今回も前回に続いて、IIS(Internet Information Service)のFTP(File Transfer Protocol)サーバ機能で設定できるオプション機能について解説する。いずれも、「必須ではないが、やった方が場合もある作業」に分類されるものだ。
FTPメッセージの設定
[FTPメッセージ]とは、FTPサイトに接続するユーザーに対して送信するメッセージのことで、その内容をカスタマイズできる。手順は以下の通り。
[サーバー マネージャー]で、[ツール]メニューから[インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャー]管理ツールを実行する。
[接続]ウィンドウのツリー画面にある[サイト]以下で、設定対象となるFTPサイトを選択する。
[機能ビュー]で、[FTPメッセージ]をダブルクリックする。
- 続いて表示する[FTPメッセージ]で、FTPメッセージの動作方法を選択する。まず、[メッセージの動作]以下のチェックボックスはそれぞれ、以下のような意味になる。
- 同じ[FTPメッセージ]のその他の項目は、それぞれ、以下のような意味になる。
- 最後に、[操作]画面で[適用]をクリックする。
・[メッセージの動作]-[既定のバナーを表示しない] : FTP サーバの、既定の識別バナーを表示するかどうかを指定する。
・[メッセージの動作]-[メッセージ内のユーザー変数をサポートする] : FTPメッセージに、特定のユーザー変数セットを表示するかどうかを指定する。利用可能な変数は別表の通り。
変数 | 意味 |
---|---|
%BytesReceived% | FTPサーバからFTPクライアントに送信したデータ量(単位はバイト) |
%BytesSent% | FTPクライアントからFTPサーバに送信したデータ量(単位はバイト) |
%SessionID% | セッションを識別するID |
%SiteName% | 現在のセッションをホストしているFTPサイトの名前 |
%UserName% | ログオンしているユーザー名 |
・[メッセージの動作]-[ローカル要求に対する詳細なメッセージを表示する] : FTPクライアントがFTPサーバに接続するときに、詳細なエラーメッセージを表示するかどうかを指定
・[メッセージ テキスト]-[バナー] : FTPクライアントがFTPサーバに初めて接続するときに表示するメッセージを指定する。
・[メッセージ テキスト]-[接続時のメッセージ]は、FTPクライアントがFTPサーバーにログインしたときに表示するメッセージを指定する。
・[メッセージ テキスト]-[終了]は、FTPクライアントがFTPサーバからログオフするときに表示するメッセージを指定する。
・[最大接続数] : FTPサーバ側で設定した同時最大接続数に達して、それ以上の接続ができなくなったときに表示するメッセージ
ディレクトリ参照オプションの設定
ディレクトリの参照機能は、ユーザーがFTPディレクトリのファイル一覧を参照する際の形式などを指定するもの。設定手順は以下の通り。
[サーバー マネージャー]で、[ツール]メニューから[インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャー]管理ツールを実行する。
[接続]ウィンドウのツリー画面にある[サイト]以下で、設定対象となるFTPサイトを選択する。
[機能ビュー]で、[FTPディレクトリの参照]をダブルクリックする。
続いて表示する[FTPディレクトリの参照]の[ディレクトリの表示スタイル]で、表示形式を指定する。[MS-DOS]はMS-DOSと同じ方法、[UNIX]はUNIXと同じ方法。
同じ画面の[ディレクトリの表示オプション]で、ディレクトリ一覧に表示する情報を指定する。[仮想ディレクトリ]は仮想ディレクトリを、[空き容量]ファイルサイズをバイト単位で、[西暦を4桁で表示]は年を2桁ではなく4桁で、それぞれ表示する。
- 最後に、[操作]画面で[適用]をクリックする。
その他の機能
ここまで紹介したもの以外に、FTPサーバで設定できる項目として、以下のものがある。「にわか管理者」が扱うことはあまりないと考えられるので、本連載では解説を割愛する。
・ユーザーの分離 : ユーザーごとにホームディレクトリを指定して、そこしかアクセスできないように設定するもの。プロバイダやレンタルサーバを運営する際に、ユーザーごとに専用のディレクトリを割り当てる際に使用する機能。ユーザーを分離しない場合には、全ユーザーが同じディレクトリを共有する。
・ファイアウォールのサポート : FTP サーバが、ファイアウォールからのパッシブ データ接続を受け付けられるようにするもの。ファイアウオールを介して別のところからFTPクライアントが接続してくる場面で、この設定が必要になると考えられる。
・要求フィルタ : セキュリティ機能の一種で、プロトコルとコンテンツの動作を制限する際に使用する。ファイル名拡張子、URLセグメント、URLシーケンス、コマンドといった条件を利用できる。