今回はVPNの締めくくりとして、PPTP(Point to Point Tunneling Protocol)/SSTP(Secure Socket Tunneling Protocol)クライアントの設定を取り上げる。いずれも、ダイヤルアップ接続と同じ要領で接続設定を作成・登録するのだが、プロトコルが自動選択になっているため、プロトコルを明示的に指定する手順も紹介しよう。
なお、すでにインターネットに接続しているという前提で解説を進める。インターネットにダイヤルアップ接続する場合は、そのための設定と接続の作業を別途、必要とする点に留意されたい。
Windows Vista/Windows 7の場合
Windows VistaとWindows 7でPPTP/SSTP接続を行う際の手順は以下の通りだ。
(1) [ネットワークと共有センター]左側のタスク画面で[接続またはネットワークのセットアップ]、あるいは[ネットワークと共有センター]で[新しい接続またはネットワークのセットアップ]をクリックする。
(2)接続オプションの選択画面を表示する。そこで[職場に接続します]を選択して[次へ]をクリックする。
(3) すでに接続設定が存在する場合は、次の画面で[既存の接続を使用しますか?]と訊ねてくるので、[いいえ、新しい接続を作成します]を選択して[次へ]をクリックする。
(4)次の画面で[インターネット接続(VPN)を使用します]と[直接ダイヤルします]のいずれかを選択するよう求めてくるので、前者を選択して続行する。
(5)次の画面で、インターネット アドレス(接続先VPNゲートウェイのホスト名またはIPアドレス)と、接続先に付ける名前を指定する。SSTPを使用する場合、サーバ証明書を作成する際に指定したものと同じホスト名を指定しなければ接続できない点に注意したい。このほか、スマートカード使用の有無、接続設定を他のユーザーと共用するか、今は接続しないで接続設定だけを作成するよう指示するといった指定も行える。
(6)次の画面で、接続時の認証に使用するユーザーID、パスワード、ドメインを指定する。[パスワードの文字を表示する]チェックボックスをオンにすると、「●●●●」とする代わりにそのまま表示する。
(7)[接続]をクリックすると、接続設定の作成と接続操作を開始する。ただし、先の画面で[今は接続しない...]を選択していた場合は、[接続]の代わりに[作成]ボタンを表示する。それをクリックすると接続設定の作成だけを行い、その旨を表示する。
(8)接続を指示したにもかかわらず接続できない場合は、接続操作を行っている画面で[スキップ]をクリックする。この操作を行うと画面が切り替わり、[再実行します][問題を診断します][接続をセットアップします]の選択を求める画面になる。[接続をセットアップします]をクリックすると、接続設定を作成するだけで操作を終了する。
こうして作成したリモートアクセスVPN用の接続設定アイコンは、[ネットワークと共有センター]左側のタスク画面で[ネットワーク接続の管理]をクリックすると表示するウィンドウに現れる。作成した接続設定で右クリックして[ショートカットの作成]を選択すると、デスクトップに接続設定のショートカットを登録するので、後で呼び出す作業が楽になって良い。
Windows XPのPPTP接続設定
Windows XPはSSTPに対応していないので、利用できるのはPPTPのみとなる。設定には、ダイヤルアップ接続の設定と同じウィザードを使用するが、途中で選択肢が変わってくる点に注意が必要だ。
(1)[コントロールパネル]-[ネットワークとインターネット接続]-[ネットワーク接続]をクリックする。
(2)左側のタスク画面で、[ネットワークタスク]の下にある[新しい接続を作成する]をクリックする。
(3)[新しい接続ウィザード]が起動する。ウィザード2画面目で[職場のネットワークへ接続する]を選択する。
(4)ウィザード3画面目で、[仮想プライベートネットワーク接続]を選択して続行する。
(5)次の画面で、作成する接続設定につける名前を指定する。
(6)次の画面で、接続先となるVPNゲートウェイをホスト名、あるいはIPアドレスで指定する。
(7)ウィザード最終画面で[完了]をクリックする。以上の手順により、VPN用の接続設定を追加できる。