2階」よりも細かな指定を行えることが多い。空きがあればの話だが、「○○列車の△号車の×番A席」という具合に、席番まで指定してリクエストできるし、連載第1回で言及した「車端の席」みたいなリクエストも可能だ。

ただし、こういうリクエストを出す場合は、窓口が空いている時間帯あるいは駅を選んだほうがよいかもしれない。列の後ろで待っている人をイライラさせないためにも。

新幹線に限ったことではないが、窓側・通路側・最前列・最後列など、指定席券を確保する際はいろいろなリクエストが可能だ。ただし当然ながら、空きがあればの話だが(写真は東海道・山陽新幹線の700系)

シートマップ指定ができる場面が増えている

最近だと、JR東海・JR西日本の「エクスプレス予約」やJR東日本の「えきねっと」「モバイルSuica特急券」みたいに、Webサイトや携帯電話で切符を予約できるサービスがある。これらのサービスでも、シートマップを使って希望の席を選ぶ仕組みを用意していることが多い。

路線や列車によっては、駅の指定席券売機で席番指定を行える場合もある。例えば、JR東日本エリアであれば、指定席券売機を使って東北・上越・長野新幹線などの指定席を確保する際、まず号車を、続いて選択した号車の中でシートマップを調べて、希望の席を取ることができる(同じ指定席券売機で東海道・山陽新幹線の指定券を購入する際は、窓側・通路側の選択しかできない)。

実は、このシートマップによる号車・座席の選択は、筆者が愛用している手だ。新幹線で岩手県のスキー場に行く時に東北新幹線の「はやて」を盛岡まで利用するのだが、そこで「八戸・新青森寄りの車両」を選び、さらに「車内で最後列・通路側の席が空いているかどうか」で席を探す。

前者は、盛岡駅の階段やエスカレーターの位置に合わせるのが狙い。これはある時、何もリクエストをしないで窓口で発券してもらったところ、最後尾・1号車の指定席を割り当てられてしまい、改札が遠くて往生した反省によるものだ。

後者は、座席と壁の間にスキーを立てかけるのが目的。自席が車端でなくても車端の空間に荷物を置くことはできるが、近くにあるほうが目配りしやすい。さらに、出入りがラクな通路側を選ぶ。

ただし東海道・山陽新幹線では、最後列の座席と壁の間に荷物を置いていると、「持ち主不明」ということで降ろされる可能性があるので注意が必要だ(実際に、車内にそういう掲示がある)。よって、荷物を置いている時は、車内改札に来た車掌に「後ろに荷物を置いています」とひと声かけるようにしよう。

ちなみにJR東日本のWebサイトでは、指定席券売機の操作を体験できるコンテンツを用意してくれている。これを使って予習しておくと、駅に行ってからまごつかずに済む。

ついでに余談を書くと、URL中の「mv」は指定席券売機(MV端末と呼ばれている)のことだ。この指定席券売機、指定券を確保するだけでなく、ほかにもいろいろな使い方ができる。

その辺の話はまた、機会を改めて取り上げることにしたい。指定席券売機には、便利な話だけでなく仕様上の限界(?)もあるので、その辺を理解しておくほうが賢く活用できる。時には、有人窓口でないとできないこともあるのだ。