ここまで長々と、DNSサーバの設定について解説してきた。設定も重要だが、設定した結果として問題なく機能することも重要である。そこで今回は、DNSサーバの動作確認について解説する。

DNSサーバのプロパティ画面にある動作確認機能

[DNSマネージャー]管理ツールには、DNSが正しく機能しているかどうかを調べる機能がある。

この機能は、DNSサーバの[プロパティ]ダイアログで[監視]タブに移動すると利用できる。

  1. [サーバーマネージャー]の[ツール]メニューから、[DNSマネージャー]管理ツールを起動する。

  2. 左側のツリー画面で[DNS]-[(DNSサーバのホスト名)]を選択する。

  3. [操作]-[プロパティ]、あるいはDNSサーバ名で右クリックして[プロパティ]を選択する。間違ってゾーンのプロパティ画面を表示させないように注意したい。

  4. [監視]タブに移動する。続いて、[DNSサーバーに対する単純クエリ]と[ほかのDNSサーバーに対する再帰クエリ]のチェックボックスをオンにしてから[テストを実行]をクリックする。

5.下の[テスト結果]に表示する結果が、単純クエリと再帰クエリのいずれも「可」になっていれば問題ないが、「不可」になった場合には、DNSの設定に問題がある。

6.テストが済んだら、[OK]をクリックしてダイアログを閉じる。

[監視]タブで、単純クエリと再帰クエリを実行する。単純クエリと再帰クエリが、両方とも「可」になっていればOKだが、このように「不可」になっているときは、設定の再確認が必要

nslookupコマンドによる動作確認

名前解決の動作状況を確認するツールとして、nslookupコマンドもある。使い方は以下の二種類である。

・コマンドプロンプトですべての引数を指定して、一挙に答えを得る
・「nslookup」とだけ入力してnslookupのプロンプトを表示させた上で、そこでホスト名やIPアドレス、検索するレコードの種類を入力して結果を見る

以下に、実際の入力例を示そう。

・コマンドプロンプトで一挙に指定する方法
正引きのテスト : C:>nslookup <ホスト名> 逆引きのテスト : C:>nslookup -query=PTR <IPアドレス> MXレコードのテスト : C:>nslookup -query=MX <ドメイン名>

・nslookupのプロンプトで指定する方法
nslookupコマンドを引数なしの状態で起動すると、nslookupのプロンプトを表示する。初期設定は正引きなので、そのままで正引きのテストを行える。それ以外のレコードに対する検索は、「set query=」コマンドを使ってDNSレコードの種類を指定してから、検索対象となるデータを入力する。


C:\>nslookup
*** Default servers are not available
Default Server:  UnKnown
Address:  127.0.0.1

> artemis                   (1)ホスト名を指定して正引きを実行
Server:  UnKnown
Address:  127.0.0.1

Name:    artemis.olympus.kojii.local
Address:  192.168.0.53          (2)返されたIPアドレス

> set query=PTR             (3)逆引きを行うように指定
> 192.168.0.53              (4)逆引きを実行
Server:  UnKnown
Address:  127.0.0.1

53.0.168.192.in-addr.arpa        name = artemis.olympus.kojii.local (5)返されたホスト名
>exit                   (6)nslookupを終了

C:\>

nslookupのプロンプトから抜けるには、「EXIT」と入力して[Enter]キーを押す。

ただしいずれにしても、nslookupで動作確認に利用できるのは、操作対象になっているDNSサーバが持っているレコード情報だけである。つまり、動作確認しようとしているDNSサーバがレコードを持っていないホストのホスト名を入力して正引きの検査を行えば、エラーになってしまうわけだ。レコードの有無は確認できるが、これではDNSサーバの動作そのものを確認することにはならない。