これまで109回にわたって連載してきた「にわか管理者のためのWindowsサーバ入門」に続いて、新バージョンのWindows Server 2012に対応した「にわか管理者のためのWindows Server 2012入門」を連載することになった。
ただし、セットアップをはじめとする基本的な事柄については、重複する部分が少なくないので、本稿ではセットアップ完了後から話を始めることにする。
外見は異なるが、基本的な考え方や操作方法は同じ
Windows Server 2012では、ログオン画面のデザインがWindows 8のModern UIに似たデザインに変わっている。しかし、初回起動時にAdministratorのパスワードを設定するところも、[Ctrl]+[Alt]+[Del]キーを押してログオンするところは同じである。操作手順は同じだが、見てくれが異なるわけだ。
Windows 8と異なるのは、ログオンするとデスクトップを表示する点である。そこで[Windows]キーを押すと表示するのが、[スタート]メニューではなく[スタート]画面になるが、[スタート]ボタンが消えた点と併せて、これはちょっと違和感があるところかもしれない。
といっても、Windows Server 2012では日常的な大半の作業をサーバーマネージャでこなせそうなので、これでもなんとかなりそうである(サーバでタッチスクリーンを使用する人がいるのか、と疑問に思うが、要はWindows 8に揃えたというだけの話なのであろう)。
デスクトップ画面を見ると、タスクバーには最初から、[サーバーマネージャ][PowerShell][エクスプローラ(ライブラリ)]を登録してある。
なお、シャットダウンや再起動は、以下のいずれかの方法で行える。
・画面右下隅にマウスカーソルを移動するとチャームを表示するが、そこで[設定]をクリックする。続いて現れる[電源]をクリックすると、メニューの中からシャットダウン、あるいは再起動を選択できる。シャットダウンを指示した場合、どういう理由でシャットダウンするのかを選択する必要があるのは従来と同様である
・電源ボタンを押す(シャットダウン専用)
・コマンドプロンプトで「shutdown /s」コマンドを使用する
Windows Server 2012のサーバーマネージャとダッシュボード
Windows Server 2012のサーバーマネージャは、基本的には状況確認用のツールに徹している。左側のリストで[ダッシュボード][ローカルコンピューター][すべてのコンピューター]とあるが、それぞれをクリックして選択すると、対応するサーバの動作状況を画面右側に表示する仕組みである。
まず[ダッシュボード]だが、これはいってみればポータルである。最上部に[サーバーマネージャへようこそ]と題した部分があり、左側にある[クイックスタート][最新情報][詳細情報]をクリックすると、表示内容が変化する。このうち[クイックスタート]では、[役割と機能の追加][管理するサーバーの追加][サーバーグループの作成]といった機能を呼び出せる。
そこから下の方にスクロールしていくと、インストール済みの役割や機能の一覧、サーバーマネージャの管理対象になっているサーバの一覧、といった情報が現れる。
役割・機能の動作表示
前述のように、画面左側には従来のツリー画面に代わって、サーバの選択、あるいはインストール済みの役割や機能の一覧がズラッと並ぶ形になっており、従来のようなツリー画面にはなっていない。それぞれを選択すると、これまた動作状況などの確認を行えるようになっている。
例外は[ファイルサービスと記憶域]で、これは右側に三角形を表示していることでお分かりの通り、クリックして選択すると右側に展開する。そこから元に戻るときには、ウィンドウ左上隅の[←]をクリックする。Windows Server 2008のころから出てきている傾向ではあるが、なんだかWebブラウザみたいである。