前回は、Server Coreインストールの概要とセットアップ手順について解説した。今回は、セットアップしたServer CoreインストールのWindows Server 2008に対し、サーバとして稼動させるために必要となる基本的な操作や設定の手順を説明しよう。

シャットダウンと再起動

[スタート]メニューがないServer Coreでは、シャットダウンや再起動もコマンドによって行う。使用するのはshutdownコマンドで、その場で直ちに電源を切ったり再起動したりすることも、スイッチ「/t」を併用して一定の秒数が経過した後に電源を切ったり再起動したりすることもできる。以下が、具体的なコマンドラインだ。

  • 直ちにシャットダウンして電源を切る : shutdown /s

  • 直ちにシャットダウンして再起動する : shutdown /r

  • 60秒後にシャットダウンして電源を切る : shutdown /s /t 60

  • 直ちにシャットダウンして再起動する : shutdown /r /t 60

ハードウェアとデバイスドライバの追加

Windows Server 2008がデバイスドライバを持っていないハードウェアを使用する場合、ハードウェアを接続するだけでなく、デバイスドライバの追加が必要になる。ところが、Server Coreにはデバイスマネージャがないため、代わりにpnputilコマンドを使用する。

コンピュータにハードウェアを取り付けた時点でPnP(Plug and Play)が機能する。Windows Server 2008がデバイスドライバを持っていれば、それを組み込むので何も問題はない。デバイスドライバがない場合、デバイスマネージャで「!」が付いたときと同じ状態になる。

その場合、該当するデバイスドライバのファイルを、USBフラッシュメモリなどを利用してローカルドライブにコピーする。このとき、どこにコピーしたかを覚えておく必要がある。続いて、コマンドプロンプトで以下の操作を行う。

  1. カレントディレクトリを、デバイスドライバのファイルをコピーしたフォルダに移動する(cdコマンドを使う)。

  2. 「pnputil -i -a 」と入力する。引数「driverinf」には、デバイスドライバと一緒に用意してあるはずの「*.inf」ファイルのパス名を記述する。カレントディレクトリ以外の場所にある「*.inf」ファイルについては、フルパスで指定すればよい。

  3. 必要に応じてコンピュータを再起動する。再起動を求められなければ、その時点で利用可能になっているはずだ。

なお、「sc query type=driver | more」と入力すると、インストール済みのデバイスドライバ一覧を確認できる。この時、「type=」と「driver」の間に半角スペース入れる必要がある点に留意したい。

また、その中から特定のデバイスを無効にするには、「sc delete <service_name >」と入力する。引数「service_name」には、デバイスドライバの一覧を表示した際に「SERVICE_NAME」として表示した内容を使用する。

Windowsのライセンス認証

まず、インターネット経由でライセンス認証を行うには、「slmgr.vbs -ato」と入力する。引数を省略して「slmgr.vbs」とだけ入力すると、引数一覧のヘルプ画面を表示できる。

ライセンス認証に成功した時、メッセージは何も表示されない。失敗した時に限り、その旨が表示される。

他のコンピュータからリモートでライセンス認証を行うこともできるが、その際はWindows Vista/Windows 7、Windows Server 2008が動作するコンピュータが必要だ。使用するコマンドは以下の通りで、コンピュータ名(ServerName)に加えて管理者権限を持つユーザーのログオン名(UserName)とパスワード(password)を指定する必要がある。

cscript windows\system32\slmgr.vbs <ServerName> <UserName> <password>:-ato

インターネット経由のライセンス認証が行えず、電話経由でライセンス認証を行う際の手順は、いささか複雑だ。以下の手順で作業を進める必要がある。

  1. コマンドプロンプトで「slmgr.vbs -dti」と入力する。すると、コマンドプロンプトとは別のウィンドウでインストールIDを表示するので、それをメモしておく。

  2. 「%windir%\system32\SLUI\phone.inf」ファイルで、マイクロソフトのライセンス認証センターの電話番号を確認する。そこに電話して、インストールIDを知らせる。

  3. センターの担当者が、確認IDを知らせてくるので、それをメモしておく。

  4. その確認IDを使って、コマンドプロンプトで「slmgr.vbs -atp <確認ID>」と入力する。

タイムゾーンや、地域と言語の設定

時刻やタイムゾーンの設定は、コマンドプロンプトで「Control timedate.cpl」と入力すると設定画面が表示されるので、そこで設定する。また、「Control Intl.cpl」と入力すると、[地域と言語のオプション]の設定画面が表示される。これらは例外的に、GUIの設定画面を利用できる。

Windows Updateの設定

Windows UpdateによるWindowsの自動更新を有効、あるいは無効にするには、以下のコマンドを使用する。

  • Windows Updateの有効化 : cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /AU 4
  • Windows Updateの無効化 : cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /AU 1

設定変更が正しく反映されたかどうかを確認するには、以下のコマンドを使用する。ただし、表示するのはレジストリのキーと値なので、それらの意味を把握しておかなければならない。

cscript %windir%\system32\SCRegEdit.wsf /AU /v

Windowsエラー報告の設定

Windowsエラー報告機能を有効化、あるいは無効化する際には、以下のコマンドを使用する。

  • 有効化(詳細レポート形式) : ServerWerOptin /detailed
  • 有効化(概要レポート形式) : ServerWerOptin /summary
  • 無効化 : ServerWerOptin /disable
  • 設定変更が反映できているかどうかの確認 : ServerWerOptin /query

バージョン情報の確認

Server Coreではwinverコマンドを使用できなてので、代わりにSysteminfoコマンドを使用する。表示する情報が多いので、moreフィルタを併用するのがお勧めだ。

systeminfo | more