過去3回にわたって、ファイルサーバーリソースマネージャ(以下FSRM)が備える機能のうちクォータについて取り上げてきたが、今回からファイルスクリーンについて取り上げる。ファイルサーバに巨大な動画ファイルを置いて、空き容量を圧迫するユーザーがいる場合に重宝しそうだ。

ファイルスクリーンとは

ファイルスクリーンとは、拡張子の情報を手がかりにして、保存可能なファイルの種類を制限する機能だ。だから、拡張子をわざと変えれば制限を突破できる可能性があるが、そうなるとファイルをダブルクリックして開く方法も使えなくなる。そうまでして制限を突破しようとするユーザーがいるかどうかについては、なんともいえない。

閑話休題。

ファイルスクリーンでは、保存そのものを抑止する「ブロック」だけでなく、条件に合致するファイルを保存したかどうかを調べてレポートするだけの「監視」も利用可能になっているところは、クォータと共通している。

設定・適用の方法もクォータと同じで、フォルダに対してテンプレートを適用する方法が基本になる。ただし、設定したい容量制限値がユーザーによって千差万別のクォータと違い、ファイルスクリーンではたいていの場合、既存のテンプレートを適用するだけで済むだろう。

登録済みのテンプレートには以下のものがあり、これで主要な用途はカバーできると考えられる。

  • オーディオとビデオのファイルのブロック
  • 実行形式のファイルのブロック
  • イメージ ファイルのブロック
  • 電子メール ファイルのブロック(*.eml, *.mbx, *.mbox, *.pstなど)
  • 実行形式とシステムのファイルの監視

特に需要が大きいと思われるのが[オーディオとビデオのファイルのブロック]だが、ウィルス対策、あるいはアプリケーションソフトの勝手な持ち込みを抑止する観点からすると、[実行形式のファイルのブロック]にも出番がありそうだ。といっても、クライアントPCのローカルドライブに置く分までは制限できないので、その点に注意したい。

ファイルスクリーンを利用すると、特定の種類のファイルを書き込めないように設定できる。これは「*.WAV」形式のオーディオファイルを書き込もうとして "却下" された例

ファイルスクリーンの設定

ファイルスクリーンはクォータと同様に、フォルダに対してテンプレートを適用する方法で実現する。前述したように、既存のテンプレートがいくつか用意されているので、まずはそれを使用する方法から解説する。

 1. [ファイルサーバーリソースマネージャ]管理ツールを起動する。

 2. 左側のツリー画面で[ファイルサーバーリソースマネージャ]以下の[ファイルスクリーンの管理]-[ファイルスクリーン]を選択して、[操作]-[ファイルスクリーンの作成]、あるいは右クリックして[ファイルスクリーンの作成]を選択する。このとき右クリックする場所は、画面中央の空白部分でもよい。

 3. 続いて表示するダイアログで、以下の設定を行う。

  • ファイルスクリーンのパス : 対象となるフォルダのパスを指定する。
  • ファイルスクリーンのプロパティ : 既存のテンプレートを選択する方法と、カスタムプロパティを作成する方法があるが、たいていは既存のテンプレートで用が足りるだろう。

 4. 設定を行ったら、[作成]をクリックしてダイアログを閉じる。すると、設定したファイルスクリーンに関する情報が画面中央に現れる。

既存のテンプレートを使用する場合、ファイルスクリーンを適用するフォルダのパスと、ファイルスクリーンのプロパティを設定すればよい

フォルダに対するファイルスクリーン設定の解除

続いて、設定済みのファイルスクリーンを解除する際の手順について解説する。クォータの場合と同様、この操作はフォルダに対するファイルスクリーンの設定を解除するだけで、適用していたテンプレートはそのまま保持される。

 1. [ファイルサーバーリソースマネージャ]管理ツールを起動する。

 2. 左側のツリー画面で[ファイルサーバーリソースマネージャ]以下の[ファイルスクリーンの管理]-[ファイルスクリーン]を選択する。

 3. 設定しているファイルスクリーンの一覧を画面中央に表示する。その中から設定を解除したいものを選択して、[操作]-[ファイルスクリーンの削除]、あるいは右クリックして[ファイルスクリーンの削除]を選択する。

[ファイルサーバーリソースマネージャ]-[ファイルスクリーンの管理]-[ファイルスクリーン]を選択した状態で、ファイルスクリーン設定の適用を解除できる

なお、ファイルスクリーンはクォータと異なり、テンプレートを適用したままで有効化/無効化を指定する機能がない。ファイルスクリーンの適用を止めたければ、ファイルスクリーンの設定(テンプレートの適用)そのものを削除する必要がある。