前回は、IIS(Internet Information Service)でFTP(File Transfer Protocol)サーバを構成する際に必須となる作業について解説した。いずれも「必須ではないが、やった方がよい場合もある作業」に分類されるものだ。

FTPサイトの設定変更(既定値)

まず、FTPサイトを対象とする既定の設定値を変更する際の手順について解説する。ここで変更した内容は「新規作成時の既定値」なので、変更後に作成するFTPサイトにのみ反映される。既存のFTPサイトについては、別途、変更が必要になる。

  1. [サーバー マネージャー]で、[ツール]メニューから[インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャー]管理ツールを実行する。

  2. [接続]ウィンドウのツリー画面にある[サイト]ノードを選択する。続いて、[操作]画面の-[FTPサイトの既定値]、あるいは右クリックして[FTPサイトの既定値]を選択する。

  3. 既定値の設定を変更すると、それより後に追加するFTPサイトの設定に影響する

  4. 画面で設定を変更して、[OK]をクリックすると既定値の変更が確定する。

設定を変更したい項目をクリックして修正する。ドロップダウンリストボックスから選択するものと、数値を直接指定するものがある

[FTPサイトの既定値]ダイアログで設定できる項目は以下の通り。

項目 説明 既定値
UTF-8の許可 UTF8エンコードを使用するかどうか True
自動開始 Trueに指定すると、FTPサイトを作成したとき、あるいはFTPサービスが開始したときにFTPサイトが起動する True
コントロール チャネルのタイムアウト アクティブではない接続がタイムアウトするまでの時間を秒単位で指定
データ チャネルのタイムアウト アクティブではないデータ チャネルがタイムアウトするまでの時間を秒単位で指定
ソケット プールの無効化 ポート番号やホスト名ではなく、IPアドレスで識別されるサイトにソケット プールを使用するかどうか
最大接続数 FTPサーバへの同時最大接続数を指定
最大接続数でリセット 最大接続数応答の送信時にFTPセッションを切断するかどうか
サーバー リッスン バックログ キューに登録できる未処理のソケット数を指定
認証されていないタイムアウト 新しい接続を行ってから認証が成功するまでのタイムアウト時間を秒単位で指定
資格情報のキャッシュ FTPサービスで資格情報のキャッシュを有効にするかどうか
フラッシュ間隔 資格情報キャッシュの有効期間を秒単位で指定
アップロード中にファイルの読み取りを許可 FRPサーバにファイルを転送しているときに、そのファイルを読み取ることができるかどうか
名前変更時の置き換えを許可 ファイル名を変更したときに、他のファイルを上書きできるかどうか
一部のアップロードを保持 部分的にアップロードしたファイルを保持するかどうか

ログの設定

Webサイトと同様、FTPサイトでもログの設定が可能である。

  1. [サーバー マネージャー]で、[ツール]メニューから[インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャー]管理ツールを実行する。

  2. [接続]ウィンドウのツリー画面にある[サイト]以下で、設定対象となるFTPサイトを選択する。

  3. [機能ビュー]で、[FTPログ]をダブルクリックする。

  4. [機能ビュー]で、[FTPログ]をダブルクリック

  5. 続いて表示する画面で、ログに関する設定を行う。[ログ ファイル作成単位]では[サイト]または[サーバー]の選択が可能。
  6. FTPログの設定画面

  7. [ログ ファイル]では、[W3C フィールドの選択]をクリックして、ログに記録する情報を選択する。

  8. [ディレクトリ]では、FTPログを格納するフォルダの物理パスを入力する。このとき、[参照]をクリックしてダイアログで指定することもできる。

  9. [エンコード]では、[UTF8](1バイト文字とマルチバイト文字の両方を使用可能)、または[ANSI](1バイト文字のみ)を選択する。

  10. [ログ ファイル ロール オーバー]では、新しいログを作成するタイミングを指定する。選択肢は以下の通り。

  11. ・[スケジュール] : 新しいログ ファイルを作成する頻度を指定する。[毎時間](1 時間に1回)、[毎日](1日に1回)、[毎週](1週間に1回)、[毎月](1ヶ月に1回)、のいずれかを選択できる。
    ・[最大ファイル サイズ(バイト)] : ログファイルのサイズ上限を正の整数で指定する。
    ・[新しいログ ファイルを作成しない] : 新しいログファイルに切り替えないで、ずっと同じファイルを使い続ける。データがひとつのファイルにまとまるので解析はしやすいが、サイズの肥大化に注意が必要だ。
    ・[ファイル名およびロールオーバーに地域設定を使用する] : ロールオーバーを行う時間を、既定値の協定世界時(UTC)ではなく、サーバ設置場所の現地時間にする際に使用する選択肢。ただし、これが影響するのはロールオーバーのタイミングだけで、ログの内容は常にUTCになる

  12. [操作]画面で、[適用]をクリックする。